第41話 巡り会い

 温かい手に包まれた私の手。


「ありがとう。君のおかげだよ」


 帰りの馬車でショウくんは、そんな風に言ってくれた。


 ありがとう、は私のセリフだよ。


 狭い馬車の中だ。ずっと手を握ってくれてるけど、もう、3日もお風呂に入ってなくて、そればかりが気になっちゃってる。


 私だって、ホントは抱きつきたいのに……


 ショウくんの愛情が伝わってくるのに、抱きつけないもどかしさって思ったら、いきなり抱きしめられた。


「ひゃぅ! だ、だめだよぉ、あっ、えっと、ダメじゃないんだけど、ショウ様なら、何をしても良いんだけどぉ、今はだめぇ」


 抵抗したいのに、なぜか手に力が入らない、でも、汗臭いとか思われたら、私、軽くその場で死ねちゃうよ。今ダメえぇ。あ、あとでなら…… なんでもして良いけど、とにかくお風呂に入ってから。


「ニアは、とってもいい匂いだよ」

「あぁん、ウソです、ウソぉ」

 

 ダメ。ホントにダメだよ。良い匂いな訳ないじゃん、あ~ ヤダ、首に顔を埋めてる、あぁ、恥ずかしいよぉ。すごく逃げたいのに、腕の中が心地よすぎて出られない。どうしたら良いの。


「大好きだよ。ニア。好きな女の子の匂いだもん、ほら、こうなっちゃうよ」


 わっ ショウくんてば……


「あの、ホントに?」

「ホントさ。ニアはいつだって良い匂いだからね」

「恥ずかしいです。でも、嬉しい」


 すごく恥ずかしいのに、居心地の良い腕から逃げられない私は、ショウくんの匂いに包まれながら、一週間前のことを思い出していた。



・・・・・・・・・・・

 

 ミィルさんに呼ばれてショウくんの部屋に行ったら、珍しく焦った顔だった。


「手伝ってほしいんだ」

「もちろん。喜んで手伝わせてください。何をすれば良いんですか?」


 なんだろ? 男の子だとエッチなこと…… なぁんてことはないよね。あんなに綺麗な子達と、とっくにしちゃってるんだし。痩せてる私なんて、今さらまでもないだろうしって、え? なに、この真剣な目。


「これは、みんなにも言えないことなんだ。ニアにだけお願いするよ。オレに頼まれたことを言うのは仕方ないけど、とにかく、どこで何をするのかも、秘密にして欲しいんだ」

「わかりました。絶対に何も言いません」


 そんなに大変な話なんだ。私にだけ手伝えること! なんだか嬉しいよ!


「情報を漏らしたら国家反逆罪もありうる。それでも頼めるかな?」

「ショウ様のお手伝いですもの。誰にも言うなって言われたら、誰かに言うわけないです。絶対に。だから漏らしたらどんな罰を受けるかなんてどうでもいいことです」


 そんなやりとりで頼まれたこと。


 まさか、だったけど王宮に連れて行かれた。


 それから一週間、王宮にある歴史書庫に通うことになった。通うのじゃ足りなくて結局泊まり込むことになった。女の子が外泊なんてありえないんだけど、私は国王様から勧められたショウくんの公認側妃だもの。「夫」とだったら、何をしようと問題ない。


 ノーヘル様も一緒に、頼まれた資料を必死に調べてはメモをする繰り返し。数字との格闘。記録の掘り起こし。その間、サム様がお食事もお茶まで入れてくださった。


 殿方に身の回りの世話を焼いてもらうだなんて、良いんだろうかと疑問もあったけど、ショウ様のお願いを聞く方が優先なのは当然のこと。


 そして、やるべきことは山ほどあった。


 まず、過去に作られた膨大で、バラバラな資料をとにかくかき集めるところから始まった。たしかに、これはショウくんだけじゃ厳しいよね。


 少しでも役に立てるならって、初めは単純に嬉しかった。でも、資料を集め、読み進め、記録としてまとめるウチに私は知ってしまった。


 わかってしまったの。


 おそらく、近いうちに我が家がアマンダ王国に攻められてしまうんだと言うことを。


 ノーヘル様もサム様も、そんなことは一言も出さなかったけど、それは優しさからだろう。私に気を遣ってくれてるのがわかるもん。


 そもそも、ショウくんが頼んでくれたのは「東と南の国がいつ攻めてくるのか」を予測できないか調べることだった。こんな情報が必要だとしたら「西は調べるまでもない」ということになるよね。


