第11話
ボーナスポイントは、現在67余っている。途中、【鑑定眼】を獲得したので、実際はもう少しあった。
一度昼休憩ということで、俺たちは階層と階層を繋ぐ階段に腰かけていた。
リュックサックの隅のほうに入れられていた乾パンを水で流し込むように食べていく。
昨日の夕食や今朝の食事に比べると、栄養補給くらいの意味合いしかなく少し寂しい。
ただ、それでも食事は食事。俺は楽しみながら食べていき、新しいスキルについて考えていく。
……ちょっと思ったのは、【アイテムボックス】だ。
獲得してみてから、リュックサックの中の荷物だけを収納してみる。
おお、できた。素材で重たくなっていたリュックサックが軽くなった。
【アイテムボックス】からリュックサックに荷物を戻すことも可能だ。
これで、リュックサックが肩にめり込んで痛い問題は解決しそうだな。【アイテムボックス】の容量はランクで変わってくるようだが……ひとまずDランクでリュックサックの荷物すべて入った。
あとは、必要なときにリュックサックの中にその荷物を取り出せばいいだろう。筋力をあげるよりもこっちのほうが効率的だな。
次はミリナとフィアを支援する魔法について考えよう。
食事を終えたミリナたちに声をかける。
「なあ、フィア。ボーナスポイントを手に入れたから新しい支援魔法を取ろうと思ってるんだけど、フィアやミリナの魔法ってステータスのどれが影響してるんだ?」
「え? そうね。あたしの魔法の威力は魔法力に関係しているわよ。フィアは確か、精神だっけ?」
「回復魔法については精神への比重が高いですが、魔法力も多少影響していますね」
なるほどな。
ということはこの二つを強化するような支援魔法を取得すれば良さそうだ。
【筋力強化】などと同じように、【魔法力強化】、【精神強化】もあるので、その二つをSランクで取得しておけばいいか。
ただ……まあ、最近はレヴィートが一人で魔物を倒していてあまり使う機会はなさそうだけど。
「イルンは筋力と速度を強化しておけばいいのか?」
「基本的にはそうだね。あとは、罠を解除するときとかは器用、運のステータスが必要になるかな? それと普段は【ドロップアップ】のスキルを使ってるんだけど、それは運の数値に関係するんだったかな」
「【ドロップアップ】?」
俺が首を傾げると、話を聞いていたレヴィートが笑いながら答えた。
「そんな常識も知らないなんて、やっぱ追放者ってバカなんだな。盗賊系入れるなら当たり前なんだよ。そいつらは戦闘能力はそこまで高くないけど、魔物のドロップアイテムを増やしてくれるスキルを持ってんだよ。パーティーにいれば、それだけで狩りの効率が変わるんだよ」
……なるほど。そうなのか。
魔物は死んだとき、霧が散るようにして消滅する。その際に、素材や魔石をドロップするのだが、何もドロップしないこともある。
盗賊がいるだけで、その確率が上がるということか。
これは結構大事だ。パーティー全体の金回りにも関わってくるよな。
「レヴィート、知らないことは罪じゃないんだからあまり言いすぎないようにね」
「へいへい」
レヴィートは特に反省した様子もなく、そのままゴーグルに視線を戻した。
イルンが、ちらと俺を見てから話を続ける。
「盗賊系スキルの持つ人ってパーティーによっては、荷物持ち、索敵、罠解除って感じで補助に回ることも多いんだ。僕は比較的ステータスの伸びが良いから、アタッカーとほぼ同じように立ち回れているけどね」
「……なるほどな」
とりあえず、全ステータスを強化しておいて悪いことはない、ということだな。
俺も自分のスキルボードを見てみると、確かに【ドロップアップ】というのがあった。
……もう獲得できるんだな。ポイントが余ったら獲得してみようか。
ひとまず、【魔法力強化】、【器用強化】、【精神強化】、【運強化】の四つをSランクで獲得する。これで32ポイント消費したので、 残りは31ポイントか。
あとは、スキルをなるべく使えるようにしたほうがいいだろう。
皆の【魔力自然回復量アップ】をできるようなスキルがあれば……【マナリジェネ】というスキルがあるようだ。
ミリナやフィアの魔法が使える人たちはもちろん魔力を消費しているが、レヴィートたちだって攻撃スキルや自己強化のスキルは持っているそうなので、魔力の消費は激しい。
だから、【マナリジェネ】をとれば魔力回復ポーションの使用も減ると思うので、これはありだろう。
そういえば、【マナリジェネ】と【魔力自然回復量アップ】って併用できるのだろうか?
