第18話 王都のダンジョン

継ぎ目のない白亜の大理石の城壁に囲まれた都市”ラサーテル”


この近くにあるダンジョンは王都のダンジョンのワンランク上のモンスターが出現し、ビギナーの冒険者たちが対象となっているダンジョンだ。


そのダンジョンでは今、不可解な事件が起こっているらしい。


通称【ラサーテル行方不明者多発事件】


――なんでも、ダンジョンに入った人々が数ヶ月も帰ってこない事件らしい


そんなダンジョンに今、俺達は入ろうとしているのだった……

―――――――――――――――

「ここが噂のダンジョンか…パッと見、普通のダンジョンに見えるけどな」


「あぁ、だけどここで事件が起こっているんだ…注意深くいこう」


ツルギが言葉を注意の言葉を発し、俺達はダンジョンに足を踏み入れた。


迷宮の中は、外の賑やかさとは打って違い閑散かんさんとしていた。


縦横5m以上ある通路は明かりもないのにぼんやり光っていて、松明などがなくてもある程度視認が可能だ。


これは迷光めいこうせきというダンジョン内で取れる鉱物が辺り一面に埋まっており、こうやって薄く光っている原理だ。


俺たちはしばらく何事もなく進んでいた。


と、その時、奥のほうから石の剣を持った骸骨が湧き出てきた。


――スケルトンナイトだ


普通のスケルトンとは違い、石の剣を持って冒険者を襲ってくるところが特徴で耐久性が少し上がる。


ビギナー冒険者の最初の壁だ。


「ヤクモは下がって、僕がる」


そう言ってツルギは俺の前に出た。


ツルギは腰に下げていた刀を抜刀術の要領で抜き放ち、一瞬で敵を葬っている。


ツルギにとってはこの程度の敵は『佩帯はいたいらい』を使うまでもないらしい…


「よし、これで終わりかな?」


気がつけば、スケルトンナイトは全滅していた。


「先に進もうか、ヤクモ」


「あぁ」


戦闘を終わらせた俺達はどんどんと先に進んでいくのだった……

―――――――――――――――

「――ん?…これは…」


進んでいく中で俺たちは行き止まりに辿たどり着いてしまった。


「どういうことだ…?何故ここで終わって………?」


「なら、この道筋に行方不明事件の手掛かりはあるということだね……」


「その可能性が高いな……」


そうして俺達はこの行き止まり近くを調べ始めた。


「――ん?これは何だ?」


調べ始めてから10分も経たない内にダンジョン内の壁が1箇所だけ不自然に長方形に凹んでいた所を発見した。


俺は不思議に思ったので、よく見てみた。


「これ――動くのか…?」


そう思い俺は凹んでいるところを奥側に押した。


すると、


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


なんと、行き止まりだった壁が半分に分かれ、横にスライドしたのだ。


「これは、隠し扉か……!」


つまり、俺と同じくこのギミックに気づいてこの先に行ったと……


ならばこの先に事件の真相があるということか。


「ヤクモ、これは……?」


奥のほうを調べていたツルギが壁がスライドする音を聞いたらしく、こちらに戻ってきた。


「隠し扉だ。この凹みを押したらギミックが発動した」


「成る程、そういうことか……」


「気を引き締めて行こう」


「分かった」


そうして隠し扉を発見した俺たちは扉の奥へと進んでいった……


♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦


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リメイク日(2024 12/16)

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