第46話 なぎなた


 なんだ、この脳筋一家は!


「長い旅路を、はるばるようこそおいでくださいました。会場の準備は整っております。どうぞこちらへ」


 まるで「ウエルカムティーをどうぞ」的なノリで第一夫人自ら案内してくれたのは、邸内武道場である。


 更衣室には着替えをさせてくれるメイドが二人控えていて、真新しい稽古服と防具を着けてくれた。


「これ、オレにピッタリなんだけど」

「はい。奥様が春に発注しておりました」


 え?


「4月に発注して、その後、おそらく成長なさっていらっしゃるだろうと、毎月……」


 サイズだけ、微妙に大きくしてある全く同じ稽古服が3着。


「ひょっとしたらオレ、待たれてました?」


 二人のメイドは、ちょっと肩をすくめて見せてから、奥様がお待ちかと、と促してきた。


 やべ~ 春からずっと待っていたのかよ。オレとの試合を! 学校があるのに、簡単に来られるわけないじゃん!


『どこまでも戦闘狂かよ』


 ってことで、目の前にいるのはアテナの母、エルメス様の正妻であるティーチテリエー様だ。


「さすがガーネット家ですね。邸の中に、こんなに明るい練習場があるなんて」

 

 邸の中に窓を大きく取って外気を取り入れた(大きな板ガラスがないんだから、当たり前)吹き抜けの道場になっていた。


「恐れ入ります。では、まいります」


 問答無用 


 もはや笑うしかないレベル。


 貴族的挨拶どころか、日常会話レベルも拒否されてる件。


 スラッとした立ち姿は確かに美しい。武道において美しい立ち姿を持っているってことは、すなわち身体の使い方のバランスの良さを意味しているんだよね。


 つまりは構えた姿だけを見て「こやつ」ってのは確かにあるんだ。


 そのたおやかな両手で上段に構えているのは3メートル近い薙刀である。ちなみに前世の薙刀は2メートルちょっとだったと記憶してる。


 あのリーチの長さはヤバい。でも、もっとヤバいのは、ティーチテリエー様が軽装であることだ。


「あのティーチテリエー様は防具を着けていただけないのでしょうか?」

「不要です。もしも当てられるのでしたら、骨まで砕いていただいてもけっこうです」


 ひぇ~ この自信っていうか、これで「はい、そうですか」っていくわけないじゃん。


 ティーチテリエー様は防具を着けてくれないのは、絶対的に不利に働くよ。


『う~ん、それにしても、この剣だと無理がありすぎだぞ』


 オレが使うのは練習用のごく普通の木剣。


 リーチの長い武器を相手にするのは厄介なんだよ。大学時代に薙刀部の子たちと模擬試合をしたことがあったけど、すご~く、やりにくかった。


 だって、あの長さを生かして上から打ってきたのを払いのけると、その力を利用して反対側をクルンと回して「スネ」を狙ってくるんだ。

 

 というよりも、剣道と戦うときは「スネ」を狙うのは常識らしい。


 痛いんだよぉ、あれ。


 しかも剣道との他流試合だと一本にならないのに、ガンガン打ってきやがる。2戦して2勝したけど、翌日にはすねが腫れ上がって3日歩けなかったよ。


 そのくらいヤバい。まして、相手は3メートル級。


「僭越ながら、審判を務めさせて頂きます」


 アインスさんが、ちゃっかり審判ポジに出てきた。


 っていうか一緒に来た騎士団のみなさんが興味津々だよ。一番楽しそうに見てるのがエルメス様なんだから、もう、処置無し。


「所有者様ぁ! ガンバです。ボクとの時みたいに!」


 アテナのノンビリした応援の声は楽しそうだ。オレが負けることは少しも考えてないのが可愛い。娘が「敵」を応援していることに、ちょっとティーチテリエー様が苦い顔。


 ともかく試合だ。


「お互いに、礼」


 お願いします、とつい声を出してしまうのは前世からのクセ。


 どこの世界でも、こういう場合の開始位置は3メートルほどの間隔になるらしい。剣道も、フェンシングもだいたいこんなものだ。


 まあ、身体の大きさから経験的に作ると、その程度になるんだろう。


 相手の得物が3メートルってのは「射程3メートル」を意味しない。真ん中辺を両手で持つから、結局、リーチとしては、30センチほど相手の方が長いってだけ。


 でも、この30センチが死ぬほど遠いんだよね。


 さて、どうしよう。


 まあ、初見殺しで行くしかないでしょうね。あちらは薙刀戦を知らないと思っているはずだし。


 ふふふ。


 歴史オタを舐めるなよ。実は、スネを腫らした後で調べまくったのだ。そうしたら「北辰一刀流」が既に薙刀スネ打ち対策を編み出してたんだよね。


 これを教えてもらいに、水戸の〇明館まで行ったのは、良い思い出だぜ。


 こちらは正眼、あちらは上段。


『あ~ 間違いなくスネを砕きに来るよね』


 面を打ち下ろしてきて、それを弾かせておいて、反対側の「柄」で下からスネに来る。一本の木剣を使う以上、剣の移動距離が倍以上だから、薙刀の下からの攻撃を払う術はないんだよ。


