第42話 キャトンペェとムやん
「えーっとまとめるとあなたは海の生き物キャトンペェ。キャトンペェは海にいたところを捕まえられ、実験として使われ鳥にされてしまった。」
鉛筆でメモするムやん。
「必需品のタオルにしようと思ったのに失敗して鳥。それで脱走してきたってワケね」
「翻訳してくれてありがとう」
「キャトンペェは盆栽にもなれる優れもの。とにかくアンタをまず元に戻すわよ!さっそく海に漬けてみましょ」
「やぁめぇてぇ!目いたぁい」
「あら敏感なのね。ごめんあそばせ。さ、あなた顔と身体あんまり一致してないから唐草模様のコレかぶって」
ムやんはキャトンペェに頭巾を被せる。
「ドロボーじゃん。カト顔だけ昔のままなの。訂正されなかった」
「まぁそうなの」
釣りを始めるムやん。
「うん。カトはずっと海の中の暖炉の前にいて…」
こうしてキャトンペェ昔話が始まった。
〜キャトンペェ昔話〜
ある日キャトンペェは串刺しにされました。
そのまま濁ったドブに入れられコーティング。
不吉なことに鳥のフンが落ちてきてまたまたコーティング。
そして泥沼に浸かり、そのまま揚げられてしまいましたとさ。
「ん…?あなた…なんで生きてるの…?」
「潰して砕かれたけど涙ボクロ羊が実験に使えるって」
「あら…生き返られるチャンスじゃない」
「それで、元の姿に戻してあげるって唾液を垂らしてた」
「それ変態じゃない」
「で、鳥になっちゃって湾岸にかえされたところを小粒になって逃げてきた」
「?」
「カトはキャトンペェ。海の生き物」
そう言ってキャトンペェは跳んだ。
「キャトンペェ…お仲間はいるの…?」
ムやんは鉄柵のような硬い釣り竿をふるった。
「いる」
「まぁ。そのお仲間はどうなったの?」
「しらない」
毛を丸めて塊にするキャトンペェ。
「はぐれちゃったの?」
「頭蓋骨ある?鳥って」
「?…さぁねぇ…?」
「旅に出ちゃった。カトの弟…モプペェっていうの」
ムやんは凍りついた。
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