第38話 別れ
「モプペェ!!どうしたのっ!?なんで…」
モプペェは力のない声で言う。
「モプちゃんたちは…本来海の中に潜って暮らしている生き物だから…きっと数日海水に触れてないから身体が耐えられなかったんだよ……」
「モプペェ…ずっと…わたしといる時辛かったの…?」
「ううん。そんなことない…今だって…苦しくないよ。だって…タムちゃんといるから…」
ムやんの涙腺が緩む。零下とはほど遠い熱い涙がムやんの頬をつたう。
柔らかいモプペェの姿はもうそこには無かった。
「モプペェ……ごめんなさい…気づいてあげられなくて……」
モプペェが消えてしまった。
朝になり、眠りから覚めても横にモプペェはどこにもいない。
(わたしは看護師。狙いを定め患者の心臓に薬という名の弓を打つ。絶対にしなくてはならない必須項目。それなのに…運命のように街で遭遇し、硬い道を共に歩んできたモプペェは助けられなかった…)
それからムやんは自分の頬を叩く。
(でもウジウジしたってこの事実に変わりはないのよ!明るく生きなくっちゃ……)
モプペェが作ったオモチャのおみくじを引くと『大吉』と出ていた。
(ホラね。)
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