主要登場人物紹介(プロローグ終了時点)

◯主人公

 赤子の時に赤ちゃんポストに入れられ孤児院で暮らしたまま大人になった青年。付けられていた手紙には「愛せない」と書かれていた。顎から首のあたりに大きな黒色腫があり目鼻のバランスも悪く容姿が悪いことが捨てられた原因。

 孤児院でも容姿の悪さから気持ちが悪いと言われて仲の良い人は少ない。唯一に近い仲良くなり友達だと思っていた相手は、里親が見つかり引き取られそれ以降連絡が無い。

 高校卒業後にまともな定職につけず日雇い労働者として働いていた。ただし現在お世話になっている親方が抱える案件が雨の日では行えないものだったため長雨続きで貯蓄を減らしてしまっていた。

 定職について安定した生活を望んでおり可能な限り身だしなみは整え就職活動は行っていた、しかし生来の頭の悪さで筆記試験で断わられ、通ったとしても容姿の部分で面接後に断わられ続けたため心が折れ始めていた。そのためスーツが一張羅なため、雨の日は汚れてクリーニング代がかかる事をケチるようになりハローワークに出かけなくなっていた。

 生活苦のため家具や家電はリサイクルショップで買ったり、粗大ゴミ置き場から拾って来たものを使用している。仕事が無い日はなるべく体力を使わないよう家で過ごしている。

 家事は一通り出来るけれど、料理の腕だけは壊滅的でスーパーの閉店前の半額シールが張られた弁当を愛食している。好物は小さな焼売が入った中華弁当。

仕事以外ではスマホ越しにしか社会を見ていないため、本人的には頑張っていても追い詰められていく現状に、社会制度とそれを作っている大人たちに強い不満を持っている。

 犯罪に走らないで居られるのは、生来の生真面目さと孤児院での教育のたまもの。

 突然目の前に現れたウィンドウ画面に、何かが起きる事を期待を膨らませて操作したが、何事も起きなかったため落胆して寝てしまった。

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