第13話生みの苦しみ、書けない苦しみ
浜野は天城を連れて、会社の休憩室に来た。
「どうしたんですか浜野さん!」
「お前、今文章が書けていないんだろ?」
天城はギクリという顔をした。
「ごまかすな、ちゃんと話せばおれが相談に乗ってやるよ。」
普段の素っ気ない態度とは裏腹に面倒見のいい一面を見せた浜野、天城は胸に閉まった苦しみを明かした。
「おれはいつも、肝心な時に筆が止まってしまうんだ……。おかげで賞レースの締め切りに間に合わなかったこともあった、おれは小説家に向いてないんじゃないかって考えたこともあった。」
「なるほど……、確かに小説家にとって書けなくなるのは致命的だな…。だけどスランプを乗り越えてこそ、いい作品が書けるんだ。」
「わかっているけど……、一度もうダメだと思うと何も考えられなくて…。」
「それならダメだと思うなっ!!」
突然浜野が荒げた声で言った。天城はドキッとしてそのまま呆然となった…。
「いいか、プロでもアマでも作家は書き続けることしかできない!何度も賞レースに落ちようが、筆を止めてはいけないんだよ!」
「浜野さん……。」
「くじけそうになったら、オレがついてる!だから作品を必ず完成させるんだ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます