第仇話 【家族の在り方】
配役表一覧✝
●PC1 タイタス→男性
●PC2 マクベス→男性
●PC3 ジュリエット&???①(作中兼役)→女性
●PC4 ラヴィニア→女性
●NC(ナレーション)①→女性
●NC(ナレーション)②→男性
✝男女比率✝
男3・女性3(6人台本)
✝ジャンル✝
SF・ダークファンタジー【R-15G】
(※同性愛表現・残酷描写・鬱展開有)
✝所要時間✝
約40分
────────────────────────
NC②
永い後日談のネクロニカリプレイ風 声劇
『The Fake World of the End (ザ フェイクワールド オブ ジ エンド)』
『第弐章 Thistle(シィソー)~壊れた楽園の華~』
第
NC①
色鮮やかな赤く、
─────マクベスの記憶のカケラ
【告白】のシーン────
マクベス
(あれは……
NC②
白衣に
切れ長の青い瞳に白い肌と赤いルージュ。
君は【彼女】が何をしているか知っている。
毎日、毎日。何をしているか知っている。
毎日、毎日。何を造っているのか。
毎日、毎日。何に没頭しているか。
君は
君が【彼女】を好きになったのは
気が付けば君は
マクベス
「少し良いかな?話があるんだ。」
???①(ジュリエット兼役)
「……何???私忙しいのだけど……」
マクベス
「そんなに時間は取らせないよ……
その……【俺】は君が好きだ……」
???①(ジュリエット兼役)
「私は貴方の事なんて好きじゃない。」
マクベス
「知ってるよ、それでも【俺】は君が好きだ。」
???①(ジュリエット兼役)
「貴方、馬鹿なの???私は貴方なんか興味無いの。」
マクベス
「知ってる……君が好きなのは【あの人】……だろ?」
???①(ジュリエット兼役)
「……」
マクベス
「君が【俺】の事を好きじゃ無くても俺は君が好きだ。
だからこんな【俺】でも君の力になりたいんだ……」
???①(ジュリエット兼役)
「……コーヒー……」
マクベス
「えっ……???」
???①(ジュリエット兼役)
「貴方の研究成果のコーヒー豆で作るコーヒーを
毎日飲ませてくれるなら返事を言ってあげる。
好きだのなんだのは貴方の研究結果次第よ………。
それと今日から貴方を私の助手にして【M.o.r.d.r.e.d.(モードレッド)】から【P.e.r.c.e.v.a.l.(パーシヴァル)】に引き上げてあげる。
私の助手が
マクベス
「……嗚呼、ありがとう……
精一杯、君の期待に応えるよ……」
(あの日、あの時。君が笑った顔が嬉しくて……
だから【俺】は……──────)
ジュリエット
「どうしたの、マクベス???
急にアタシの方を見てボーッとしちゃって???」
マクベス
「え????……ジュリエット……???」
ジュリエット
「はぁ???他の誰に見えんのよ???
……マクベス???顔色変だけど大丈夫???」
タイタス
(もしかしてマクベスはまた過去の記憶が蘇ったんじゃ……)
ラヴィニア
「その【写真】を見てから少し様子が変わった気がしましたけど……
大丈夫ですか???マクベスさん???」
マクベス
「……あ……嗚呼……
実はこの
その記憶の中で今まで見て来た記憶には出て来なかった知らない人物が現れて……少し……混乱してしまったみたいだ……すまない……」
(今の記憶の中で
それに記憶の中に出て来たのは女性???
今まで記憶には出て来なかった人物……
ラヴィニア
「あの………マクベスさんがとても仲間想いなのは出会ったばかりのボクでも分かります。
マクベスさんは優しくて真面目な意地っ張りさんだけどボク達にとって大切な人に変わりません。
だから【大丈夫】で隠さないで下さい………。」
ジュリエット
「ホントそれよっっっ!!!!
黙ってばっかの秘密主義過ぎると相手だって不安になるっつーのっっっ!!!
