第28話 王室の目覚め

目を開けると、そこは王室だった。

「あぁ、目を覚ましましたか。身体の具合はいかがですか?」

と優しそうな紳士が声をかける。

「嫌だわわたしどうしてここに…韻でも踏んていたかしら…」

「いえ。韻は踏んでおりませんでしたよ。あなたは浜に流されていたんです。」

「浜ッ!?やだ〜貝やんけ貝替わりやんけ♡あらっなんだか蜂に刺されたみたいに肝臓がチクり」

「医者を呼びますか?」

ムやんは手をふる。

「ありがとうございます。でも大丈夫です。わたし、看護師のたまごなの♡扱いません。亀♡」

そこであることを思い出したようにハッとした顔をする。

「ミンちゃん!音符のように可愛らしいミンちゃん!そういえばわたし、買い物の途中で大きな津波がきて流されちゃったんだわ!」

「あぁそうだったんですか。てっきり峠を越えたり海に流されてここまで来たのかと思っていました。」

「いいえ。わたしはミンちゃんを探しに行かねばなりませんわ。だから峠を越えるのはこれからです。」

すると紳士はこう言った。

「分かりました。それではこちらで何か刃物と何か狩る網と何か販売するカゴを用意します。でもあなたはずっとここで寝ていたのです。なので旅に出るのは1週間後にしましょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る