第5話 アイコンリングってどうやるの?

 バッジをとれた次の日、俺は一つのことを悩んでいた。


「……バッジ特典、どうやって受け取るんだ?」


 アイコンリングがもらえるとのことだったが、全く連絡がこなかった。


「うーん、届かないからってこっちから連絡するのもどうなんだろう……」


 そんなことを考えながら、日中の仕事をこなす。

 朝配信はしていたが、それには参加できなかったのでモヤモヤしてしまったが、夜の配信は参加できそうだった。


「配信で言ってみようかな……」


 そんなふうに考えて、俺は残りの仕事を完了させた。




 夜仕事から帰ってくると、料理を作る前に布団にダイブする。


「今日は疲れた……」


 仕事量が多すぎて、疲労感から動けなくなる。

 そんな中、携帯の通知が来た。

 LINEかと思い携帯を開くと、いぶちゃんの配信通知だった。

 慌ててIRIAMを起動していぶちゃんの配信を開く。


『◯◯さん、おはにゃの〜』


 いつものように挨拶をしてくれる。

 声を聞いただけで癒されるような気がした。


「……あ、バッジの件言わなきゃ」


 そう思ってコメントを打つ。コメント読みが少し遅くなっているからか読まれるまで時間がかかった。


『え! うそ!? アイコンリング送ってなかった!? ごめんね!?』


 焦りながら謝ってくる。

 ……意外とポンコツなのか……?

 なんだか微笑ましい気分でいぶちゃんの焦りを眺めていると、Xに通知が来た。


『今送ったよごめんね!』


 配信をバックグラウンドにしてXを開くと、DMにリングが届いていた。


「……可愛いな……」


 思ったよりリングが可愛い。これをアイコンにつけようと思ったが、付け方がわからない。


「……え、どうやんの、これ……」


 ネットでやり方を調べると、『ibisPaint』というアプリでできるようだった。

 アプリを落として開いてみるが、やり方がわからない。


 ネットで「アイコンリング 付け方」と検索すると、やり方の動画が出てきた。開きながら試行錯誤してリングをつける。


「できた……!」


 完成したアイコンを自分で見てみる。思ったよりも可愛かった。

 そのまま配信に戻って変えた旨をコメントする。


『変えてくれたの? ありがと〜。ふふ、私の主張大きいね』


 笑いながらそんなふうに言ういぶちゃん。

 そんなことはないと伝えながら、今日もまた俺は最後まで配信を眺めるのであった。


5話 完

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