ヤキモチ焼くのも程々にしないと、夫婦喧嘩は犬も食わないんだからっ!!!」
ラヴィニア
「焼き餅って何だか美味しそうな言葉ですねっ!!
1つ覚えましたっっっ!!!!」
タイタス
「えぇえっ!?
それってそいう言葉じゃないんだけどっ!?
ラヴィニア何か勘違いしてないっっっ!!??」
マクベス
「……そう、だね……ラヴィニアとジュリエットの言う通りだ、ありがとう……さ、先を急ごうか。」
NC①
4人は先に進み、今度は左の【食堂】へと向かった。
扉には鍵は掛かってはおらず、ガチャリとドアノブを回し、中に入って行くとこの部屋も他の部屋同様に
緑と木々の根に侵食され荒れ果てていた。
壊れた自動販売機や自動券売機に、テーブルと椅子があるが、どれも
奥を
ジュリエット
「
ラヴィニア
「メニュー表を見つけましたよ、Aセット、Bセット、Cセット………。
【人工肉未使用】って書いてあります。」
マクベス
「こっちには壊れた職員専用販売機って書いてある機械を見つけたけど、タイタスは何が見つけたかい???」
タイタス
「うーん……あんまりめぼしい物は見当たらないね。
カウンターの中にも何も無い……ん???
何が入ってる???……これは【煙草とライター】だ……」
ラヴィニア
「何ですかそれ???
とても小さな箱みたいですけど?????」
マクベス
「これは煙草って言って大人の
見た目は劣化してる様には見えないけど、よく見たらオイルが切れてるから火は
ジュリエット
「オイルがあれば良かったんだけど、他の部屋を探したら見つかるかもしれないから、その時に
タイタス
(あれ……???何だろう……???
手にしっくりと来る感じに
「フジと同じ位大切な物だからこれ、僕が持ち歩くよ。フジってば戦闘中はずっと白衣の内側の大きなポケットの中に自分から入ってたからって……あれ??!!フジッ!??!」
ラヴィニア
「フジって何ですか???タイタスさんの大事な物ですか???」
マクベス
「フジって言うのはタイタスの【たからもの】の黒猫の事だよ。
ジュリエット
「何かフジが勝手にいなくなったっ!?って取り乱してキッチンの奥から声がするっ!!って言って奥に走って行ったわよ。
マクベスってば置いてかれてやーんのっ!!!!
プーックスクスッ!!!」
マクベス
「……ふーん……そう。
じゃあ
ジュリエット
「へーへー。お邪魔虫なアタシはラヴィニアと一緒に次の部屋の調査しとくわ~。」
ラヴィニア
「はい、お任せ下さいっっっ!!!マクベスさんっ!!!」
マクベス
「了解したよ。あっ、ジュリエット。
くれぐもラヴィニアに変な事吹き込まないように。
ラヴィニアにセクハラしたら怒るからな。」
ジュリエット
「するかボケェェェェェェェッッッ!!!!
ふぅぅぅぅぅぅぅんっっっだっっっ!!!!!
行こうラヴィニアっっっ!!!!!
マクベスのばーかばーかっっっ!!!
マクベスのムッツリおたんこなすっっっ!!!」
ラヴィニア
「あ、は、はいっ!!!」
(ムッツリって何だろう???カタツムリ???)
NC②
その頃タイタスは一足早く、キッチンの奥に駆け寄って行き、古びたコンロの前でニャーと鳴いていたフジ優しく抱き寄せて、頭を撫でながら自分の肩に置いた。
タイタス
「フジッッ!!
