OMG!OFG!

 OFG(オープンフィンガーグローブ)を見るとドキドキする。(楽しい話ではない)


 いきなりDA〇GO氏の真似をしたことにも他意はない。指なしの手袋と言えば、で浮かんだだけ。ごめん。


 小学2年生の時、姉と一緒に某KU〇ON塾に通っていた。水と油ほどに性格の合わない私たちはよく喧嘩をした。

 その日の夕方も、塾からの帰り道、大喧嘩をして100mくらい離れて歩いていた。すると、そこへ近づいてきた自転車に乗った男性。

 ハンドルが「つ」の字に曲がったレースタイプの自転車。モシャモシャの天パらしき髪に銀縁の眼鏡。レーサーがはめるような指なしの手袋。よく覚えている。


「こんにちは」


 男性は路肩に自転車を止めて話しかけてきた。人見知りではあるが大人に警戒心がなく、まだ人間の善性を信じていた私は、ためらいなく挨拶を返した。

 

 しかし、同時に不穏な予感もした。男性はフレンドリーな笑顔を浮かべ、話しながらどんどん近づいてくる。おもむろに手袋を外した男性は、私の下半身に手を伸ばしながら、にこやかに言った。


「お嬢ちゃん、可愛いね。おじさんに〇〇〇〇触らせてくれる?」


OMG

本物の変態や。


「いいいいいやあああああああ!!!」


 その瞬間、私はあらん限りの大声を張り上げ、その時出せる最大の速度で走って逃げた。私の大声に驚いた姉も大急ぎで後を追ってきた。家に帰ると父がいたので、事情を話すとすぐ警察に電話をしてくれて事なきを得た。


 そんな訳で、未だにあの手袋を見ると心臓がドキドキする。いや、バクバクする。


 しかし、この手の話はこれだけでは終わらないのである。


 許すまじ。


つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る