第4話 聞きたくなかった話

二枚目のDVDを再生する。

【二日目】のタイトルと共に部屋が映る。

マンションの一室だろうか。

「おはようございます恵さん。」

と挨拶しながら姉ちゃんが入ってくる。

ここは永山さんの妹の恵さんの部屋らしい。

「おはよう明子ちゃん。

 よく眠れた?」

「はい!

 シャワー浴びてベッドに入ったら

 すぐに寝てました。

 色々と緊張してましたから。」

「よく眠れたなら良かったわ。」

「あの•••

 この部屋は私の指紋と顔も登録

 してあるんですか?

 インターホンで鍵開けて入って

 良いって言われたので入って

 来ましたけど•••」

「そうよこの部屋は明子ちゃんも

 登録してあるからいつでも

 入って来て良いわよ。

 ただ私も何か有った時のために

 明子ちゃんの部屋に登録してあるから

 それは許してね。」

「許すも何も•••

 何時いつでもどうぞ。

 色々とお世話になります。」

「フフッ。

 よろしくね。」

「•••あの何かありましたか?

 昨日に比べてその•••

 答えにくかったらスミマセン

 凄く機嫌が良いみたいなので•••」

「明子ちゃんあなた本当に

 人をよく見てるのね•••

 兄さんが気に入るはずだわ•••

 じつはね恥ずかしい話なんだけど

 ここ最近夫婦関係があんまり

 うまくいってなくてね•••

 すれ違っていたのよ•••」

「そうだったんですか•••」

「でも昨日誤解が解けたから

 スッキリしたわ!」

「そうなんですか。

 それは良かったですね。

 その飛島さんは?」

「朝食を取ってさっき出て行ったわ。

 多分会議室で兄さんと話して

 いると思うわ。」

「皆さん早く起きてらしたんですね。

 今日は日曜日なので皆さんまだ

 寝てると思っていました。」

「気を遣わせてごめんなさい。

 もうすぐ9時だから

 お腹減ったでしょ?

 まずは朝ご飯食べて。」

「はい!

 いただきます!」

姉ちゃんの朝ご飯が始まった。


※DVDに映っていない部分

永山達が住むこの巨大マンションは

様々な施設をゆうしている。

大浴場やサウナ•ジム等が有るが

その中に大中小の会議室という

名目の多目的室が多数あり

その一つに永山達は集まっていた。

「大将聞いて下さい!

 昨日カミさんと仲直りしまして。」

「ほう。

 良かったじゃねぇか。」

「はい!

 大将に言われた通り息子が

 寝た後に話し合いまして

 無事誤解が解けました。」

「そうか良かったな。

 ちなみに誤解ってのは

 聞いて大丈夫な事か?」

「はい!

 実は子供が生まれてから

 セ○クスレスでして•••」

「すまん•••

 あんまり聞きたくない話だった•••」

「大将!

 質問したからには最後まで

 聞いて下さい!

 俺としては家事育児で大変だろうと

 気を遣っていたんですが

 カミさんはそれが不満だったみたいで

 【出産した自分を女として

  見られないのか!】

 と不機嫌だったみたいです。

 それでいつも怒っているような

 顔をしてたんですね。

 ただこっちも女性は出産後は

 忙しいのに加えて性欲が

 無くなるとか聞いてたんですが

 カミさんは性欲有ったらしいです。」

「生々しい話をするんじゃねぇ!

 妹の性欲の話なんて聞きたくねぇよ!」

とびの兄貴。

 兄貴はレスの間どうしてたんですか?

 浮気とかしてないですよね?」

部屋にいた塔本とうもとが質問する。

とう

 余計な事聞くな!」

永山は叫ぶ。

「俺はカミさんだけだからな

 カミさんの下着や

 カミさんがシャワーを浴びてる所を

 覗きながら」

「変態じゃねぇか!

 何やってんだお前!」

「それが大将!

 話を聞いたらなんとカミさんも

 俺の下着でオナ」

「バカ野郎!

 聞きたくねぇつってんだろ!」

「それを聞いて昨日は燃えましたね。

 子供を生んでパンパンに張った胸

 明らかにデカくなった尻

 女としてさらに丸く熟成した体を

 思う存分」

「おい!

 殴るからコイツ取り押さえろ!」

塔本が羽交い締めにし周りにいた者達が

両手両足を押さえる。

「大将待って下さい!」

「安心しろ殴るのは腹だ!」

「さっき食べた朝飯が出ちまいますよ!

 グヘヘヘへ裸エプロンで朝飯を

 作ってくれたんですよ!」

「この状況でまだ言うとは良い度胸だ。

 今日一日喋れなくしてやる。」

そうして永山が刃○の花○薫のように

振りかぶった時、部屋に恵と明子が

入ってきた。


姉ちゃんが朝ご飯を食べた後

恵さんと息子の竜一りゅういち君と一緒に

永山さん達がいる会議室へと向かった。

竜一君は眠っているようだ。

部屋に入ると何故か飛島さんが

取り押さえられていた。

恵さんは竜一君を姉ちゃんに

カメラを近くにいた人に預けると

羽交い締めにしている男性に

「塔本君、これはどういう状況?

 ウチの人が何かしたの?」

「あの•••

 飛の兄貴があねさんとの

 昨晩のいとなみを大将にはな」

次の瞬間、恵さんが顔を真っ赤にして

飛島さんにビンタをした。

そして両手で顔を押さえ

「もー何でそんな事話すのよ!」

「グヘヘヘへ見て下さい大将。

 ウチのカミさん可愛いでしょう?」

ビンタを食らってもむしろ嬉しそうだ。

「ゲヘヘ沢山中に出したから

 妊娠してるかもしれませんねぇ。」

「いや夫婦だから何も問題無いでしょう•••」

撮影してるのは昨日と同じ

桂木さんみたいだ。

「飛!

 テメェ俺が大嫌いなNTR展開を•••」

「あのぉもう話終わりました?」

ドアの向こうから姉ちゃんが顔を出す。

「部屋の外で待ってたんですけど

 竜一君が起きちゃって•••」

「あらあらごめんなさい。」

「大将。

 今日は明子ちゃんの買い物でしょう?

 早く行きましょう。」

「誰のせいでこんな•••

 まぁ確かにその通りだが•••

 明子ちゃんゴメンね。

 こんなバカ騒ぎを見せて。」

「いえいえ凄い楽しそうで•••

 けど竜一君には良くないかと思って

 外で待ってました。」

「本当に気が利くなぁ•••

 やっぱりスカウトして良かったよ。

 今日は明子ちゃんの生活品を

 買いに行くから。」

「はい!

 お世話になります!」

一日目と違って姉ちゃんは

満面の笑みでそう答えた。

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