探したよぉぉぉぉ~離れちゃ駄目でしゅよぉ~。
……ん???この寸胴鍋の中から何が煮えてる音がするけど中に何が……ひっっ!!!!???」
NC①
風化し、劣化した錆び付いたコンロの上でゴポゴポと音が鳴る白くて真新しい寸胴鍋の中身を見たタイタスは言葉を無くし、声を殺した。
中身は緑色の液体をしたモノの中に引き千切られ、血だらけの腐った人間の何本もの腕がまるでパスタを茹でるように円を描き、紫色に変色した
ゴプゴプ、ゴポリゴポリと言う無機質な音がタイタスの心と身体を侵す。
規則的に近いその音はタイタスの精神を蝕み、恐怖と目を背けたくなる光景はタイタスが感じた事の無い恐怖ではない、【ナニカ】を覚えるでしょう。
まるで深い深い闇の底に身体と心が引きずり込まれる感覚の中でタイタスはかつての自分を見た。
遠い、遠い。
心が死んでいたあの頃の自分の忘れていた、失っていた過去の記憶。
さぁ、目を逸らさずにご覧なさい……
NC②
────タイタスの記憶のカケラ
【培養槽】のシーン─────
ゴポリ、ゴポリ。
部屋中にある大量の円柱の水槽の水底から聞こえる酸素の音。
一定のリズムを刻み、繰り返す。
毎日、毎日耳にする音。音。音。
コツコツ、カツカツと静かに響き渡る歩く音。
カリカリ、カリカリと書類を書く音。
カタカタ、カタカタとパソコンにデータを記入する音。
何十、何百、何千、何万もの水槽を毎日一人で機械を弄り、中身の肉塊を記録する。
日々、繰り返される同じ色の無い灰色の毎日。
無意識に。無感情に。無造作に。無関係に。
無意味に。無作為に。無意義に。無気力に。
終わらない永遠のルーティンワーク。
タイタス
「……456,5689、1209、623……失敗……
……1145、7685、23、30078……失敗……」
(何も見なくとも苦しくもない。
何も悲しくもない、辛くもない、恐ろしくない。
何も怖くない、何も感じない……だからもう、良いんだ……)
NC①
─────────本当に???
ほんとうに????
本当に貴方はそれで良いの???──────
NC②
ふと、
君は耐え難い【
タイタス
「……今のは僕の記憶……って……うわぁぁぁぁっっっ!!!???」
NC①
タイタスがぼんやりと記憶を思い出しながら、意識を取り戻すと、鍋の中に顔を入れて今にも液体の中身を食べようとしていた自分に驚いて、ギリギリの所で慌てて上体を起こし、弾みで尻もちを付いた。
マクベス
「どうしたんだい、タイタスッ!?!?
何かあったのかい???君の叫び声が聞こえて駆けつけたんだが……」
タイタス
「ごっ、ごめん、マクベス。丁度そこの鍋の中にちょっとビックリするものを見て記憶を1つ思い出したんだ……」
マクベス
「君が怪我ないなら良いが……鍋???
タイタス
「えっ……???
あ、あれ???……鍋が無い……???
確かにさっきまで
マクベス
「……ふむ。
恐らく記憶を取り戻す時は何かがトリガーになって思い出す様になっているんだろうね。
だからタイタスが記憶を思い出そうとした時にある種の幻影を見たのかもしれない。」
タイタス
「そう、なのかな……????
…ぁ、あのー……それよりマクベスさんや……
なんか……顔近くない???」
マクベス
「フフフッ……そうかい???
タイタス
「だっ、駄目だよっ!!!そのっ!!!
あっ、あの、ラヴィニアとジュリエットはっ!?」
(近いっっっ!!!近いよっっっ!!!
何何ぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!????
ハッッ!?これが俗に言う壁ドンと顎クイ!?)
マクベス
「2人なら隣の部屋で開かない扉に夢中さ……
それに今他の子の名前を言う悪い子の口は塞いでお仕置しないとね……」
タイタス
(お仕置っっっ!!!???なんでっ!?!?
うわぁぁぁああぁぁぁっっっ!!!!
どんどん顔が近くなってっっっ!!!)
ジュリエット
「……せぇぇぇぇのぉぉぉぉっっっっっ!!!!
新婚さんいらっしゃぁぁぁぁぁいっっっ!!!!」
タイタス
「えっっっ!!!???
なっ、何事っっっ!!!???
