第45話 SP
「あれ? ニア? ニア? あらら~ 幸せそうな顔しちゃって」
いろいろと「見せちゃいけない顔」をして気を失ってる。
「困ったなぁ」
もともと、今日は解禁されたニアが張り切ってたんだ。
「全てを私めにお願いします」
おねだりしてくるところが可愛いよね。だから限界まで頑張ろうと思ったんだ。
そうしたら、まだまだ序盤なのにニアが力尽きてしまった。こういう時は、アテナが嬉しそうに引き受けてくれるんだけど、いったんスイッチの入ったオレだから、細い身体を何度ものけ反らせて、あっと言う間に限界を突破させちゃったみたいだ。
立場上、あまりにも深く意識を失わせちゃうと、後ですっごく(可愛く)怒られるんで、そこで自粛。
オレ的には、まだまだ半分もって感じなんだけど……
う~ん、この猛るモノをどうしたらいいんだよ。
最近、こういう感じが強くなったんだよね。なければないでいいんだけど…… いや「良く」は無いけど、けっこう大丈夫なんだ。でも、一度ヤル気スイッチが入っちゃうとけっこう辛いんだよね。
「おにぃちゃん」
「クリス! どうしたの?」
「どうしたって、えっと、ニアねぇと満足してもらった後で、一緒に寝ようと思ってたんだけど。あの、足らないんでしょ? 私なら大丈夫だよ?」
「いや、さすがに、昨日の今日だと負担が大きいからね」
一応、遠慮はしたんだけど、オレの方もスイッチが入っちゃってるのと、クリスは「おにぃちゃんに満足してもらったら幸せ」なオーラがクッキリとしてたんで、お言葉に甘えてしまいました。
とっても物覚えが良い子で、途中から痛みよりも「幸せ」が大きくなってくれたのは良かった。
ってことで、クリスにも思いっきり愛を注ぎ込んだんだよ。通算で、9回?
でも、クリスも幸せにダウンしちゃって、最後はミィルが気配を察してくれて急遽、お相手をしてくれた。
今までならミィルは、いつの間にかベッドから抜け出しているんだけど、今朝は力尽きましたって感じだったらしくて、そのまま4人で寝ることになった。
っていうか、先に2人が寝ちゃってるけど 笑
さすがに2回目で、やっと一段落した感じになった。「凄すぎます」と、うわごとのように呟いているミィルに腕枕しながら考えたんだよ。
あ、ミィルはオレの腕にコテンと、寝てしまった。力尽きたんだろうね。このところ、夜中もフォルのお世話で睡眠不足だったみたいだし。今夜はゆっくり寝てもらうとしよう。
いくらなんでも、これは異常だろ? 一体、オレの身体はどうなっちゃってるんだよ。
ふと思いついて「ステータスボード・オープン」と小さく唱えた。
・・・・・・・・・・・
【ショウ・ライアン=カーマイン】
オレンジ・ストラトス伯爵 長男(NEW!)
サスティナブル王国 子爵位保持
ゴールズ首領(「ゴールズの長」からUP!)
「王を定める者」(NEW!)
レベル 16(UP!)
SP 64(UP!)
MP 2048(UP!)
スキル ゴミ(レベル3)
【称号】
無自覚たらしの勇者・バットマン危機一髪
美少女取り放題
色を好む英雄(「若き英雄」から昇格)
若き軍略家(「馬驚かし男・定置網殺戮者」から昇格)
煽りの達人・奇跡の人
征服者・国を継ぐもの(NEW!)
★☆☆☆☆ ゴミをMPと引き換えにランダムで呼び寄せられる
★★☆☆☆ 見たことのあるゴミを指定して呼び寄せられる
★★★☆☆ 理屈として存在しうるゴミを指定して呼び寄せられる←今、ここ
★★★★☆ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
★★★★★ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
注釈:今回から一部のUIの変更に伴い表示方法を変更しました。
・・・・・・・・・・・
ん?
