第3話、短い時間を持っているのではなく、その多くを浪費しているにすぎない

・・・・・


今書いている文章すら、正直に消そうか迷っている。

それぐらい気乗りしない。書いているのは思考回路の整理のためだ、としか言えない。


今回の会場は駅直結の大変綺麗なコンサートホール。見ている分には造形美を感じる。


ただ前回見た春先の会場よりも狭いかな?なおグッズ販売とかはなかった。まああっても、絶対に買わないが。


またオーケストラの指揮者の就任披露公演だからか、前回よりは年齢層にバラつきがある。今回、段ボールは要らなそうだ。よかった。


俺がチケットを使用して席に着いたのは公演開始の大体、20分前。らしくはないが初台駅に到着してからも、まだ行くか迷っていた。席につきたくなかった。


どうしても決めかねて本屋で本を買っていたりした。


・・・会場の一階に「Coppélia」という雑貨屋さんがあった。悲劇の機械人形。なんだろう。少しだけ、会場に縁を感じた。


座席は2階。最後尾列。但し、ほぼ真正面だった。

・・・やっぱり帰ろうか。マジで。


座席の左右は、オペラグラスを持ったお兄さんに、アイドル会場にいそうなお兄さんである。俺の席の周りは既に全て埋まっていた。


しかし前回の小学生よりマシだが、大変窮屈だ。

まあ最期まで全員着席していたのはありがたかったけど。


いや、小学生が来るならこっちの公演だろう。何せオーケストラ、である。間違ってもデコトラではない。何故にあちらに小学生がいたのか不思議でならない。


前の席の方が既に身を乗り出しているおかげで、丁度、指揮者台は見えない。なら、まあいいか。公演中は直視しないだけマシだと思っていた。直当たりは本当に逃げたくなる。


というか、正直に見やすかったとは思う。首を左右に傾ければ、見えるのだから。しかし、聴きに行こうか迷うレベルの人間に、何故この位置なのか。神様ってやつがいるなら、嫌がらせだと思わずにいられない。くたばれ。


せめて一番左右の一番末席にしてほしい、と思わず思った。そちらの方の方々こそ、この席を有効活用できるだろう。曲すら知らない俺よりずっと。


全体的に座席は8割ぐらい埋まっていた。オーケストラ、しかも疫病下。なかなか埋まっているな。というか、狭い。下手したら感染しそうだ。


公演自体は2部構成であり「音楽家」の登場は後半らしい。なら最初のオーケストラだけ聴いて帰るのもありか。と思いながら、とうとう席に着いてしまった。


そうあとは、開始時間を待つばかりとなってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る