似たような効果ではあるが、【魔力自然回復量アップ】をつけていても俺のステータスでは特にバフ効果として現れてないんだよな。
併用して効果があるのなら、二つとも使っておきたいな。
ただでさえ、消費魔力が多いし。
あとは前衛の人のために、【スタミナリジェネ】と【ライフリジェネ】がある。【スタミナリジェネ】は疲れにくくなるようで、【ライフリジェネ】は傷の自然回復力が上がるらしい。
全部あれば便利なのは言わずもがなだがな、さすがにすべてを取ることは難しい……。
ひとまずは、【マナリジェネ】と【スタミナリジェネ】、残っているポイントで現在Gランクの【体力弱化】と【速度弱化】をSランクまであげる。
まだ1ポイント残っていたが、新しいスキルをとってもそこまで使い道はなさそうなので、ひとまず【ドロップアップ】をGランクで取得した。
レン レベル13 筋力:7 体力:7 速度:15 魔法力:7 器用:0 精神:7 運:7
ボーナスポイント:0(合計212)
Sランク:【鑑定眼】、【ボーナスポイント獲得量アップ】、【魔力アップ】、【詠唱時間短縮】、【魔力自然回復量アップ】、【感知力アップ】、【筋力強化】、【体力強化】、【速度強化】、【体力弱化】、【速度弱化】【支援魔法強化アップ】、【偽装】、【魔法力強化】、【器用強化】、【精神強化】、【運強化】、【マナリジェネ】、【スタミナリジェネ】
Aランク:
Bランク:
Cランク:
Dランク:【アイテムボックス】、【短剣術】
Eランク:
Fランク:
Gランク:【ドロップアップ】
ユニークスキル:【ボーナスポイント再割り振り】
これで、完成だな。
まだ、魔法関係のデバフは持っていないので、支援は前衛の人たちを中心にしていけばいいだろう。
常に全員に使用するのが、【スタミナリジェネ】。
常に俺に使用するのが、【筋力強化】、【体力強化】、【速度強化】、【運強化】、【マナリジェネ】。
常にイルンに使用するのが、【運強化】。
戦闘時にレヴィートとゴーグルに使用するのが、【筋力強化】、【体力強化】、【速度強化】。
必要があればイルンにも同じものを使う。
戦闘時、ミリナとフィアが戦闘に参加する必要がある場合は、【魔法力強化】、【精神強化】を使用。
魔力を消費する可能性のある場合はさらに【マナリジェネ】を使用する……という感じで運用していけばいいだろう。
こうなると、【並列魔法】も欲しくなってくるな……。
魔法をいくつか習得することで解放されるスキル【並列魔法】。すでに入手自体はできるのだが、これの効果は複数の魔法を同時に詠唱できるようになるというものだ。
……無詠唱で使用できるから必要ないかと思っていたが、これは一つの魔法を使用してから次の魔法の準備を開始するというものだ。
つまり、僅かに遅延が生まれる。
【並列魔法】と【詠唱時間短縮】を合わせることで、同時にいくつもの魔法を準備できるようにしたほうが支援魔法使いとしてはいいだろう。
まあ、このパーティーにいれば、すぐにレベルもあがるし、またボーナスポイントを獲得した取得しようか。
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