第2話出会い

いつもの居酒屋で、同僚の石川と飲んでいた。

この日の仕事は珍しく4時で終り、夜勤もしている清水は定時まで仕事するのは、余りにも酷いと周囲が言い始めて、4時に作業着から着替えて、関係ない石川まで4時過ぎに会社の裏門から脱出したのだ。

正面玄関には、警備員がいる。

6時になると、かわいい女の子が現れた。

本日が初出勤らしい。聞くと23歳と言った。

石川は彼女にビールを飲まそうとしたが、自動車通勤なので飲めなかった。

昼間は会社で働いていて、出会いを求めてこの居酒屋で働くようになったと言った。

彼女は決して醜女では無かったが、出会いが無いとはかわいそうだ。

清水は26歳の時、9年間付き合った彼女と手痛い別れ方をした。

それから、2年も経過するが女の子は懲り懲りだった。

石川は、既に彼女と同棲している。

楽しく話して、当時はLINEなぞ無かった時代なので、お互いの電話番号とメールアドレスを交換して店を出た。

「清水君、相変わらず仕事はぇなぁ〜」

「仕事師ですから」

2人はフィリピンパブに向かった。


それから、女の子にメールアドレスの通りに入力してもエラーが出る。

しばらく経って、石川に尋ねると、女の子が書いた携帯のvodafoneがuodafoneに見えて間違えていた。

vodafoneは自分の携帯とは違うので、石川に相談して良かった。

早速、

【明日の5時に飲みに行きます。電車で来てね。一緒にビールを飲もう!】

と、送った。

返信はその日の夜だった。

【楽しみにしています】

と。

翌日の夕方、女の子にビールを飲ませた。

それで、話しが盛り上がり、彼女が働く日の夜は努めて居酒屋に通うようにした。

たまに、まかないを彼女が食べる時、

「隣に座っていいですか?」

と、言うので、清水の隣に彼女は座った。


それが1ヶ月間続くと、一緒に映画を観たり、食事に行ったり。

ある日、女の子が言った。

「来月、恋人岬行きませんか?」

「恋人岬?静岡の?」

「はい。車出しますから」

「分かった。来月の休みを調整してみるよ。夜勤だったら、ゴメンね」 

「気にしないで下さい。私は待ちますから」

その日の夜は、彼女のアパートに泊まった。

何も手を出していない。

これが、池田あかねとの出会いである。

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