銃声!!!????新婚さんっっっ!!!??」
マクベス
「……チッ。
嗚呼、どうせジュリエットが開かないからって銃を使ってで開けたんだろう……
はぁ……あんな言葉、
とりあえず……あの2人の所へ行こうか。」
(またお前かっっっっ!!!!!!!
ジュリエットォォォォォォォッッッ!!!!!)
タイタス
「ぅ、うん……わ……分かったよ……」
(セェェェェェェェェフゥゥゥゥゥッッッ!!!!
あっぶなかったぁあぁぁぁぁぁっっっ!!!!
あれ????何かマクベス???怒ってる???)
ラヴィニア
「タイタスさんっっ!!!マクベスさんっっ!!!
隣の部屋の扉が中々開かなくて困っていたんですが、何とジュリエットお姉様が背中に背負ってお持ちなられていた銃で開けて下さったんですっ!!!
やっぱりジュリエットお姉様は凄いですねっ!!!」
ジュリエット
「えへへっっっ!!!
そんなに褒められたら照れちゃうなぁ~ぐへへ~♡
アタシに掛かればこんなモン楽勝よっっ!!!!
ぬぅわぁはっはっはっはっはっはっ!!!!!!」
タイタス
「あーーー─……そ、そうなんだ……
よ、良かったねっっ!!!扉が開いてっっ!!
ねっっ!!マクベスっ!!!!」
マクベス
「ラヴィニア……君はジュリエットみたいになってはいけないよ……
ジュリエットは頭ん中が脳筋!!馬鹿力こそ全てっ!!!って言う、爆殺ロリっ子だからラヴィニアが
あまりジュリエットに毒されたら君の教育上、よろしくないからね。」
ジュリエット
「はぁぁああぁぁああっっっっ!!!???
失っっっっっっ礼なぁあぁぁぁぁっっっ!!!
誰が脳筋だゴラァッッ!!!!
どっかの覇王と一緒にすんなっっっ!!!
アタシはキュートでファンシーな女の子よっ!!」
マクベス
「ん????ジュリエットはクレイジーでファンキーの間違いじゃないかい???」
ジュリエット
「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!!
もぉ許さぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!!!
上等だっっっ!!!
テメェのお綺麗な顔をチャカでグチャグチャにぶち抜いてやるぅぅっっ!!!!」
タイタス
「2人共落ち着いてぇぇぇぇっっっ!!!!
ほらっっラヴィニアも何か言ってあげっ」
ラヴィニア
「凄いですっっっ!!!
これが戦闘の時のお2人の表情なんですねっ!!!
凄く真剣でカッコイイですっ!!!!
マクベスさんの言ってた脳筋???は良く分かりませんが、ジュリエットお姉様は強くて可愛くてカッコイイっ!!!
ジュリエットお姉様はボクの憧れですっ!!!」
ジュリエット
「憧れっっっ!!!!???
ヤダ嬉しいぃぃぃぃぃっっっ!!!!!!
ラヴィニアはホント良い子だねぇ~♡♡♡
ぎゅーしたるぅぅぅぅぅ♡♡♡!!!!」
ラヴィニア
「えへへっ、またお姉様に抱き締めて貰いましたぁっ!!!」
マクベス
「ハイハイ。イチャつくのはその辺にしてジュリエットが開けた部屋に行こうじゃないか。」
ジュリエット
「何よぉ~アンタ達だって始終イチャイチャしてる癖にぃーーーっ!!!
何かマクベス機嫌悪いわよぉ、何???思春期男子ですかコノヤロウ???
それとも男の子の日ですかぁーー???
あっ、タイタスゥ~???
もうマクベスにハジメテのキッスして貰ったぁぁ???」
タイタス
「えええっっっ!!!???キキキキスゥゥッ!?
え、い、いやっ、そのっ、えっとっっ!!!!」
マクベス
「あ゙ぁ゙ん゙???……おっと……コホン……何か言ったかな???
ねぇ……タイタス???ジュリエット???」
ジュリエット
「ひぇっ………スンマセン……」
(恐ぁぁぁぁぁっっっ!!!鬼だっっっ!!!
