第3話:古都華。
古都華は本屋の入り口に立っている時、何モノかに寄生されたらしい。
古都華に寄生してるやつはゼルって言うんだそうだ。
そいつゼルは時によって古都華の脳の中で眠ったり起きたりして、
ゼルが覚醒してる時でも古都華の意識はちゃんとあるんだけど、思考だけは
ゼルに支配されているらしい。
ゼルが眠ると、いつものおとなしい古都華に戻るわけで寄生されて以来、
ゼルがいつ寝るのか覚めるのかは古都華にも分からないらしい。
しかも古都華はゼルが覚醒してる時に割れたコーヒーカップを元どおりの
カップに戻してみせた。
それを目の当たりにして俺は古都華の話を信じた。
そして、ゼルが覚醒してる時の古都華はやたら強い。
スーパー・ウルトラ・アルティメットメイドさんになる。
脳からアドレナリンやセロトニンやドーパミンが半端なく出てるからだろうな。
つい最近、反社のヤツらに絡まれたことがあったが、そいつらは秒殺で
古都華に病院送りにされた。
それで客の層も古都華のツンデレ目当てに、いじめてほしいどM男子が
よく来るようになった。
古都華に冷たくされると萌えるらしい。
俺には分からん。
店は古都華ひとりしかいないのに、そこそこ繁盛していた。
そうそう古都華は可愛かったこともあって、ときどき店に芸能事務所から
スカウトの人がよく来ていた。
古都華は俺から見ても、超がつくほど、ド級で可愛いい。
しかも超短いスカートを履いてたので、ちょっとかがむとパンツが丸見えになった。
って言っても一般的なパンツじゃなくて見られてもいいパンツ「見せパン」
まあ、ノーパンじゃないからいいんだろうけど。
でも、それが目当てで来てる客もいるのは確かだ。
男なんてその程度の生き物なんだ。
俺は違うけど・・・「←おまえもだよ」
ゼルが古都華の中で覚醒してるかどうかは古都華が急にクチが悪くなるから
すぐ分かる。
そうそうカフェのことを紹介するのが遅くなったけど、おやじのこの店の名前は
「ストロベリー・プライム」って言う。
俺の亡くなった母親の名前が「苺」だったからおやじが店の名前につけたらしい。
で、その古都華には夢があるらしい。
うちで働いて稼いだ金で、クローン猫を飼うという夢。
人工の動物は本物じゃなくても、かなり高額。
いずれは買いたいと、店が暇になると近所のペットショプをよく覗いている。
古都華はカフェの二階に住んでるから家賃はタダ。
飯は店のまかないを食べるし、普段はメイド服を着てる。
ちょいと買い物に行く時も、どこへ行く時もメイド服のままだから俺は古都華の
私服は数度しか見たことがない。
二階のベランダにパンツを干してるのは嫌という程見てるが・・・。
つい出来心で俺は古都華のパンツを一枚だけ盗んだことがある・・・。
一度だけだけどな。
古都華にバレたらたぶん、ぶん殴られるだろうな。
つづく。
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