第11話 炎の魔法!?

 最近は仕事が終わるといぶちゃんの配信でのんびりと時間を潰すのが楽しみになってきた。


 いつものように配信に向かう。通知が来るのを今か今かと待ち、通知と共に配信に入る。


『あ、◯◯。おはにゃの〜』


「『おはにゃの〜』っと……」


 挨拶を返せばいつものように他愛もない会話を繰り返す。

 話題は旅行の話になる。


『私ねぇ、観光地に行くと半年後に燃えるんだよねぇ……』


 どういうことだろうか。俺が悩んでいると、いぶちゃんは話を続けていく。


『前に行った首里城とかも半年後に燃えちゃうんだよね……』


 なるほど……。それに関してはいぶちゃんのせいではないと思うが……。


「待てよ……? 職場来てもらえばいいのか……?」


 職場に来てもらって燃えるのもいいかもしれない。そんなことを思っていると、リスナーの中にも同じ考えの人がいたようで、コメント欄に職場来て欲しいというコメントが流れる。


『いやいや! 何でみんな燃やそうとするの!?』


 少し慌てながら笑って話すいぶちゃん。そりゃあそうだ。職場を燃やすということがおかしい。……まぁ、シャチ(配信内での「社畜」の略)が多いこの配信なら仕方ない気もする。


『しかも、燃やしたら足ついちゃうじゃん!』


 いや流石に自分から狙ってるわけでもないのに足はつかないと思う……。

 いつものように少し抜けている(本人は自覚があるのかわからないが)いぶちゃんの配信はとても楽しい。


 特に企画のない普段の配信でもこうやって笑わせてくれるからいぶちゃんの配信は飽きない。


 俺はその後ものんびりと配信でコメントしながら楽しみながら、翌日以降のイベントのことを考えていた。


 --前回は力になれなかったし、微力でも力になろう--


 俺はそう決意をして、その日の配信最後まで楽しむのであった。



11話 完

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