第62話 初対面とは思えない

「ハヅメマヅデ」

「歯頭目真伝手」

5人はアヒルのボートで話をする。

「ワシはコユキ・バンカやで。ミルドレッド宮廷の使用人や。なんやみんなが大変って聞いてヒメちゃんと助けに旅に出ることになったんよ。な」

「えぇ。私はヒメ・ミルドレッド。ロボットよ。だけど…心はしっかりありまする。」

3人のうちの1人、金髪の美しい美女が答える。

「よろ。アタシはブラック・ナカ。今、仲間の1人がいなくなってアタシら3人で探してるとこなんだよ。」

「かんちゃんはシャーロット・カンナ!魔法使い!」

「私はアイ…です。かんちゃんとナカちゃんと一緒にミンちゃんっていう女の子を探しています。」

コユキはちょっと目を開ける。

「おぉ。ワシ、ミンちゃん知っとんで。ヒメちゃんとゴタゴタしたときに世話になったわ。」

「ミンちゃんのこと、知ってるの?」

ブラック・ナカは話す。

「ミンちゃん、アタシたちと一緒に海渡ってたら、ブワァって突然消えちまってさ…」

「エッ!?」

「えっとーミンちゃんも人を探してて、その人のこと、探しても探しても見つからなくて泣いてたんだよ。そんで涙がポタって地面に落ちたら吹雪がブワーミンちゃん消える。」

カンナが説明する。

「そーら不思議やなぁ。」

女王も頷く。

「なにか…ミンさんには不思議な力があるのかしら…」

「うん。かんちゃんもそう思ってた。」

ブラック・ナカがなにか思いついたようにハッとした表情を浮かべる。

「あ、そういえばミンちゃん前、言ってたんだよね」



『ミンちゃんってめっちゃ強いけど、生まれつきなん?』

『ミンそんなに強くないだお』

『なんか食べたん?』

『ガクフ』

『あー破れてたもんね。食べっちゃたんだ。』

『タムちゃんは何を願ったんだろう…ミン…食べちゃったよ…』

『タムちゃんの想い、ミンちゃんの力になってるよ。悔しいけど…きっとね』

『ありがとうナカちゃん。…ミンの中に…タムちゃんの想い…』



シャーロット・カンナは少し考えてからこう言った。

「タムちゃんはミンちゃんと一緒に居たいって願ったんじゃないかな」

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