第14話 VSツルギ 決勝戦②

俺はふところからもう1本の短剣を取り出した。


「『磁力ネオジム』ッ」


俺は短剣にS極とN極の両方を付与し短剣を強力な磁石にした。


すると、ツルギの刀身に帯びていた電気が短剣に素早く移動してきた。


よし、上手くいった…!!


磁石はする、という性質を上手く使いツルギの雷を俺の短剣にまとわせたのだ。


俺はすぐにそれをわきに投げ捨てた。


理由はシンプル、伝導した電気が短剣を通じて俺が感電をしてしまうからだ。


「馬鹿、な……っ!?」


刀にびた電気を取られたツルギは予想外の出来事に袈裟斬りのスピードを緩めてしまった。


俺はそれを見逃さなかった。


「『磁力ネオジム』」


俺は俺の片手剣とツルギの刀身を引き合いの関係にし、敵の脇腹から肩にかけて、右下から左上へ逆袈裟けさ斬りを放った。


――キィィィン


「——くっ!!」


俺の攻撃でツルギの刀は彼の手から離れた。


ツルギは刀を失い、どうががら空きになった。


「——終わりだ」


隙だらけの彼の体に、俺は左から右へ、ツルギの肩から脇腹に向かって斜めに左袈裟けさ斬りをびせた。


「が、は……っ」


彼は膝を付き、ゆっくりと前のめりになって倒れた。


シーンと会場が静まり返った。


「しょ、勝者っ! ヤクモ選手ッ!」


実況者が結果を告げた。


それと同時に会場がドッと沸き上がる。


「すっ、凄かったぞぉぉぉ!!」


「おめでとう!」


「良い戦いを見せてくれてありがとう!!」


「かっこよかったぞ!!」


「剣豪もよくやった!!」


「ツルギ様ぁぁ!!顔をお上げになってぇぇぇ」


もの凄い量の声がコロシアム内に響き渡る。


一方、意識を失ったツルギは医療班の人に担架で運ばれていった。


こうして見事剣武祭で優勝した俺は、賞金として200万ゼルマもの大金と観客の称賛の声を手に入れたのだった…


———————————————

3日後。


いつものように俺はダンジョンでモンスターと戦い実践経験を積んでいると、後ろのほうから声が聞こえた。


「――探したよ、ヤクモ君」


「…………えっ、ツルギさん!?」


なぜか決勝戦で戦った彼が俺の後ろにいた。


「探したっていうのは…?」


「あぁ、実は…君に1つ頼みがあってね……」


頼み? 何だろう…慰謝料払え、とかかな………


「実は――僕と友好関係を結んでくれないか……っ!」


ん?


聞き間違いだろうか……今友好関係って……


つまり友達になってくれないかっていうこと?


「別に大丈夫ですけど…何故なぜに?」


するとツルギはどこかモゾモゾとした感じで口を開いた。


「僕、じつを言うと友と呼べる人が1人もいないんだ…」


「――そういうと俺だっていませんよ」


「……そうなのか?」


ツルギは少し驚いた様子でこちらを見た。


「はい。でも似た者同士って感じでなんかいいですね。」


するとツルギはぼそっと言った。


「――似たもの…同志か……」


こんなぼそぼそと話すなんて、戦いの時とは違った一面だ。


「じゃあ両者初友はつともということで…」


「あぁ、よろしく頼む」


そうして俺とツルギは友好の証として握手を交わしたのだった……


♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦


ここまで読んでくださり、ありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけた方は☆やブックマーク、


応援を入れていただけると励みになりますので、よろしくお願いいたします!


■2人が友達になるこのシーンは無理矢理感が強いので、何か案があったら応援欄に書いてほしいです……


■ちなみに二人は同い年。23歳です(*´・ω・`)b


リメイク日(2024 12/9)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る