 そして、ショウくんは資料のまとめ方も教えてくれた。


 四角い枠を描いて、そこに一定の決まりに従って必要な数字を埋めていく整理法だ。「マトリックス」と言うらしい。そしてそれができたら、その数字を使って「グラフ」という仕組みにすること。


 はじめて聞くことばかりだった。


 でも、仕組みを理解したら、スゴさがわかってしまった。教えてもらった通りに「棒」にしてみたら、変化が一目でわかってしまう。何の意味もないはずの記録された数字が、意味を持った資料になった瞬間だった。


 そして、全てがわかった後で、ショウくんはとっても優しかった。


「ありがとう! ニア! ちょっと抱かせて!」


 全てが解き明かされるとサム様にお茶の用意を命じておいて、私のことをギュッと抱きしめてきたんだもん。


 好きな人に抱きしめられるのはいつだって嬉しいけど、3日もお風呂に入ってない身体だ。さすがに乙女としては困る。


 でも、あの時だって「ダメ」って言ったのに、ぎゅーって抱きしめてキスまでしてくるから、ノーヘル様が顔を真っ赤になさったのがチラッと見えてしまった。


 そして「ちょっとトイレに」って出て行かれてしまった後だった。


 キスはとってもステキだったけど、こんな風に人前で抱きしめてくるのは珍しかった。どうしたんだろうって思ったら、そこで首に顔を埋め込んできた。


 くすぐったい! それにダメぇ、お風呂に入ってからならご褒美だけど、今はダメぇ! え? なに?


 首に埋め込んだままのショウくんからボソッと声が聞こえた。


「ふぅ~ それにしても困ったなぁ。偶然なのか必然なのか。今年は何もないにしても2年後はになるのか」


 それは、いかにも「つぶやき」に過ぎない言葉。


 ドキンとした。


 ちゃんと「私が一番知りたいこと」を教えてくれた。2年後に東と南がせめて来るのは、私達が割り出したこと。そこで「同時」になるってことは、ハーバル領が攻められるのは来年になると言うことだ。


 ショウくんらしい教え方だと思った。


 ちゃんとした言葉にはしてないけど、私ならわかるって言う「独り言」を使うやり方だ。もしも、これを誰かが聞いていても、と言い切れる。


 ホントに優しいし、頭の良いやり方。


 だけど、どうしよう。何をどうやって、どこまで父上に話せるの?


 茫然とする私をイスに座らせると、私を安心させるように微笑んでくれた。


「ねぇ、ニア? そろそろお父上から側妃についての返事が来るはずなんだけど、オレ、そろそろ可愛いニアに我慢できなくなっちゃってさ。行き違いになるかもしれないけど、そろそろ先走っちゃって良いかな? その後で、心からのお詫びのお手紙を差し上げるから」


 あっと思った。


『なんて優しいの!』


 それは、ショウくんから「許されている最大限で」父に教えるよって言ってくれてるのと同じだもん。


 万が一、父が側妃の話に反対をしたとしても、こんな情報をくれた相手にいつまでも反対なんてできるわけが無い。まして、父が私に対して怒るなんてことはありえない。


 むしろ「家のためになることを手に入れてくれた。よく頑張ったな」と褒めてくれる可能性の方が高いということになる。


「ありがとうございます」

「やだなぁ。ありがとう、はオレのセリフだよ、ニア。楽しみにしているからね」

「ありがとうございます。愛してます、ショウ様」

「愛してるよ、ニア、オレの最愛の人」


 こんな言葉がすごく嬉しい。


 あぁ、神様。私、本当に良い人と巡り会えました。ありがとうございます!