鬼がいるぅぅぅぅっっっ!!!)
タイタス
(マクベスが怖いよぉぉぉぉぉっっっ!!!)
「あのっ、えっと、ラヴィニアが着いて行けなくて困惑し始めちゃってるからとりあえず早く行こうっ!!!!」
ラヴィニア
(キス……???キスって何だろう???
今度タイタスさんに聞いてみようっ!!)
NC②
4人はジュリエットが破壊した扉の先にある、【執務室】の中へと進んで行った。
その部屋も他の部屋同様に荒れ果てていたが、他の部屋よりも暗く、じっとりと湿っていてカビ臭い匂いが
充満して、部屋中に何十台ものパソコンや電子機器が立ち並び、中央には巨大スクリーンがあるが損傷が激しく、また壁と言う壁にありとあらゆる昆虫の標本が飾られ、大量の虫や動物の無惨な姿となった解剖写真が張り巡らされていた。
室内の床に人体や昆虫、動物の入ったホルマリン漬けがあちこちに転がって、足元には何の植物かは分からない枯れた植木鉢が大量のコードと繋がっている、全く他の部屋とは異質で異常な恐ろしい狂気に満ちた部屋に4人は、ゴクリと息を飲んだ。
ラヴィニア
「な……何ですか……この部屋……???
……こっ、怖いです……」
マクベス
「……これらはもう死んでいる。
動き出したりしないから大丈夫さ、ラヴィニア。」
タイタス
「パソコンは壊れてるし、部屋中かなり不気味だなぁ……何か見つかると良いんだけど……」
ジュリエット
(部屋中のパソコンと植木鉢がコードで繋がってるけど一体何の為に付けてるのかしら……???)
「あれ、戸棚に何かある???」
NC①
ジュリエットは自身の立っている場所の隣の戸棚の中で何か
それは薄暗い部屋の中で
ジュリエットはそのブローチに不思議な懐かしさを感じ、【ずっと欲しかった】と言う強い欲求が心の底から溢れて、ジュリエットの感情を支配する。
そしてブローチに書かれた文字に見た瞬間、
まるで懐かしむように、愛おしむように。
歓喜の声で【たからもの】を抱き締めて口を開いた。
ジュリエット
「【───
ラヴィニア
「……お姉様???ジュリエットお姉様???
ジュリエット
(えっ???……あれ???
アタシ……何でこんなに嬉しいの……???)
「ラヴィニア……あ、うん、このブローチをさっき見つけてさ。」
ラヴィニア
「それがブローチですか……もしかしてそれはジュリエットお姉様の過去でとても大事にしていたモノなのですね、とても嬉しそうな顔をしていましたから……」
ジュリエット
「アタシ、そんな顔だったの???
全然分からなかった……
何でかな???……これがどうしても欲しかった様な気がして……あれ……???
何か……意識が……遠く……な……」
ラヴィニア
「お姉様っっっ!!??ジュリエットお姉様っっっ!!!????
お気を確かにっっっ!!!!
タイタスさんっ!!!マクベスさんっ!!!
