record_007 ruined city(3)
保安局r996a1区支部の
支部は周囲と同じ白塗りのビルで、外観は統括区と然程違いのないビルだ。周囲を見渡せば、「異常動作」をした
D7401がEZ136を含む全隊員の顔を見回すと、しんとした声で云い放つ。
「先ず手筈通り、ビル内の安全をサーティスに確保してもらう。彼女が意見を排除した後、イレブンとティーフォーは監視室の機材をチェック及び起動して街を目視でパトロールを。その間にわたしとビビはサンプルを集め、
「
一斉に96/97調査隊一同は敬礼をして応じる。本任務において、各調査隊の隊長は最年長の隊員が担う。常ならば指揮命令権を有さないゆえ、CW073局長の権限で一時的に局長の「補佐官」と同程度の権限を与えられているのである。
EZ136が大刀型簡易刑執行
だが這入ってすぐ、EZ136は足を留めた。其処は、統括区の本部と代わり映えのないインダストリアルな内装の施されたビルだ。開けたエントランスに受付と内部
そして――
「静かすぎない?」
声を溢したのはDDt40。〈シールド〉から顔を覗かせて、周囲を見渡している。その傍らでEHbb0が頭を縦に振り、「そうよね」と同意して
「外って、もっとこう五月蠅くて」
EZ333 はうつ伏せに倒れていた
「ハンテイタイショウナシ、ハンテイタイショウナシ」
と無機質な音を立ててまた何処かへと転がって行く。判定対象無し。それは、この
D7100もEZ333 の傍へ寄り、骸となった
「――これ」
「どうしたの?」
EZ136も屈んで覗き込むと、それは何かに穿たれたプラグ穴だ。大きく穴を広げ、
「〈スイレン〉の弾痕……?でも、それにしては外しているような……」
刑執行
「どちらにせよ、〈スイレン〉て使えるの
語を差したのEH bb0だ。生存者がここにいた。それもおそらく、EZ136と同型の
「まだ生きているかもしれない。早く見付けないと」
「此処から脱出したみたいですよ?」
矢庭に鳴らされたEZ022の声。だが、其処には姿がない。声主の姿を探すため、内部
ようやくEZ022 の姿を認めたのは、二階の一室だ。いつの間にかDDt40と共に行動していたらしく、彼女の姿もある。EZ333は室の扉横の電子パネルに表示された「救急治療室」の文字に顔を顰めた。この室には、出入り口の
EZ136らが室内へ踏み込むと、室内は処分手前の
「ということは、
「いや、
応じたのはEZ333。彼の視線の先には出入り口の横に蹲るように倒れている緑髪の
初めに沈黙を破ったのは96/97調査隊の隊長、D7100だ。両手を打ち鳴らし、
「ここでどうこう考えても仕方がない。予定通りの作業に加え、監視官たちには優先的に生存していると思われる
「
隊員一同は敬礼し、急ぎ持ち場へと散り散りになって走った。
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