第2話、Elder meets girl

うそ


そんな、こと、ありえない


隣にはスヤスヤと寝ている「うさぎ」さん。

シルバニア系な子供サイズのうさぎさんが可愛らしく寝てる。布団を掴んで。


どことなく年期の入った感じはするけど「美うさぎ」といって差し支えがない、うさぎさんです。


「ア?起きたのか?」


普通に話すうさぎさん。

寝起きのクシュクシュもかわいい。


「あの、その」

「なんだよ、せっかくアイシあったのに、忘れたのか?」


前言撤回。

かわいいうさぎさんにしては下衆な口調。


だけど、毛布にくるまって「キュリン」としているうさぎさんは今すぐ抱きしめたい。でも、この人誰だっけ?


「お前、本当にまさか俺のこと忘れたのカ?」

「え、あ、そういえば、うさぎ人は人の心が読めるんだっけ」

「そうそう、こうしていればナ」


うさぎさんはちゃっかり、すっぽり、私の腕の中に収まって幸せそうにしている。かわいい。悶絶しそうな可愛らしさに耐えて、うさぎ耳の付け根辺りを引っ掻くように撫でるとうさぎさんは嬉しそうに身を捩っている。ふわふわ。


「なんだヨ?朝からご所望?」

「違います。あ、仕事に行かないと」

「今日休みだロ?だからわざわざ来てやったシ」


茶色な瞳のうさぎさんを見つめながら、考える。

このうさぎさん、本当にだれ?

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