主人が統合失調症になりました
羽弦トリス
第1話原因
清水蒼馬は名古屋のとある企業の主任であった。年齢は28歳。
入社6年も経つと責任を持つ仕事が増える。
貿易関連の仕事だったので、作業員の監督をするために、貿易船に乗り込む事も多々あった。
貿易船は24時間、何時でも名古屋港に入港し着岸する。
と、同時に荷役会社がコンテナを下ろす準備をして、我々の会社はコンテナナンバーチェックしたり、ランバー「加工木材」、積み荷の機械を囲ったベニア板に書かれたNo.を確認するのが仕事だ。
その日の入港予定は、夜中の2時。清水は昼間は他人の担当の仕事を手伝い、定時前にアガリ、自分の船の書類を作成した。
朝、6時半から夜中の2時まで会社に待機だ。
作業員は1度帰ったり、食事に出たり。
清水は、船の着岸予定時間を確認しながら、会社の弁当を食べて、再び書類に目を通した。
今夜の作業員のメンバーを見て、落胆した。
自分の課の人間が1人、後は他の課の応援だった。
応援の作業員は仕事を理解していない。
同じ課の若い衆に説明させたがさっぱり。
清水が丁寧に教えたが理解しない。
だから、書類は完璧に済ませて、大事なパルプ揚げの際は、監督の清水じきじきに船の積み荷場のホールドまで降りて、荷役会社に指示を出した。
仕事が終わったのは翌朝8時だった。
作業員はそのまま帰ったが、清水はまだ、仕事をしていた。
「清水君、お疲れ様。僕は清水君見てると気の毒だよ。夜勤ばっかりやらされるよね」
「まぁね。馬鹿上司に嫌われているから」
「明後日、いつもの呑み屋でビール飲もうか?」
「いいねぇ。石川君。オレ、帰るわ」
「気をつけてな」
清水は、夜勤には慣れていたので、夜勤明けはパチンコ屋へ寄った。
4号機時代だったので、『吉宗』で、結構勝っていた。
夜勤に寝ない。
これが後から、襲いかかるのを28歳の若者には気付かないでいた。
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