第16話 創設者

屋敷の中に入った俺はツルギの後をついていき、たくさんの人の絵がズラリと飾られてる部屋に入った。


「――これはツルギの先祖の人たちか?」


「あぁ、この屋敷を代々受け継いできた人たちだ」


周りには60、70を超えたぐらいのお爺さんの絵が飾られていた。


順にみていくとふと、目に留まった絵があった。


「どうしてこの人だけ若い頃の姿なんだ?」


一人だけ25歳くらいの歳の人がいたのだ。


「あぁ、その人はこの屋敷の創設者だよ。彼の名前は白蓮びゃくれん つるぎ、僕が使っている剣技の名前もこの人が由来なんだ。」


「へぇ、この人が…」


「彼も【多重才幹マルチプレックス】でね…分かっている彼のスキルはこの血筋のかなめでもある『身体強化』『佩帯はいたいらい』、そして彼が若い頃のままえがかれている原因の『不老』の3つだ。」


えっ…不老⁈それって老いないってことだよな。


老いることなく敵と戦うことができ、力も衰弱していかないなんて強すぎる…


「じゃあ…この人は25歳くらいの時にダンジョンに入ってスキルを得たってことか?」


この問いかけに対してツルギは「いや、」と首を横に振った。


「彼は、”日本”から転移した異世界人なんだ…」


――【異世界人】


時空の歪みなど何らかのキッカケを経て本来の生まれ育った世界とは違う次元の世界に来てしまった人のこと。


彼らはこちらの世界に来た時に特殊なスキルを獲得する場合がある。


現時点では彼らは元の世界に帰還することは不可能とされている…


「異世界人…かぁ」


”日本”からの異世界人は稀にいるという新聞は見ていたので、彼の名前にも納得した。

”日本”からの異世界人は約1000年前に来たことが始まりだと新聞には記載されていた気がする。

なんでも、この世界の文明を進化させてきたのは日本人が大きく関与しているらしい。


…そういえば、この白蓮さんは『不老』を持ってるんだよな……


「じゃあ、この人はまだ生きているということか?」


「あぁ、生きている可能性が高い。彼は『身体強化』を極めていたらしくてね…当時は”異界の剣鬼”と呼ばれていたらしいんだ…」


異界の剣鬼――想像してみたけど絶対強い。しかも若いころの肉体のままだろ?控えめに言って……化け物じゃね?


「ちなみに彼のスキルは現状分かっているものだけだからまだ持っている可能性はある…だが、この屋敷を次の代に任せてからは彼を見たという人はまだ現れていないんだ。一度会ってみたいという気持ちもあるんだがな…」


そう言ったツルギは白蓮さんの写し絵をまじまじと見ていた……



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