第46話 あぁん

呆れた顔でビュンビュンは王に言う。

「またですか…いつも王は矛盾した謎なことを言って…」

「何…?私は矛盾したことなんて言ってない!」

「王……」

キャトンペェは盆栽の様に美しい王の顔を見つめる。

「私達で培ってきたものを壊しはしませんよ」

ビュンビュンはキャトンペェを実験台に放り込む。息を凝らすビュンビュン。

大きな破裂音が流れた。


キャトンペェが中で抵抗している様子も伺えない。

「さ、これでコイツを搬入…」


バサッ


「堆肥身体に入れられたら徐々に鳥になったニダ」

薪の前でペェが羽ばたく。王は膝から崩れ落ちる。


「私の涙を返せ……!」




「それで自暴自棄になって逃げてきた」

「なるほどね…あなたも可哀想だわ。勝手に家を侵されて抗えずにこんなことに…ねぇ。」

「カト鳥ヤァダァ」

「えぇえぇでも頻繁に飛べるのは便利でなくて?」

「海に入れなぁい。あぁん」

「何を言うてるの。いつ何が崩れてくるか分からないのにあぁんなんて言ってる場合じゃないのよ」

「恒例のノンノン?」

「?ていうかその王はペェペェ宮殿にまだ居るのね!」

「ウン。飢えていなければ」

「そうね。餓死してなけりゃ。」

「ウン。ウンコ。アーッアッアッアッ」

「いよいよぶっ飛ばすぞ鳥」

「ゴメンなさぁい漆黒の墨汁につけて地獄行きにしないでぇああぁん」

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