第2話:メイドカフェ(ストロベリームライム)

それほど遠くない近未来の日本・・・。

この時代は人間以外の動物はほとんどが絶滅していて生存している動物は

僅かだった。


生きた動物を手に入れることができるのは金持ちだけだった。

だから一般の人たちは、ほとんどがクローンのペットを買った。


この社会では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。


川崎の港の倉庫街の端っこ・・・怪しげなジャンクな店が立ち並ぶ一角に、

こんなところに客なんか来るのよって場所にこじんまりとしたメイドカフェ

があった。


そして俺はそこの経営者の息子。


俺の親父はメイドカフェの他に探偵もしている。

昔、刑事をしていたことがあってそういう世界から抜けられずにいる。

探偵って響きとハードボイルドが好きなんだ。


探偵業の方が向いてるらしくカフェには滅多に顔を出さない。

探偵ったって、もっぱら浮気調査とは素行調査とかそういう仕事ばかりの

ようだった。

ちなみに一番好きなドラマは「探偵事務所5」

「夢みるように眠りたい」から始まる林 海象監督作の探偵物の集大成作品だ。

よく聞くのは「クレージーケンバンド」の曲。

コテコテだな。


で、俺のことだけど、俺の名前は「間 健二はざま けんじ」って言う。

みんなからはマッケンジーって呼ばれている。

俺は古都華より三つ年上。

留年中の落ちこぼれだけど一応大学生・・・ほぼ大学には行かず店に

入り浸っている。

店にいた料理人がやめちまったので、今は俺が厨房で客の料理を作っている。

これでも料理店でバイトしてたことがあるんだ。

だから軽食くらいなら作れる。


で、メイドカフェと言ってもメイドさんが大勢いるわけじゃない。

古都華ことか」ってメイドがひとりいるだけ。

「ことはな」・・・って読めないことはないけど、それだと舞妓さんになって

しまうだろ。


奈良県に同じ名前の古都華と言う苺があるが、関係あるかどうかは

分からない。

なんで古都華がメイドになったのか、うちの店で働くようになったのかも

俺は知らない・・・古都華が教えてくれないからね。


古都華は髪は茶髪で長さは適当に長い。

メイドの時はツインテールが多かったりする。

身長は165センチくらい。

スリーサイズは分からないけど、奮い起つようなナイスバディー。

歳は二十歳くらい。


そういうプロフィールのメイドが俺の店にいる。


この間まで古都華は普通に女の子で可愛い路線だったのに、ある日を境にして

急に口が悪くなって、やたら暴力的になった。


本屋に行って来るって出かけてから、帰ってきたら人が変わっていた。


かと思ったら普通の可愛い古都華だったり、日によって豹変したりした。

その理由を知ってるのは古都華と俺と二人だけ。


なんで、そんなに人格が変貌するんだって古都華に聞いたら信じられないことを

聞かされた。


つづく。

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