「けぇえええええ!」


 腹から出てくる気合い。


 ヤバッ、これだけでも強さがわかる。しかも綺麗だもんなぁ。アテナも、こんな感じになるのかな。


 って邪念を浮かべたら、やっぱり来た! 面!


 ヒジと手首の動きを生かして、わずかに振り上げた木剣を相手の円軌道上に同期させて「打ち下ろす!」バキッ。


 相手と接した木剣ごと下に叩きつける感じだ。巻き込まれた相手の穂先は、木剣に巻き取られるようにして「下」に向かう。


 何しろ、自分の振り下ろした薙刀の勢いに、相手が加速を付ける形だ。それを止めるのは不可能。


バチン! と地面を叩いた時点でアウト。


 喉元に剣先を突きつける。


「なっ!」

 

 驚愕に目を見開いている。そりゃ、狙いの「スネ打ち」ができないように打ちおろしたからね。


 想定外ってヤツだ。


「も、もう1本あります」


 あ、娘とは違って、ちゃんと「一本」を認めてくれるんだ。さすが大人。


 って言うか、アインスさん、なぜ止めない?


 チラッと見ると、明らかに楽しんでるよ。審判をする気よりも「一番近い場所で目撃しちゃおう」って気持ちなのがありありだ。


「わかりました。では、2本目をお願いします」


 再び、お互いに構える。


 さっきの打ちおろしを警戒してくるのはさすが。わずかに薙刀の持ち手が短くなってる。つまり1本目は「おとり」で来るつもりだ。


 さて、秘策を出すよ。


「てぇええええ!」

 

 ミドルレンジから頭を狙って打ち下ろしてくる。さっきよりもスピードがないのは「おとり」だからだ。その分だけ、打ちおろしをしようとしたら薙刀自身に変化を付けられるように余裕を持たせてるんだよね。


 ってことを考えられたのは全部試合の後のこと。その時は、全てを同時に行っていたんだ。


・打ち下ろしてきた薙刀を手首の動きだけで軽く当てて軌道を変える。

・同時に、半歩前に

・打ち払われた反動で瞬時に下からスネにくる「柄」を、右ヒザをカクンと折り曲げて空振りさせる。

・その脚のまま、前へ踏み出す。

・空振りした薙刀を踏み越えるようにして回り込む。


 両手持ちの長い武器だけに、近接レンジに持ちこめば小回りは利かない。


 オレの木剣はティーチテリエー様の額の前で辛うじて止まっていた。さすがに女性の顔を叩くのはアウトだ。


 コンプラ重視で、ハリセンですらダメなのが令和だからね!


「いっぽん!」


 今度はさすがにアインスさんが宣言してくれた。


「な、な、な、な」

「あの?」


 ワナワナと両手を震わせたかと思ったら、薙刀をポンと後ろに放り投げて、飛びかかってきた。


 え? 組み手?


 とっさに「巴投げ?」なんて浮かんだけど、柔道はやったことが無い。

 

 そのまま押し倒されてしまった。


 いいのかな? 衆人環視で人妻に押し倒されるって。しかも「夫」の見てる前だよ。


 いや、実は「殺気」が全くなかったので抵抗しなかったんだけどね。お義母さんはスリム系に見えたのに、さすが柔らかい。


 いや大人の色気には困っちゃうよなぁって現実逃避をしながら、ティーチテリエー様に押し倒されてるオレ。


「ショウくん!」

「はい!」

「ウチの子、もう一人、連れて行きなさい!」

「え?」


 その一言で、全員の時が止まったんだ。




・・・・・・・・・・・




「さすが所有者様です。母もやっと認めてくれました」

「あ~ ひょっとしたら、自分のいないところで決めて怒ってた?」

「そうですね。ボクが負けたってことに驚いたのが先みたいですけど、それなら、なぜ自分とやらせないんだっておカンムリでした。だから所有者様が来るのをずっと楽しみにしていたんですよ」