・・・・・・・・・・・


 国王陛下に「プレゼン」をさせられた後、ご褒美としてオレ個人の「家名」をもらうことになった。


 マジ?


 まあ、実際に侵略が起きるかどうかを見てからなので、今のところは「予定」なんだけどね。


 国王陛下に家名を下賜された子爵家なんて前代未聞。しかも領地はともかくとして伯爵への昇爵も内々で即決された。今のところ御三家当主が証人となった「秘密の約束」に過ぎないんだけど、ことが起きれば、ご褒美が降りてくるシカケだ。


 知らんぷりをしようものなら、間違いなくエルメス様が暴れちゃうし 笑笑


 ニアとのことは、メリッサに話したら喜んでもらえた。バネッサに次いで早くに産めるからってことらしい。つくづく、オレのためになることしか考えないメリッサに感謝だよ。


 と言っても、じゃあ、早速ってわけにもいかないのは貴族のしがらみってヤツなんだよ。


 行きがかり上、ロウヒー家にも挨拶を入れるものらしい。まあ、そのあたりはメリッサが考えてくれるので、それに従うのみだ。


 それに、やるべきコトが山ほどできてしまったのがヤバい。


 とにかくエルメス様には大至急お願いしなくちゃ。


 というわけで、オレが最初にやって来たのはガーネット家だ…… と言いたいところなんだけど、訪いのお伺いを立てたら、いきなり本人が我が家に現れてしまった。


 あ~ もう! 常在戦場かよ、ってツッコミを入れたくなるくらい素早い動きだ。


 父上すら立ち合わせずに、庭のど真ん中ににテーブルを用意して二人で話したんだ。なんか、だんだん慣れてきちゃったけど、異常なことなんだからね!


 公爵家当主が、たかだか伯爵家の、それも息子にお手紙をもらったら、即座に本人が現れて、伯爵家当主を抜きにしてのなんてさ。


 庭で話したのは機密事項になるだろうとエルメス様が言い出したからだ。


 周囲に陣幕を張っているのは「口元が見えないように」ってことらしい。その筋の人だと、口の動きを見て、だいたいの内容を解読しちゃうんだってさ。


 こわっ。


 そして、ウチの騎士団の人間と、ガーネット家騎士団とが二人でペアになって、庭には人を近づけさせない。


 下手に邸の中に籠もるよりも、これが一番、秘密を保てるらしい。


「さて、どんな助言をもらえるのかね?」


 あれ、バレてるじゃん。


「あの、助言だなんて、おこがましてくて」

「遠慮することはない。何かを言いたかったのだろう? 北方のことかもしれぬが」

「え?」


 なぜ、それを知ってるんだろ?


 イタズラ小僧の笑みで「どうやら、驚かせることができたようだな。麒麟児をビックリさせられたのなら満足である」と楽しそうに言った。


「やはり、ご存じでしたか。でも、先日は北方の警戒に関して何もおっしゃってなかったので」

「今回の動員計画ではロウヒー家とフォルテッシモ家には極力戦力を要求しないことになっていた。西部山岳地帯のあたりは、我が家が全力動員で守り切るつもりであったが、北方の民は基本的に騎馬民族だ。山越えは、あまり考えなくても良いと思っているぞ」


 やっぱりだ。


 ちゃんと、エルメス様は「同時侵攻」を考えていらした。


 それなら、オレがこれ以上口を挟むまでもない。ただ、これだけは言っておかないとダメだよね。


「ご存じだと思いますが、聞いてください」

「聞くぞ。言っておくが、本気で聞くからな」

「ありがとうございます。それでは、はばかりながら」


 形式よりも、すぐに本質に入った方が良い。


「エルメス様は専門の護衛を置かずに、いつも若手の騎士を連れていらっしゃいますよね? しかも、毎回、違う方をお連れになっている気がします」

「ん? オレを護衛できる人間なんて、そうそういないと思うが…… 若手を連れているのは経験を積ませるためだ。その時その時で目に付いた隊士を指名しているが、何か問題があるのか?」

