第6話 正式名称不明(通称NK11) 北朝鮮の複合小銃

 複合小銃というのは、夢の詰まった兵器です。


 空中で炸裂する擲弾を放つエアバーストグレネードランチャーと一般的な自動小銃を組み合わせた兵器で、歩兵に高い火力を持たせることができます。


 しかも外見も、SF的でかっこいいです。


 ですがあまり普及しておらず、アメリカ軍の開発計画であるOICWによって開発されたXM29、韓国軍のK11複合小銃と種類も多くなく、実用化された物に至っては中国軍のZH-05のみです。


 特にK11複合小銃は国内外から散々な評価を下されています。実際、故障が多く繊細な上に暴発も多く、総じて兵器としては欠陥品だと言えるでしょう。


 ですが、次世代兵器を開発しようとすれば多少の失敗は必須ですし、個人的には、韓国の武器産業にとっていい経験になったのではないかと思っています。


 ちなみに、部隊配備された中国軍のZH-05ですら、エアバーストグレネードランチャーの性能を単発にしたりなど、かなりの工夫をしたにも関わらず、値段は非常に高くなり、海軍陸戦隊などのごく限られた部隊で運用されています。


 複合小銃が失敗しがちなのには理由があります。


 まず、照準器などの精密機器を使用するので、非常に高価になってしまいます。


 次にかなり重く、下手をすれば8キログラムを超えることもあります。


 他にも色々とありますが、ざっとまとめるとこんな感じです。


 それらの理由で、アメリカや韓国などの先進国ですら実用化を断念したこの兵器を、なんと北朝鮮が開発したのです。


 軍事パレードに800ほどが登場したものの正式名称や細かな性能などは公開されておらず、韓国軍が開発したK11複合小銃に対抗意識を燃やして開発されたという考察から、非公式にNK11と呼称されています。


 性能自体はほとんど分かっていませんが、ただの飾りという可能性もありますし、もし実用化されていても、先ほど書いたような問題もあるため、おそらくごく一部の部隊に少数が配備されているものと思われます。


 個人的には好きな武器なので、新しい情報が出てくることを期待しています。


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