第43話 侵入

「……モプペェ…?」

「うん。カトのお仲間だったヤツ。お仕事できていつも偉いねって言われてた。」

ムやんは問う。

「仕事って……何をするの…?」

「海藻を焦がして緻密に編んだり。」

「…その編んだモノは?」

「水分が含まれてるから陸にあがるときはそれ着てくの。」

明瞭な言葉で話していくキャトンペェ。


「いつも…一緒に食卓を囲んでた…」



『キャトンペェ〜ご飯だよ〜』

モプペェが呼んでいる。

『待って!断崖絶壁で落ちそうになってたの!』

手を合掌させるモプペェとキャトンペェ。

『どうしたらそんなことになるわけ〜?』

『ペェペェ宮殿に海ぶどう届けようとした』

『まぁいいや。挨拶してきたの?』

『してない。なんか儀式やってたし』

『ふぅん。ほら、ご飯冷めちゃう。食べよ』

『うん』

美肌でもなく地肌でもない二人。



『キャトンペェ、モプちゃん宮殿に行ってくるね』

『いってらっしゃい。早く帰ってきてね』

モプペェは縫い物をカゴに入れ、ペェペェ宮殿に走った。

ペェペェ宮殿では丁度何かを炊いていた。

(お餅かな?それともご飯かな)

次の瞬間モプペェは恐怖の吐息をもらした。

鍋の中ではモプペェのお仲間達が炊かれていた。

(……どうしよう…こんなところ見ちゃったら叱られるどころじゃすまない…!)

モプペェはその場で叫んで逃げたかったが、もう一度中の様子を伺い物音一つたてずに走ってキャトンペェの元に帰っていった。

『キャトンペェ!!!』

『なっなにっ?来賓でも来てたの?』

『違う!!』

モプペェは今起こった出来事と行為を全て話した。

『えっ!?こわぁいモプペェどうしよう〜』

『モプちゃんに言われても困るけどっ…もっと謙虚に考えて!』


その時どこからともなく芳香剤の香りがした。


「…!!ペェペェ宮殿の匂い!!」

二人は防御するものを探す

ドアが大きく開いた。


「愚かな奴らだ…」

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