第7話 オオカミ駆除③ 作戦会議
村へ着いたケンたちは依頼主である村の領主の屋敷へと向かった。
そこで話を聞くと夜な夜なオオカミたちがやって来て村の家畜を食べてしまうとのことらしい。
村の貴重な財産をこれ以上食い荒らされてはたまらないので駆除してほしいとのこと。
ケンたちは了承して、とりあえず領主の屋敷で作戦会議を行うことにした。
大きな食卓が部屋の真ん中にある部屋を借りて作戦会議は始まった。
「さて、ケンならどうする?」
「皆目見当つきません」
「少しは考えなさい」
ジャンはケンに自分で考えさせるつもりだったが、あまりに投げやりな態度に頭を抱えた。
「だって分かんないよ。オレはそれが知りたくてジャンをあてにしたんだから」
「まぁ、それもそうだな。わかった、オレの考えを伝えよう」
ジャンの考えはこう。
オオカミが村まで出張っているなら、わざわざ森のなかに入るリスクを冒すよりも家畜を狙って村に来るのを待ち構えていたほうがいいという考えだ。
「村の教会の上に都合いい狙撃場所がある。そこからオオカミを射殺す」
「でもさジャン。家畜を犠牲にするわけにはいかないだろ?」
「ケン。そこまで頭が回るのは素晴らしいことだ」
そう言うとジャンはニヤリとケンを見つめて笑った。
「なんだよジャン?」
「フフフ、ケンには大役を担ってもらうぞ。ケンは家畜小屋で待機してオオカミを待ち伏せる。入ってきたオオカミはその場で撃退」
「おーなるほど!」
「ケンが暴れて外に出てきたオオカミはオレたちが弓で射る。これならスムーズに駆除できると思うぞ」
「完璧だなジャン。剣の男にビビってたときとは大違いだな」
「アハハ・・人には土俵があるんだ。一騎打ちはオレの土俵じゃぁない」
ジャンはケンの言葉に苦笑いなしにはいられない。
ジャンが苦笑しているところにベルが質問を投げかけてきた。
「ねぇ、ワタシとメラニーの魔導師組は何をするの?」
「ベルさんは索敵でケンにオオカミが近づいてきたことを伝えるんだ。メアリーはオレたち弓組を索敵でフォローを頼む」
「なるほど、さすがは狩人の家系ね。段取りが完璧だわ」
ジャンの作戦に感心するベル。
そして皆が作戦に納得をしたことで会議が終結した。
「みんな作戦通りにやれば、きっとうまくいくはずだ!頑張ろう!」
「おう!」
ジャンの激励に揃って返事をする。
作戦の決行は今夜。
それぞれが作戦までの緊張の時間をやり過ごしてゆくのだった。
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