ジュリエットお姉様がっ!!!!」
NC②
────────ジュリエット。
君は薄れゆく意識の奥底の深い、深い闇の中で【ナニカ】を見るだろう。
君には見えるかい?君の中の【君自身】が……
あれは心の内側に秘めたる君の【
懐かしい、忘れてはいけない君の思い出。
君が君になる為の大事な、大切な記憶。
…… 君が今、目の前にいる【誰か】に気付くだろう……
これは幼い頃の君の思い出。
君の根源たる君の過去。
君の【ハジマリ】の記憶。
NC①
─────オカエリナサイ、【ジュリエット】─────
NC②
────ジュリエット 記憶カケラ
【残酷な遊戯】───
小さい頃、君は【知る事】が好きだった。
物心付いた時から【知識】を求め、一番、好きだったのは時計だった。
チクタク、チクタク、チクタク、チクタク。
間違えずに正確に時を刻む時計が【不思議】だった。
【不思議】な事が許せなくて、自分とは【違うモノ】が理解出来なくて不愉快だった。
だから毎日、毎日、毎日。
来る日も来る日も解体して原理を知り、暴くのが好きだった。
楽しかった。嬉しかった。喜びを感じていた。
壊して繋いで、バラして観察して飽きるまで、またやり直して。
壊して繋いでバラして。壊して繋いでバラして。
壊して繋いでバラしては【未知】を暴き、【知識】の欲求を持つ自身を抑えられなかった。
無機物でも、有機物でも。
生きているモノでも、死んだモノでも関係なく。
【知識】と言う【果実】を
けれど、そんな君の【シアワセ】は唐突に否定され、奪われた。
ジュリエット
(嗚呼……【アイツ】の言葉が響く……
いい加減にしろ……お前にはどうせ直せない……これ以上のモノは決してお前には作れないのだから……
この言葉がずっと離れない……)
NC②
──────大人になってからも疑問に【不思議》》
】に思う度に 繰り返し、繰り返し、言われた呪いの言葉が心に重くのし掛かり、棘のように絡み付く。
君の存在理由を否定する地獄の言葉と悪夢の記憶。
ジュリエット
「うるさい……うるさい。うるさい。
うるさいっっっ!!!!!!!!!!!!!
黙れっ!!!!!黙れっ!!!!!!!
黙れれぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇっ!!!!!!
私の探求の邪魔をするなっっっっっ!!!!!!!
もっと、もっと技術と知識を
【あの人】に認めて、見て貰って、褒められる為にっっっ!!!!!!」
そして君は、長年の努力が実を結び、作り上げた。
【
ラヴィニア
「……ねぇさま……ジュリエットお姉様……
ジュリエトお姉様っっっっ!!!」
ジュリエット
「……っ!!??……ラヴィニア……?」
ラヴィニア
「良かった……ジュリエットお姉様が目を覚まして下さって……安心しました。」
NC①
ジュリエットはハッと意識を取り戻すと、自身が横になっている事がわかるでしょう。
しかしジュリエットの中に湧いた狂気は、心に深く深く爪痕を残し、侵食してしまう。
貴女は青ざめた顔のまま、ぶつぶつと呟き始める。
ジュリエット
「……アタシは……造らなきゃ……そうだ……やらなきゃ……やらなきゃ……アタシは出来るんだ……出来るんだ……アタシは……」
ラヴィニア
「大丈夫ですよ、ジュリエットお姉様。
大丈夫です……ジュリエットお姉様は、
お姉様、深呼吸しましょう。
吸って……吐いて………」
ジュリエット
「すぅーーーーー……はぁーーーーーー……
すぅーーーーーー……はぁーーーーーー……
……ありがとう、ラヴィニア……もう大丈夫よって……あれ???何でアタシ、ラヴィニアに膝枕されて髪撫でられてるの???
何これ???
ラヴィニア
「急に倒れられた時、
ジュリエット
「そうなんだ……本当に優しいわよね、ラヴィニアは。」
ラヴィニア
「そうですか???あの、ジュリエットお姉様。
聞き辛い事を尋ねてしまう事をお許し下さい。
もしかして……記憶を……思い出されたんでしょうか????」
ジュリエット
「うん……昔の、過去のアタシの幼い頃と大人になってからの記憶を思い出したの……
でもちょっとショックなモノ見ちゃったけどラヴィニアに膝枕して貰ったら、落ち着いたわ、もう体を起こしても大丈夫よ。」
(あれは何だったの???今まで見た事の無い記憶の中でアタシは何かを造っていた???
それにあの声の人物……知ってる気がする……でも誰かは分からない……
それに【作品】って何の事……????)
