第4話 初バッジ!
「……よし」
夜、「花ノいぶき」の配信が終わりXをちょっとだけ眺め、今一度IRIAMを起動する。
「さーて、ポイント回収するか……」
バッジを取るためには200PTと配信視聴時間が必要だようだ。コメント数は既に達成していたのはもう確認済み。
「……『PT◎』ってのはポイント回収のことだったのか」
どうやってPTを集めるのかを調べた際、PT回収の意味を知った。登録1ヶ月以内の方の配信にて2分滞在+10コメで10PT回収できるようだった。とりあえず10人やって100PT集めようと俺は決心した。
「……あとは、チュートリアルミッションもあるし、いけるだろ……」
独り言のように呟く。うまくいけば、今日の夜配信で星1バッジは取れそうだと俺の頭の中で結論づける。
「よし!」
---そうして俺は、のこり9個の配信を回ってPTを回収したのだった。
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「やべ、疲れた……」
翌日、仕事を終えて家に帰ってくる。今日はハードだった。朝「花ノいぶき」の配信があったが、見には行けなかった。
「夜やってくれるかな……」
少し不安に思いながら、ご飯を作り適当に食べる。
いつもの日課のYouTube登録チャンネルの最新動画を閲覧していると、配信開始の通知がくる。
「お、きたきた……」
安堵と共にIRIAMを起動し、配信を訪れる。
『あ、◯◯さんおはにゃの〜』
花ノいぶきさんが挨拶してくれる。それと共にコメント欄でも挨拶をしてくれるリスナーさんもいた。
俺もコメントで「おはにゃの〜」と挨拶を返す。
ふと、初心者ミッションを確認するとあと数分で達成出来そうだった。このままポイントを獲得しようと、俺はそのまま会話に混ざっていった。
30分くらい経っただろうか。初心者ミッションを達成したようでコメント欄にバナーが出る。
『あ、◯◯初心者ミッション達成おめでと〜!』
そう「いぶちゃん」(会話の中でそう呼んで良いと許可をもらった)が達成を祝ってくれる。
PTを確認すると300PT溜まっていた。何かギフトを投げようとギフトを確認すると、ダイヤのようなものがちょうど300PTだった。
「……これなんだ?」
見た感じ、宝石のダイヤのような気もする。とりあえず、回収したポイントをそのままギフトとして貢献しようと押してみる。
『わぁ〜。カチカチだぁ〜!』
ダイヤだと思ったギフトは画面を凍りつける演出のようだった。
スクショを撮ろうと奮闘する「いぶちゃん」。
やっぱり可愛い。
『せっかく回収できたポイント、使ってもらって良いの?』
そんなふうに聞いてくれる。俺はもちろんそのために回収したのでなんとも思わない。
「……お、あと30分くらいか……」
あと30分でバッジが取れることをコメントで伝えてみる。
『あ、本当!? じゃあバッジ取れるまで配信するね?』
わざわざバッジが取れるまで配信してくれるなんて、なんで優しいのだろう。
やっぱり俺はこの「花ノいぶき」か好きになっていた。
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25分くらい経ったのだろうか。バッジまであと5分だった。
IRIAMを入れて2日でここまでハマるとは思ってなかった。
……今まであんまり好きになれなかったV tuberに俺がこんなにハマるとは……。
それだけ、この「花ノいぶき」の配信にハマっていたということだろう。
そんなふうに思っていると、もうバッジ目前だった。
ワクワクしながら待っていると、バッジ獲得のバナーが表示される。
『あ〜! ◯◯、星1バッジおめでと〜! ないバ〜!!』
バナーを見てめちゃくちゃ喜んでくれる「いぶちゃん」。
そしてコメント欄もお祝いしてくれる。
俺はお礼を伝えながら、こう思っていた。
--やっぱこの配信、配信者もリスナーも優しいなぁ。
そうして、初配信2日目に俺はバッジを取ることができたのだった。
4話 完
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