第7話 悪人を裁きましょう
「僕は君たちの金の隠し場所を聞いたよね?」
「だから言っただろ!」
「それはカカロだけの金の場所だよね?」
「それは・・・」
僕は倒れているカカロの頭を踏みながら聞いた。
「で?」
「みんな早く言ってくれ!」
「君たちの金の隠し場所は?」
その時全員が自分の金の場所を白状し始めた。
僕はカカロのベッドのマットを引っぺがして金をとったあと、全員の金の隠し場所を案内させて金を奪っていった。
結構ため込んでいたので、他の部屋の奴らから奪ったものもありそうだと思った。
「君たちはこいつを連れてすぐに孤児院から出て行って貰える?」
「えっ?」
僕は返事をした奴の右足を蹴り折った。
「君と君はこいつら連れてすぐに孤児院から出て行って貰える?」
「わ・・・分かった!」
「わかりましたっ!」
1人はカカロを背負って、もう一人は右足が折れた奴の肩を貸して孤児院から出て行った。診療所で治療を受ければ綺麗に治るけど金が無いんじゃ診てもらえないだろうな。
折れた部位は治療しなければ発熱するし、下手すれば化膿して腐り落ちる。
単純な骨折に止めておいたから知識があれば自分たちで継ぐ事も可能だけど果たして出来るだろうか。
まぁただの盗賊に成り下がった現在はスラムの孤児がどうなろうと知った事では無い。だって前世で孤児院に置いてあったラノベに書いてあったのだ。『悪人に人権は無い』って。この世界は、前世の世界よりよりそのラノベの様な世界の方に近い。だからその法に従うべきだと思うのだ。
それにしても結構お金は稼げて来たしこの街から出ても良いかな。
何せ孤児院の外でも結構な頻度で金の無心をされるので、そいつらの懐からも結構な額をせしめているの。1人ひとりは少なくても塵も積もればなんとやらで結構な額になっている。それに最近は金も溜まって来た事でしたい事が出来てしまっていた。
例えば僕の今のステータスだけどこういう事になっている。
『ステータスを割り振って下さい』
名前:ニケロ
年齢:5
体力:100
精力:100
攻撃力:100
防御力:100
抵抗力:100
運命力:38
スキル:剣術5、棒術1、体術5、火術3、水術5、風術5、土術3、時術3、空術3、聖術5、魔術3、鬼術3
ステータスポイント:2
ドブ攫いをしたあと浄化をしないでいると体調を崩すのだけれど、その状態を維持するとステータスポイントが少しづつ増えて行く。浄化をしないと匂いが体に残ってしまうので風術で周囲に匂いが漏れないようにしないとならいけれどとてもいいステータスポイント稼ぎになっていた。
何で両親が僕を虐待したのかよく分かった。体を無理やり酷使する状態にするとステータスポイントが増えると同時に少しづつステータスやスキルに還元されていくみたいなのだ。
自分でステータスを割り振らないと多く行動した内容に沿ってスキルが割り振られていくらしく、あのドブ攫いの道具を使っている事でいつの間にか棒術が1に上がっていた。
ステータスポイントが1でも残っている状態だと僕の目の前に『ステータスを割り振って下さい』のウィンドウ画面が現れた。そしてこの画面はタップと同じ要領で指を開いたり閉じたりスライドさせる事で画面の拡大縮小と移動が可能だという事が分かった。そこで視界の右上にステータスを表示させるようにしているのだけど、行動によって運命力が上がったり下がったりする事が分かって来た。
例えば街で買い物をする際になんか古ぼけた指輪を見つけた時に運命力が14から20に跳ね上がったし、それを無視して立ち去ろうとしたら14に戻り購入したら31になった。そして先ほどのカカロ達を撃退した時はそのまま放置しようとしたら運命力が1低下し、撃退後に相手の金の場所を聞いたら1上がった。
自分の行動によって運命力が下がるだけなら問題ない。けれど他人の行動に流されたことで低下するのは良くない事だと思う。
あの指輪を綺麗に磨いたあとに身に着けたらすごい運命力が跳ね上がったけれど外して居るのはそれが理由だ。
これはきっと誰かの運命を左右するようなものなのだろう。
けれどそれが良いものなのかどうなのか判断できないので、運命力が下がるけれど自らの意思で付ける事はしないでいる。
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