第6話 恐喝に対処しましょう
1日では仕事が終わらないので蓋を元に戻してから役所に道具を返しに行った。
体も服もかなり汚れていたので、服を脱いで火と水の術理でお湯を被って洗い流したあとに火と風の術理で水気を飛ばした。
服も同じ様にお湯で洗い流したあとに聖術の浄化を使うとすっかり匂いが無くなった。
役所の人には匂いが無いけどサボってないかと疑われたけれど、体を水で洗い流して服も着替えたと言ったら納得してくれた。
翌日に道具を借りに役所に行ったら仕事が丁寧だったと褒められた。
全てが終わるのに6日かかったけれど終える事が出来た。
役所の人に他の場所のドブ攫いを依頼されたので受ける事になった。
街のドブは全部で4つのルートの枝分かれで構成されているので6日働き1日休むの繰り返しで依頼を受ける事にした。
役所から直接で口入屋を通さない依頼となるので割りがさらに良くなった。
報酬は普通の大人の稼ぎより良いぐらいなので、このまま継続して依頼が受けられるのなら孤児院を出ても問題無いぐらいだった。
「最近稼いでるんだろ?」
「だから何?」
「俺達にも分け前寄越せよ」
「なんで?」
「今まで俺達に迷惑かけてただろ?」
「そんなの知らないけど」
「良いから金の隠し場所を言えよ!」
2月程ドブ攫いを続けた結果、僕が仕事で稼ぎ始めたという情報が孤児院にも伝わったようで、カカロを含めた同室の奴から金の無心を受けてしまった。
支払われた報酬は空術の保管庫に入っているので手持ちにない。
僕のベッドが荒らされてた事があったけれど、金の隠し場所でも探して居たんだろうと思う。
「・・・教える訳ないだろう」
「痛い目見る事になるけど良いんだな?」
カカロの後ろでニヤニヤしていた3人がが僕の周囲を取り囲んでいるけれど何も怖くは感じない。その辺のゴロツキがいくら素手で殴ったり蹴られても全く痛さを感じないのだ。ただ服が傷むのであしらわせて貰うけどね。
カカロが思いっきり勢いを付けて僕の顔面を目指して殴りかかって来たので足払いをしてその場に転ばせたあと背中を勢いを付けて踏みつける、「グギャ」とかいう声をあげたけれど気にしない。
他の奴らが一斉に掴みかかってきたけれど、付き飛ばしたり足を払ったり、躱して見送った後に背中を蹴り飛ばしたりして無力化していった。
「痛ぇ」
「こいつ無能の貴族じゃなかったのかよ!」
「何で急に反抗的に!」
「悪気はなかったんだ!」
僕達の部屋の騒ぎを聞きつけたのか、他の部屋の子供達が顔を覗かせたけど関わって来る気は無いらしい。
孤児院の管理人らしい男も朝と夕の食事時以外は基本的に子供達の騒ぎには放置だから下手に関わるとただの殴られ損になるだけだ。
僕はまだまだ元気な同室の全員を殴りつけて黙らせるとカカロの方を睨んだ。
「で?」
「なんだよ」
「君たちの金の隠し場所は?」
「なんだよ! 俺達の金を盗るのかよ!」
「君たちがしようとしたことをし返すだけだけど?」
「教える訳ねぇだろ」
僕は左足を横から蹴りつけて折った。
「で?」
「助けてくれ!」
「君たちの金の隠し場所は?」
「痛いんだ!」
僕は倒れているカカロの右足を踏みつけて折った。
「で?」
「言う! 言うから!」
「君たちの金の隠し場所は?」
「待ってくれ!」
僕はカカロの右腕を踏みつけて折った。
「で?」
「俺のベッドのマットの下だ!」
「君たちの金の隠し場所は?」
「言っただろ!」
僕はカカロの左腕を踏みつけて折った。
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