「護衛はエルメス様よりも強い人間である必要はありません。できるだけ信用できる…… 言葉を換えますね。何があっても絶対的な不意打ちを防ぐだけの意志のある人が良いです」

「どういうことだ?」

「団員を信用なさりたいことは承知しています。それに、エルメス様の『経験を積ませたい』と言うのもわかります。でも、今回は宗教戦争です。今までとは、ちょっとだけ信用という言葉の意味が違うと思うんです」

「それは、我が隊士の中に裏切り者がいるということかね?」


 その瞬間のエルメス様の顔は、気の弱い人が見たら卒倒しそうなまでに殺気を放っていた。


 でも、ここで負けたらダメだ。


 宗教は怖い。


 家臣団の結束力では戦国時代でも有数だった徳川家康の「三河家臣団」。あそこですら本多正信をはじめとして、これ以上無いほど信頼できる家臣達が一向一揆に加わってる。「石橋を叩いても渡らない」をモットーにしている慎重派の家康が裏切られているんだ。


 しかも、20世紀のカルト団体のことを考えると、もっと怖い。宗教的な信頼が何をさせるのか。教祖様のお言葉で日本有数の良心的で優秀な外科医が人を殺せるし、親子の関係を壊すこともためらわない人が続出しているってこと。


 宗教的な結びつきは、たぶん、エルメス様が思っているよりも大きい。


 それを理解してもらえないにしても「お願い」だけはしておかなくちゃダメだ。


 止まりそうになった心臓を励まして、オレは言った。


「ガーネット家の騎士団から、グレーヌ教徒を洗い出すべきです。すくなくとも身の回りに置く隊士は、確実にグレーヌ教徒ではないと思える人にしてください。お願いです」

「うぅ~む。君の言うことであるから、それは実行したいと思うが、もともと我が領にはいないはずだぞ。まして、隊士とは一人ずつ拳で語り合っているからな。ウソをつけるとは思えないのだが」

「心からエルメス様のことを慕い、心からガーネット家騎士団や、その仲間達を愛している人が『一時的には、あるいは現世では裏切りになるけれども』と考えて、グレーヌ教の神のために行動するというのは人として全く矛盾してないんです」

「そんな馬鹿な事が本気でできるのか? 実の兄弟よりも結びついている騎士団だぞ?」

「我々にはわかりませんけど、宗教に染まれば、現世で親を殺したとしても、最終的に親のためになると信じられるようになるんです」


 何度も目を瞬いてから「であるか」と呟くように言ったエルメス様は、しばらく空を見上げたんだ。


 それから、正面からオレのことを見た。


「実はな、今日、ここに来る前に自分に誓ったのだ」

「え? どうかなさったのですか?」

「おそらく、自分には思いもよらないことを言われるはずだ。どんなにバカげていると思うことでも、それを試してみようとな」


 ニカッと笑うと「自分への誓いを破るわけにはいかないな」と立ち上がって大声を上げたんだ。


「アインス、ツバイ、それとフィーア!」


 風のようにと言うんだろうか。陣幕の外で「ここに」という三人の声がした。


「こいつらは、オレの子どもの頃からのダチだ」とウィンク一つ。それだけ信頼できる人ってことなんだろう。


 それにしもてガーネット家の騎士団は、全員「瞬間移動」の使い手なのだろうか?


