第3話 中3の御守
中学校のクラスメートのお話。
中3の受験シーズン。
自分のメンタルに危機感を感じた私は、志望校を変更した。受験は早く終わることになったけれど、周りの期待には沿えないことになった。
家族と話し合って、先生に報告して、クラスメートの認識を修正して。
その中には、公認のライバルで、私が諦めた志望校を受験するクラスメートもいた。
何も悪いことはしていないけれど、皆の「結局はあなたの決めることだから」に対して、なんとなく謝罪する日々が過ぎた。
そんなある日、中学の授業でクラスメート全員への応援メッセージを書き合うことになった。その紙はお守り袋に入れて、受験前日に配られるという。
受験前日、学校からの帰り道に早速お守りを開けると、「頑張ってね。」「教えてくれてありがとう。」に溢れた紙が現れる。
その中に、例のクラスメートのものもあった。
「高校は離れるけど、首席の噂を楽しみにしています」
そのお守りは、今でも私の机に入っている。
結局首席にはなれなかったけど、いつか彼に再会できたら、その首席に追いつくために頑張れたこと、その延長で夢を叶えることができたことを伝えたい。
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