「で、さ? なぜ、君はここにいるの?」


 お風呂だよ、ここ。しかもアテナ一人って……


「え~ だって、自分から来ないと、ぜったいに呼んでくれないので。はい、じゃ、次は前を洗いますよ~」

「前は自分で洗えるから!」

「だぁめ。ほら、怖くないですよぉ、こっちを向いてぇ。わぉ。また、大っきくなりましたね!」

「ど、どこを見て言ってる!」

「ふふふ。ボクも少し大きくなりましたよ? 見ます?」

「だから! 脱がないって言うか、聞いておいて返事の前に脱ぐのはなし! あぁ、確かに前よりかなり…… いや、ダメ、今はダメ、見せたら……」

「あ~ ふふふ。所有者サマったらぁ。正直ぃ。ボクもちょっと自信が出ちゃいますよぉ」

「だ、か、らぁ」

「あ、それ用のメイドを呼びます? お手付き前の子もいっぱいいますよ? それとも、ボ ク に します?」

「どっちもけっこうですって、だから、そこは洗わなくていいって、あぅ、アテナ、あっ、それぇ! だめぇえ!」



 ・・・・・顰蹙省略お見せできません・・・・・・



「ふふふ。古参の入浴専門の子に教わっておきました。所有者様にご満足いただけたなら、良かったです」

「わぉお…… そんな、そんなぁ」


 あっという間だった。


 この十日間ほど、みんなに触れてなかったからだよ。うん、ミィルもいなかったし…… シクシク。


「所有者様のものだったら、何でも大丈夫ですからね。むしろたくさんで、嬉しいです」


 ニコニコしながら、後始末してくれてるアテナだ。


「あ、もちろん、ボクはちゃんと純潔ですからご安心くださいね。練習にはニンジンを使いましたから。練習の成果をご覧に入れられて嬉しいです」

「なんか、微妙なんですけどぉ」



・・・・・・・・・・・



 なんだかんだで歓迎のテーブルが用意された。


 今度こそ、普通の「歓迎」だ。


「すまなかったな。彼女がどうしても、やらせろと」


 その「ヤル」って言葉に「殺る」って漢字は当てはめてませんよね?


「だって、話だけ伝わってきて、のけ者だなんて悔しいじゃないの。ひょっとしたら卑怯な手を使ったのかもしれないし。アテナが、そう簡単に負けるわけがないと思ってたのですもの。でも、聞いていた以上だったわ。さすがアテナの所有者ね」


 全く悪びれてない、すまし顔。


 それにしても母上まで完全に「所有者」とか言っちゃってるけど、良いのかなぁ。


「さて、改めて紹介しよう。こちらが妻、ティーチテリエーだ。私はティーと呼んでいるが、そう呼びたいならアテナを何とかしてからにすることだな」

「よろしく。ちなみに、初見で敗れたのは今のアテナと同じ年の頃よ。ちょっとだけ前ね」

「わはは。もちろん、破ったのは我であるぞ」


 エルメス様は、なんだかんだで、妻にゾッコンって雰囲気を醸してるよ。


「そうね。本気でいって負けたのはあなた以来だわ」

「そうだな、もう20年も前になるかのぉ、あうち!」

「ほほほ。ほんののことみたいに、よく憶えているわ。カッコ良かったのよ、ウチのお館様って」


 数年前…… 


 笑顔でエルメス様の脇の辺りをナデナデしている。あれ、普通に痣くらいにはなってるよね?


「それでぇ」


 と二人の側妃「ビフィニーチェ」「メルクリーテス」さんを紹介してくれた。


 ビフィニーチェさんはスコット家の分家の出だ。この方から生まれた男子が長男で、現在の嫡男となっているんだそうだ。現在は18歳、領内の巡回に出ている最中だ。


 そしてもう一人の側妃であるメルクリーテスさんはシュメルガー家の分家の出だそうだ。


「それでね、ショウ様、あの時は思わず興奮して叫んでしまったのですけど、さっき、ちゃんと相談したわ。メルクリーテス様のお腹のミネルバビスチェちゃん。ね、どうかな? ちょっと年上だけど、とっても良い子よ」


 横にいる美女が、頬を染めて下を向いてしまった。


「どうか、と言われましても」

「ご覧のように、の私が言うのもヘンだけど、これだけの美女でしょ? 病気一つしたことは無い健康そのもので、体力だってあるの。きっと子どもだってたくさん産めるわ。それに一時は王太子妃候補だったから小さいうちから教育はしっかりしているの。第一王子の、あの変な趣味のせいでこうなっちゃってるけど、決して売れ残りだからあげるってことじゃないわ」

「お母様!」

 

