第2話

『……ん。……さーん。……ギさーん。オウミ・ナギさーん……』


「…ぅん?」


『あー、良かったー。早めに気付いてくれてー。無信仰だったり、自分の死を認めない人とかさー、地上に悪霊として残っちゃう輩とかの対応メンドーでね…』


「拒否します」


『え?』


「だから、拒否する」


『あー、あのね?ココが何だかわかってる?まだ説明もまだなんだけどー?』


 白い光の塊は、困惑とほんの少しの苛立ちを滲ませ近寄ってきた。

 視力が悪い方だったが、視えないと言うより認識出来ないと言えば良いのか、ソレはぼんやりとした光だった。


「どうせ解脱なんて出来ませんし、輪廻なんてお断りします」


 生前どれだけ仏に祈ろうとも、神も悪魔もどれだけ願おうにも、世界中で不幸な出来事や戦争も無くならない、そんな世界に又生まれ変わるなんてのは、絶対にゴメンだと思っていた。


『あー、キミは仏教徒だったんだねー。六道輪廻りくどうりんねって概念が有るわけだ、ふんふん、まぁそれでね…』


「ですから、輪廻の輪には入りません!地球も人間も嫌になったんで、消滅を望みます」


『あー、イイねイイね。君はねー、中々強い魂を持ってるから、輪廻には入らず違う事をして貰うよー』


「えーっと……拒否権は?」


『これは決定事項なんだー、中々居ないんだよねー、まぁその代わり色々サービスしちゃうよー』


 死ぬ前も色々理不尽だったが…死んでからも理不尽だな…あれは幼稚園に通う頃だったか…。

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