いつもながら「称号」欄がネタにする気満々に見えるけど、それは、もういいや 笑
問題なのは「HP」だった表記が「SP」になったってこと。
一般的にゲームでSPって言ったら、最近だと「スキルポイント」だし、ちょっと前は「スタミナポイント」だった。
でも、SPの値とオレのスキルは関連性は、あんまり感じないし、スタミナだとしたら、ある程度は分かる感じはするんだけど、そこまで違う気はしないんだよね。
謎だ。
びこーん
あれ? また、あの声が出てくるの?
《エッチポイントだとわかりにくいという声があり、セックスポイントに変更しました》
ブブッ、まさかの? 何そのポイント! っていうかHPって「エッチポイント」だったとは予想外だよ。
なんかゲームっぽいと思ったら、まさかの18禁の可能性があるわけ?
ぽこーん
また、来た。っていうか、前回もそうだったけど、続けて鳴るときは、音が変わるんだね。
《全年齢対象です。子作りにお役立てください》
いや、表示に、そんなポイント作っちゃダメでしょっていうか、まさか64回もできるわけ?
ぴこーん
えっと、また? って言うか、音が戻った。
《システムからのお知らせです。1回当たりの消費ポイントについては、対象となるもの、行為によって変わります》
ぴこーん
うわっ、立て続けじゃん。
《っていうか、1日に64回とか言ったら人間やめちゃうでしょ? しかも早撃ちっていわれます。もう少し考えようよ》
叱られちゃったよ。
すみません。考え無しでした。
ぴこーん
え?
《素直で良いです》
わっ、褒められたw
と、ともかく、SP値が増えたことになるらしい。これが原因で、最近は妻達が先にギブしちゃうわけなのか。
『今日が全部で11回だったわけだろ? ってことは、少なくとも1回に10Pは使わないはず。一度、みんなが揃ったときに限界に挑戦してみないとダメかもっていうか、もしも1回に3Pあたりだと、全員がいても無理かも…… っていうか「1回でも3Pとは、これいかに?」って』
たはは。これはネタにできないなぁと思いながら、いつの間にか眠りの世界に入っていたんだ。
ちなみに、MPは、よほどの急ぎの移動の時とか、戦っている時の野営以外では使い切るようにしているんで、カーマイン家のシャンプーリンスの在庫は、地下倉庫に一生分はため込んであるよ。最近だとメイドさん達にも、少しずつ分けてあげてるんで、我が家のメイド達の忠誠心はムチャクチャ高いとヘクストンが教えてくれた。
それにメイドのみなさんに評価が高いのは「衣類用洗剤」と「柔軟剤」だった。このあたりも、型遅れになって廃棄になるヤツが大量にあるんだよね。なにしろ「グロス」の単位で出てくるんだもん。
とは言え、今後を考えると、どうしても「化学」が必要だ。だから、文官のみなさんにも研究してもらってる。そのために「謎の古代書籍」ってことで、図書館の廃棄図書もガンガン出していて、化学系の基本書籍や中学高校の教科書も出せたから、それは丸投げして研究させてるよ。文字体系が違うんで苦戦してるみたいだけど、数字と基本的な記号さえ何とかなれば、かなり違ってくるはずだ。
もちろん、スキを見て、こっちの文字との対照表や、基本的な「理科」についての説明もしていってる。
それに、教科書レベルや関連書籍の独占をやめることにしたんだ。まず御三家と情報共有して一緒に研究してもらう。
最終的に化学関連の研究所をシュメルガー家辺りと合弁でやっていこうと思ってるんだ。公爵家レベルになれば、人材はケタ違いに多くなるからね。
ちなみに、ガーネット家にはハルバードの製造をお願いする都合上、鉄関連で合弁するよ。早く「高炉」を作りたい。
で、スコット家にはガラスは今までにも関係してきたけど、ソラから引き継いでもらった上で、合弁事業を立ち上げて、合わせて「瓶詰め」の製造も考えてもらうことにした。戦争用なら「缶詰」一択なんだけど、今年の夏までに瓶詰めを実用レベルで一般化したいんだよね。間に合うかどうかは、ギリかなぁ。
馬車鉄道のレベルでも良いから「大陸横断鉄道」は、早めに欲しいなぁ、さもないとアマンダ王国との連携も取れなくなるからね。
