第45話 おまんは誰じゃ

身体の平衡を失いそうになりながらキャトンペェは王に言う。

「モプペェのことは追いかけないで…生贄はカトだけでいい…」

王は権利を享受した。

「何故お前は弟を守る」

「仕事も軌道に乗ってきて…掃除したり配膳したり…海藻も上手に編んで…死ぬのには勿体ない…から…」

王はキャトンペェを見つめる

「…分かったお前たちは殺さない。」

「えっ!?ほんとに!?」

「あぁ。だがお前にはこの薬を接種してもらう。まぁ醸造酒の様なモノだ。」

キャトンペェはおそるおそる蜂蜜色をした液体を受け取る。

「……これ飲んで…なにするの…?」

「お前を実験台にする」

「麺にされる〜煎茶になるぅ〜」

「死ぬのとどっちがマシだ。さ、行くぞ」


キャトンペェは車に乗せられる。


「私はモプペェのこと諦めたわけではないからな」

「いつか…カトにその理由を補填してね」

「……」


キャトンペェはペェペェ宮殿につき。佳作と言える凸凹の実験台の前に立たされた。

「それじゃあ、あとはコイツにやってもらえ」

「ハイ。それでは始めます。」

(ヘンな顔募集してもこんなドブス来ないよ…)

涙ぼくろ羊は過剰に薬剤を注射器にうつす。

キャトンペェは目を瞑った。

その時



「何をしているの!?やめなさい!!」



王が駆け込んできた。


巨人とは程遠い小さな王はキャトンペェを守るように庇う。


「この人をどうしたの!?あなた!!何をしたの!?」


先程とは全く違う態度の王。人は居るのに孤独を感じた。

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