呪い

 何かに呪われているのではないかと思うくらい、ある意味引きが強い。


 多分、父方ではなく、母方の呪いだろう。何せあの父を引き寄せたのだから。

 祖母は私が3歳の時に亡くなったが、聞いたところによると、3度結婚したそうだ。遺影でしか見たことのない祖父とは血が繋がっていない。


 今時は×が幾つあってもさほど不思議ではないが、時代を考えると3度は多い。母の実の父親は、さる大店おおだなの主人だったそうだが、後添いに入るも義理の息子や親戚にいびられ追い出されたそうだ。

 2番めの夫は反社会的勢力。こちらは獄中離婚。3番めは元・海軍将校。(何その落差) といっても、戦争が終わって廃人同様だったところを世話しているうちに情が湧いて結婚したらしい。


 ばあちゃん……。


 飲む鬱打つ打つ買う。酒を飲む。女性を買う。そして、うつが3つ。鬱はそのまま。打つは博打。もう1つはヒロポン。(知らない人はググってね)


 ばあちゃん!


 男勝りで世話好き、そして酒好きだったという。朧げな記憶を辿れば、よく私と姉を連れて、焼き鳥屋に飲みに行っていた。コップ酒とオレンジジュースで乾杯し、一緒に焼き鳥を食べた。

 私にとっては、親に禁止されていたお菓子もこっそり買ってくれる、優しいお祖母ちゃんだった。

 

 そのうちばあちゃんをモデルに小説書いてもいいかしら。(あ、短編書いたわ)


つづく

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