ラヴィニア
「いえ、
だから、少しでもお役に立てて嬉しいです。」
ジュリエット
「そんな事ないわよ、あたしはただ……」
ラヴィニア
「ジュリエットお姉様は目覚めて
ボクの髪を優しく編んでくれて元気をくれました……
だから今度はボクがお姉様の代わりに、ジュリエットお姉様がピンチになったら、力になろうって決めたんです……
だって、ジュリエットお姉様はボクの憧れのヒーローですからっっ!!!」
ジュリエット
「もぅ尊いなぁぁぁぁぁあぁっっっ!!!!!!
ラヴィニアはっ!!!!!てぇぇはっっ!!!!
マジ天使ぃぃぃぃぃっ!!!!
何でこんなに良い子なのよぉぉぉぉっっ!!!!
ぎゅーーーーしたるぅっっ!!!」
ラヴィニア
「わわわっっ!!!???お、お姉様、く、苦しいですーーー!!!」
ジュリエット
「嗚呼、ごめんごめん。そう言えばタイタスとマクベスは???一緒じゃないの???」
ラヴィニア
「あのお2人ならボクがお願いして、お姉様が目覚めるまで部屋の入口を守って頂いていますよ。」
ジュリエット
「そっか……心配掛けちゃったわね、あの二人にも……」
ラヴィニア
「【家族】に心配掛けちゃったって良いんですよ、ジュリエットお姉様。」
ジュリエット
「えっ……【家族】????」
ラヴィニア
「……ボクは自分の過去に【家族】が存在するか、まだ分かりません。
でもボクにとって皆さんは大切なかけがえの無い【家族】なんです……だから、その…上手く言えないんですが【家族】に心配くらいさせて下さい。
ボクも負けずに心配掛けちゃいますから。
あ、あれ???これで良いのかな????」
ジュリエット
「もぅ……ラヴィニアには敵わないなぁ……」
タイタス
「ゴホン……目覚めたジュリエットに悪いんだがそろそろ離れてあげなきゃ、ラヴィニアの顔がゆでダコ状態のままになるよ。」
ラヴィニア
「ふぇっっっ!!!!?????ぃ、言わないで下さいっ!!
タイタスさんっっ!!!!」
マクベス
「可愛い子を愛でるのは【家族】の特権なんだよ、ラヴィニア。
それと目覚めてから自分が何者であるか、過去を探して、戸惑い迷ってばかりだった
ラヴィニア
「ぃ、いえ……あ、あの……マクベスさん、お顔をがそのっ、ちっ、近いですぅ!!!」
タイタス
「こらあああぁぁぁぁああっっっ!!!!!」
ジュリエット
「どさくさに紛れて何やってんのよっっっ!!!
アンタにはタイタスがいるでしょっっっ!!!!
純粋なラヴィニアで遊ぶんじゃないわよ、このドS鬼畜野郎っっ!!!!
ラヴィニアにまで手を出したらアタシ、絶対にアンタを許さないからっ!!!!」
タイタス
「そっ、そうだよぉっっっ!!!!
ラヴィニアは皆のラヴィニアなんだからっ!!!」
マクベス
「アハハハ、ごめんごめん。
さぁ、ジュリエットも動けそうだし、次の部屋に進もうか。」
NC②
穏やかな笑顔を向け合い、お互いの心に暖かな火が灯る。
例え
4人は中央の鉄製で出来た次の部屋の重い扉を開き、中に進んで行く。
鉄製で出来た【実験室】と書かれた重い扉を開き、中に進んで行くと部屋の中も薄暗く、広い室内もまた緑に覆われ、木々や植物の根や
しかし、中を良く観察すると5つの赤黒く鉄錆の匂いがする【ナニカ】の染みだらけのベットと壊れた医療機器や数十台のパソコンに幾つもの薬品の瓶や割れた瓶の破片が散らばり、また部屋中には檻に入ってミイラ化した動物の亡骸が山の様に
更に部屋の中央には一際、大きな円錐状の【ナニカ】が入った水槽のようなモノがあった。
……さて、本日は
【後日談】はまだまだ序盤。
次の【
ごゆるりとお待ち下さい……
NC①
第
~終演~
──to be continued(トゥ ビィ コンティニュード)…………───
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