第6話 オオカミ駆除② α個体
オオカミの群れは森の中に潜み、1つの群れに5〜10匹ほどがいる。
一番強いオオカミがリーダーに就き、厳格な序列関係を以って群れを率いる。
そのためリーダーさえ殺してしまえばあとは烏合の衆が残るのみで群れを狩ることは格段にたやすくなる。
「へ〜じゃぁ、群れのリーダーをやればいいんだな?」
ケンとベル、ジャンのパーティーは依頼のあった村へと歩いて向かっている途中にジャンからオオカミの生態についてレクチャーを受けていた。
「まぁそうだな。だけど」
「だけど?」
「気を付けてほしいことがある」
緊張感を持たせるためか、ジャンは内容の先をすぐに話さずに少し勿体ぶる。
オオカミについて詳しくないケンとベルには皆目見当もつかず、ただ答えを待つばかりである。
「
ジャンの口から出たのはα個体という言葉だった。
しかし、これでも2人には何のことだか分からない。
「
「でかいって、どれくらい?」
「オオカミなら体高で3メートルだ」
「3メートル!!」
あまりのスケールに驚くケンとベル。
体高で3メートルというのは、四つんばいの状態でもケンやベルの頭をゆうに超える高さだ。
あまりのデカさに想像すらできない。
「ジャン、ホントにそんなのいるの?」
「いるらしい。オレは見たことはない」
「なんだよ・・噂話程度のことを大袈裟に言うなよ。無駄に神経すり減らすだろ」
「いや、これは狩人の世界では知ってなくてはいけない戒めなんだ。たとえ見たことなくても常に警戒しろというね」
「ふ〜ん。出会ったらどうするの?」
「逃げるだけだ」
2人はジャンの忠告にコクリと頷いた。
そして、しばらく歩き続けていると村が見えてきた。
「あれだな」
「ベルちゃん!初めての駆除依頼がんばるろー」
「えぇ!稼ぐわよー」
ケンとベルは初めての駆除依頼に胸を躍らせ村へと向かっていた。
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