「入れ」

「「「は」」」


 どれも40代、筋肉ダルマのオッサン達だ。


「お前達の隊からはじめる。隊の中にいるグレーヌ教徒を3日以内に。手段は選ばぬ」


 その瞬間、三人とも動揺しなかったと言えばウソになるんだろうけど、見事に平静を保って「かしこまりました」と頭を下げたんだ。


 すげっ、理由の説明無しかよって思ってエルメス様を見たら、もの言いたげだ。


 チェ、人使いの荒いオッサンだよ。でも、オレの言葉を受け入れてくれたんだし、仕方ないか。


「今後のためです。グレーヌ教徒だから排除しろとは言いませんが、誰がグレーヌ教徒なのかは、いざというときに必要になると思います。それと」


 チラッとエルメス様を見るとそっぽを向いてる。「任せた」と言ってくれているんだ。


 こんなに信頼してもらって良いんだろうか。


「今後、エルメス様の身辺に置く隊士はグレーヌ教徒ではないと確信できる人だけにしてください」


 オッサン達は答を保留してエルメス様を見た。そこに一つあごを引いて無言の肯定だ。


「かしこまりました」

「よし、ただちにかかれ。重ねて言うが、グレーヌ教徒だから追い出せなんて言ってないからな」

「「「御意」」」


 グレーヌ教徒は、実はスパイに向かない。


 教義により、生まれてすぐに腕のどこかに双葉をデザイン化した入れ墨を入れるからだ。これはグレーヌ教徒にとっては「聖痕」に相当するらしくって、大人になって入信した場合は、胸にかなり大きく入れることになる。これに関しての例外はない。


 だから、腕と胸をしっかりと確認すれば信徒かどうかの見極めは付く。


 1日に3回のお祈りだとか、葉脈をかたどった宗教的なペンダントを下げてるのかだとかは、必要に応じて「無し」にできるけど入れ墨だけは一度入れると消せないからね。


 ともかくエルメス様に、危機感を持ってもらうことだけはできたはずだ。良かったよ。だって、正面から勝てる人はいなくても、手段を問わず人間を一人消すだけなら、なんだってできるからね。


 グレーヌ教徒は「教団の目指す正義のためなら血の池を作ろうとも不都合はない」という超成果主義の一面を持っているんで、暗殺者になると最強だからね。


 たとえば、エルメス様一人を暗殺するために、赤ちゃんや女性も逃げられないようにして町ごと焼き尽くせば成功すると思ったら、彼らは実行するに違いないんだよ。


 そんな人達を相手に「暗殺」を防ぐには、少なくとも身辺警護の隊士にグレーヌ教徒はいさせちゃダメってことだ。


 聞いてもらえて良かった。


「オレの方から、あの二人には言っておく」

「ありがとうございます」

 

 ノーマン様とリンデロン様のことだ。


 頭を下げつつも、危険性は300対1くらいだとオレは思ってる。直接的に敵対する大将軍と、都にいる大臣を暗殺するのでは、やる側の納得度のレベルが違うからだ。


 平たく言えば、教会を焼き払う「敵」に対する意識と、会ったこともないその「雇い主」への意識とで、どっちに直接的な怨みを持つのかを考えれば、簡単な話だ。


 ともあれ、警戒をしてもらうのは悪い話じゃない。


 全てをエルメス様にお任せすることにしたんだ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

作者より

 宗教戦争になると、今まで味方だと思っていた人が、簡単に「神様側」になってしまうのが怖いですよね。それをなんとかするために織田信長は屍の山と火の山とを必要としたのが歴史的な事実です。


グレーヌ教:アマンダ王国の国教となる宗教。教義を一言で表すと「誠実であれ」という言葉になる。人々に「1日に3回のお祈り」を義務とし、生まれてすぐに「双葉をデザイン化した入れ墨」を腕のどこかに入れる。(だいたいは肩の辺り)これは「聖痕」の象徴であり例外はない。多くの信徒は葉脈をかたどったアクセサリーを身につけることが多い。アマンダ王国を9の教区に分け、それぞれの頂点に枢機卿がいる。中央司祭が3人おり、この12人でアマンダ王国の王を選出する権利を持つ。世俗に対する宗教的権利として枢機卿は「一人の王様に対して生涯に1回だけ政治的助言(オノマトーペ)」を出す権利がある。神の正義を達成するためなら、現世で何をしても許されるという価値観を持つ。他の国の人には「信徒達は教団の目指す正義のためなら血の池を作ろうとも不都合はないと思っている」と恐れられている。

グレーヌとは、フランス語で「種」という意味のgraineから来ているらしいです。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


  

  

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