第2話 ステータスを割り振りましょう

 僕はこのキャラクターを何かに特化したキャラではなく、状況変化に対応出来るようなキャラにしようと考えた。それでも他のキャラに比べたらすごいステータスになった。

 もちろんステータスをもっと高い値に出来るキャラは他にも居た。けれどそれは年齢が50以上で将来性という意味ではこのニケロに叶う感じはしなかったため選ばなかった。


『ステータスを割り振って下さい』『戻る』


名前:ニケロ

年齢:5

体力:12

精力:89

攻撃力:6

防御力:32

精神力:84

抵抗力:88

運命力:12

スキル:剣術1、棒術0、体術1、時術0、空術0、聖術0、魔術0

ステータスポイント:931


↓↓↓


『以上で宜しいですか』『はい』『いいえ』


名前:ニケロ

年齢:5

体力:100

精力:100

攻撃力:34

防御力:100

精神力:100

抵抗力:100

運命力:12

スキル:剣術5、棒術0、体術5、火術3、水術3、風術3、土術3、時術3、空術3、聖術3、魔術3

ステータスポイント:0


 ステータスポイントを全て割り振ったところ、『ステータスを割り振って下さい』『戻る』の部分が『以上で宜しいですか』『はい』『いいえ』に変わった。

 これをどうすべきかしばらく考えたけれど、割り振っている時のドキドキ感から腹は決まっていた様なものだった。


「もちろん『はい』だ!」


 『はい』をタップした瞬間に一瞬だけ『良い人生を』という文字が現れてウィンドウ画面は目の前から消えてしまった。


「えっ?それだけ?」


 何か運命が変わると思ったけれど、そんなものは無かったのか?


 落胆しウィンドウ画面が目の前に現れるまで操作していたスマホを見ると「明日も雨天なので仕事は延期」という表示が雇い主からあった。

 そうか・・・このまま長雨が続くとさすがに干上がりそうだな・・・。


 孤児院から出て就職活動するも学校の成績が芳しくなかったため定職には付けず日雇いの仕事を続ける毎日。日当で考えると割りは悪くないけれど長雨が続くと収入が無いため生活は一気に厳しくなる。

 資格関係の教材を古本屋で買って勉強をしているけれど、学校の成績が芳しくなかった事と同じ様に頭に入ってくれない。

 専門学校的な場所に行けば良いのだろうけれど通う為のお金がまだ溜まって居ない。それもこの長雨で少しづつ溶けていってしまっている。


「飯にするか・・・」


 ボロアパートにあるのは粗大ごみの日に拾った傷だらけの机とカラーボックス、定職の面接の為になけなしの金で買ったスーツとワイシャツをネクタイと革靴が丁寧を置くために買った衣装棚、他はリサイクルショップと量販店で買った服と現場服が入っているプラケース、それと半額シールの張られて居る数日前のスーパーの弁当が入ったリサイクルショップで買った冷蔵庫と電子レンジと洗濯機。

 鏡を見ると面接の為に刈っているためしっかりとした髪型だけど、仕事が無いためしばらく剃ってないため口髭と顎髭があるアンバランスな状態、それに生来の容姿の悪さもあって自分の顔ながら見られたものではない。


「はぁ・・・」


 電子レンジで半額弁当を温めている間に洗面台の横に置いてあるカップで水道水を汲んで腹を膨らませる。これで弁当を食べれば空腹で目が覚めるという事も無いだろう。

 シャワーを浴びるのにもお金がかかる。だから最近は面接前と仕事後に水を浴びるぐらいしかしていない。お湯を浴びた方が疲れが取れるという事は知って居るけれど、それよりも金を貯めて現状を改善する方を優先している。


 温まった半額シールの弁当を食べてごみ袋に突っ込んだ。

 冷蔵庫には弁当がまだ三つある、明日の分はなんとかなるだろう。

 体力の消耗を抑えるために寝てしまおうか。

 まだ若いし現場仕事を頑張っているおかげで体は締まっている方だ。

 肉がもっと食べらればもっと体力があがっていくだろうけれど、腹持ちを考えると半額弁当を選んでしまう。

 自炊の方が良いのかもしれないけれど失敗続きで結局半額弁当に戻った。


「何かが変わると期待したんだけどな・・・」


 腹が膨れたおかげかベッドに横なって目をつぶるとすぐに眠気がおそってくれた。

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