 メルクリーテス産みの母様が、ぷっと噴き出してみせる中で「むぅ~」と唇を尖らせてそっぽを向いてる。


『あぁ、さすがエルメス様、家族関係がとっても良いんだ』


 普段の仲の良さが伝わってくる。ミネルバビスチェさんも本気で怒っているわけでもないみたいだ。


 感情の出し方というか雰囲気でティーチテリエー様も側妃の方々とすごく上手くいってる感じが伝わってきたよ。おそらく、ミネルバビスチェさんのことをとっても愛してるんだよね。


「あの、でも、なぜ私になのでしょうか?」


 オレに妻妃が大勢いることはエルメス様を通じてティーチテリエー様もご存じのはず。もっと良い相手がいるはずだ。


「カンかな?」

「カンですか!」


 何、その脳筋な理由!


「ははは。ティーがショウ君を気に入ったからこそだぞ。なにしろミーはお気に入りの娘だから、めったな男のところに出せないんで、今に至るからな。すぐに子をなせるという意味では、むしろアテナよりもミーを娶るべきだぞ」

「えっ、あ、あの」


 チラッとアテナを見ると、なぜか心からの笑顔でウンウンと頷いている。そして、唇だけを動かして「さ ん ね ん ご」と言ってる。つまり3年後に子作りってこと? だから、今はミネルバビスチェさんをと言いたいんだろうか?


 エルメス様は「あまり、難しいことは考えなくて良いんだぞ。後でアテナと一緒に送ってやろう」と宅配便みたいなことを言い出してくる。


「あのぉ、えっと」


 これって、どう答えるのが正解なんだよ。


「実はな」

 

 ん? エルメス様の目がマジになってる。


「我は、この件に賛成なのだ。もちろん、ティーが君を気に入ったというのは確かにあるし、嫁ぎ先としては最上等だとは思う。だが、君にとってもメリットはあるぞ」

「メリットですか? 確かに、ミネルバビスチェ様はお美しい方ですけど、私には既に「ミーは今すぐ子を産めるぞ」え?」


「カインザー家の娘、バネッサさんだったな? ご懐妊したことは聞いた。おめでとう。心から嬉しい。そして、既に妻妃がいることは存じておる」


 エルメス様がこの目をしているときは、いくつもの思惑を込めているときだ。


「しかし、学園のことを考えると、ハーバル家のニビリティアさんが辛うじてだと、我は思うぞ」

「間に合うって言うのは、えっと……」


 エルメス様の顔を見て、パッと思い当たった。


 ヤバッ、もう決まってるのかよ。


「わかっておろう? 以前とは状況が変わった。おそらく、来年、君は出征する。その時までに跡取りを作る義務があるのだ。こうなってみると妻妃が何人だなどと言っている余裕は全くないと思ってほしい。本来ならアテナだって学園などよりもそっちを優先させたいが、いかんせん、本人の身体ができておらぬようだ」


 横でティーチテリエー様が、小さく頭を下げてきた。


『武人のカンってヤツか』


 おそらくエルメス様の中で何かが「苦戦」を告げているんだろう。だからこそオレの年で「跡取り」なんて言葉が出てくるんだ。


「サスティナブル王国にとっても、麒麟児の血は残したい。どうだ? 考えてみてくれぬか?」


 エルメス様の言葉は、オレへの配慮がにじみ出る重さを持っていたんだ。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

作者より

学園編のはずなのに、どうにも「中退」になりそうな雰囲気がどんどん濃くなってるのが辛いところです。


通信制はないし……


剣道と薙刀の対決は、動画がいくつか出ていますが、普通は「スネ」が無しになります。無しになるけど、打っても反則じゃないので、ガンガン打たれます。


この世界の「婚期」は、学園を卒業してから数年です。ミネルバビスチェちゃんは二十歳です。美女ですが、やっぱり「婚期を逃した」とは言われています。辛いですね。


物語では出てきませんが、アテナの上には3人の兄姉がいました。いずれも3歳以下で亡くなっています。実は、第二夫人がシュモーラー家の娘でしたが実家に戻されています。異母兄弟達も小さい時にで亡くなった側妃の子ども達がかなりいます。アテナはガーネット家では「末娘」の位置です。ガーネット家のかつての家庭の事情は、けっこうダークな設定です。


さて、現在、異世界ファンタジーカテで

夢の30位復活を目指しています!

現在は、おかげさまで31位にまで回復しております。

ありがとうございます!

でも、欲が出ました!

お願いします、15位以内!

応援してくださるみなさまに作者は大感激しております。

評価って言うか応援のつもりで★★★をお願いします。

ショウ君も新川も褒められて伸びる子です。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 

 

 


 


 

   



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