って、夢はいっぱい膨らむけど、内政の基本は農業だ。ってことで、実験農場にやってきたんだ。
あんな騒動があったけど、農場長のアンを始めとして、みんな一日たりとも、そして誰一人逃げずに農場を維持してくれていた。
大感謝。
リン、メグ、アイの三人のことはちゃんと覚えていたよ。なぜか、農場長のアンは「説明係はこの者達が希望しておりまして」と伺いを立ててきたから、許可した。
まあ、農場長が説明するのは普通だけど、人材を育てるためにとか、いろいろな理由で仕事を任せることだってあるだろうからね。しかも、今日の三人は、一生懸命におめかしをしたのが丸わかり。冬場にしては、胸元が緩いワンピースにコート姿。
きっと今日のために頑張ってくれたんだって思ったら、そりゃ許可してあげたいじゃん。アテナも、いつもとは違って、一歩引いて警備をしてるよ。おそらく、この子たちの敵意とか害意のなさを感じ取っているからだろうね。
さて、アンが指定した三人が説明係となって、まず、オレの知らない間に増えた孤児達を紹介してくれた。
うん、うん、みんな、顔色が良いね、ちゃんと食べさせてくれてるんだ。
そこから、ジャガイモやトマト、今は見えてないけど、凄く甘いカボチャやサツマイモ、それにピーマンにネギ、キャベツなんかの苗を育てられるらしい。
これらの苗を、早めに南側の暖かい地域に持っていって、育てることを考えているよ。ってことは、来月辺りに送り出さないと、な~んて考えてるんだけど、実はさっきから、ちょっとだけ困ったことが起きているんだ。
案内役の三人娘達が、すっごく無防備過ぎる。何度もボニュ、ムニュ、クニュと腕が当たったり、背中にくっついたりしてきちゃうんだけど。女性ばかりの農場なせいで、この辺りの距離感が近いのかなぁ。
昨日、発散してなかったら、思わず反応しちゃうところだよ。
え? お風呂?
いや、別に入らなくても良いんだけど。あ、子どもたちが暮らす環境を見ろってこと?
そうだね、健康のために清潔は大事だし、そのためにはお風呂って大事だもんね。
ちょっと見せてもらおうかな。ん? アテナ? 何か?
「悪意は無さそうなので口を出しませんね。あ、中も不審な点はありませんでした」
先に風呂の中を点検したアテナは、ここまで案内してくれた三人娘達に何かを囁いた後でニッコリした。
「え? 悪意? えっと、この子たち、みんな良い子みたいだけど」
「私はお風呂の外で警戒しますので」
「アテナ? あれ? おかしいな。いつもなら、そばに密着しているのに」
そう思ってアテナを見送ったオレに、後ろから声が掛かった。
「ご領主様、それではお風呂のご体験をお願いしま~す」
え?
三人娘達は「お風呂の姿」で、オレを取り囲んだんだ。
SPは消費しちゃったけど、三人とも「初めて」だったのもあって、けっこう余裕でした。
「1回でも3Pとはこれいかに」
〇田くーん、座布団、ぜんぶ、もっていっちゃって~
え?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作者より
すみません。領地に帰ってくるとノンビリ回になりやすいです。
なお、アテナが囁いたのは「子種をいただいても良いけど、庶民の場合は、お手当をもらうだけになるよ」ってことの確認です。庶民レベルだと、夫婦で「ご領主様の種」を育てることは名誉あることだとされています。これは、本当に領主の血筋かどうか分からないため、継承権は全くありません。一種の「母親が領主様に認められて名誉ある子ども」という扱いになります。当然、ご褒美のお金も後で下賜されます。なお、子種をいただいた娘が独身の場合は、結婚希望者の男達が殺到することになるのが普通です。今回は、ショウ君なので、なおさらすごいことになるでしょう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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