第3話恋人岬

池田あかねは、清水と共に静岡を目指した。

車の運転は、清水がした。名古屋から、恋人岬まで片道3時間。

途中、山道で『キノコの里』なる、のぼり旗を診て、清水は駐車場に入っていく。

そこは、しいたけを網焼きで食べる所であった。

酒類もあったが、運転があるのでお茶で、キノコの網焼きを食べた。

しばらく、滞在して恋人岬に辿り着く。

何だかわからない、鐘の下で旅行者に写真を撮ってもらった。

それから、岸壁の柵に南京錠をする。

今、言っておくが、恋人岬に行ったらホントに結婚する。

プリクラも何枚も撮った。

朝7時に出て、帰宅すると夜の20時だった。

その日の晩は、近所の『鳥ひろ』と、言う居酒屋で飲みあかねのアパートに彼氏が泊まった。

先に、清水がシャワーを浴び、続いてあかねがシャワーを浴びた。

彼氏はテレビを見ていた。

あかねは髪の毛を、ドライヤーで乾かし、顔に乳剤を塗っていた。

あかねは、職場のストレスでにきびがあった。

すると、突然、清水が押し倒しキスをした。

軽く。

そして、また、テレビを見ていた。


……何なの?この人。

あかねは、清水の行動の意図が理解でない。あかねは、経験はある。

昔の男は、舌を入れてきて、荒く扱った。

だが、清水は軽くキスをしてテレビを見ている。

しばらく、放心状態のあかねに彼氏は言った。

「ハーゲンダッツ食べようよ!」

分からない、この男。

居酒屋帰りに、コンビニに寄った彼氏はアイスコーナーにいた。

まさか、ハーゲンダッツを冷凍庫に入れていたとは。

9月の残暑残る夜に、アイスクリームは美味しかった。

そして、一つのベッドに2人で寝た。

彼の左腕に、頭を乗せてあかねは寝た。

しばらくすると、彼は抱き寄せキスを始めた。

さっきとは違い、濃厚なキス。

舌と舌が絡め合うキス。

あかねは彼氏が、相当の経験者であることを悟った。

しばらくすると、彼は眠りに付いた。

だが、あかねはモヤモヤして夜遅くに寝た。


翌朝。清水はベランダでタバコを吸っていた。

あかねが起きているのを気付いた彼は、あかねに、

「おはよう」

と、言った。

あかねも、

「おはよう」

と、言った。

あかねは思った。多分この男と結婚するだろうと。

その日は、2人とも休みなので、午前中はダラダラ過ごし、昼間、回転寿司に行った。

散々飲んで、食べて、清水は自宅に帰る事無く、あかねのアパートに戻った。

2人は酔っていた。

そして、ベッドに2人座り、キスから行為に及んだ。

隣の彼氏は裸のまま、寝てしまった。

この男性と結婚したい。ちょっと、AVの見過ぎだが、お兄さんの様な存在の清水の虜となったのだ。

気配りはするが、大胆な男性。

それが、清水なのだ。

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