第6話

 先ずは此処を整える…。

 ってか不思議空間だよなー…、暗い…ではないな、漆黒の闇?なのに地面というか、立っている場所がわかるし。


「サチ、どうすれば良い?」


【ハイ、メインコントロールと仰って頂くか、心でメインコントロールを開くと思い浮かべて下さい】


「メインコントロールッ」


 口に出す前からニヤニヤが止まらない。

 いい歳したオッサンだが、誰にでも中二病は潜んでいるようだ。

 手を翳す必要も無いのに無駄に振り上げてしまった。


 フッと面前に浮かび上がるウィンドウ。

 隔離空間とだけ描かれたシンプルな物だった。えっ?メインなのにこれだけ?

 チラとサチを伺うが、表情からは何も読み取れない訳で…。ま、いいか。


 とりあえず選択っと…。


 ・衣

 ・食

 ・住

 ・環境


 ふむ、今出来る事はこれか。


「所でこの体は飲まず食わずで死なない、って事だけど、食べれば排泄は有るのか?汗をかいたりする?」


【ハイ、お答えします。

 管理者と成られたラック様は現在、高次元のエネルギー体となっており、今認識している肉体は地球人としての感覚を引き摺っている状態です。

 認識を改めれば、創造神様と同じ様な高次元の存在として知覚出来るかと。こう在りたいと想うままに肉体を創造し纏う事も可能です。

 摂取した物は全てエネルギーに変換されますので、排泄はしませんし、汚染される事も有りません】


「ナルホド…」


 オジサン、チョット、ナニイッテルカ、ワカラナイ…。


「ま、うんこしないし加齢臭も無いって事だな…」


【左様でございます】


「んじゃ、星の管理って事だけど、メインコントロールで出来る事が、隔離空間しか無いのは何故かな?」


【ハイ、お答えします。

 星は現在、創造神様がラック様に任せる為の仮染の存在となっています。

 この世界に定着させる為にラック様の力を与える必要が有ります。

 星の映し出されているモニターに触れて、力を全力で込めて頂くと、世界への定着が完了し、星への干渉が出来る様になります】


「それは直ぐにしなければいけないのか?」


【いえ、期限は有りませんが…】


「が?」


【デメリットが御座います。

 ラック様の御力が隔離空間に干渉する度に減少致しますが、星と繋がるまで回復しません。

 また減少した状態で星と繋がると、星自体の力も弱いままとなります。

 …簡単に言いますと、御力が最大値の最初に星と繋がる事で、ラック様と星双方共にWin-Winと言う事です】


 サチめ…此方を一瞥いちべつした後、簡単に纏めやがって…。どうせ難しい事は解りませんよ!ま、優しさだと思おう。


「なんにせよ初めにやるべきなのは解ったよ。全力でって…こうか?」


 モニターに触れ力を込めてみる、おぉ…力が抜けるのは良く分かる…全力疾走した後のような、お風呂で逆上せた時のような…死なないといってたが…これ大丈夫、な、のか…




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