『滅亡』が今熱いトレンド

ジュンアイ公爵令嬢が行方不明になりもうどうしようも無くなった王はジュンアイ公爵令嬢が行方不明になったことをラブコール公爵家に全てを正直に伝えた。

 

 これにラブコール公爵家は大激怒。今後の支援を打ち切るどころかトレンド王国から出て行った。

 

 もちろん婚約破棄物をたくさん読んでいるものは察すると思うが、サル王子とジュンアイ公爵令嬢の婚約は国が潰れない様にする為の婚約だった。

 

 ラブコール公爵家はトレンド王国の経済、産業、戦力、教育、医療を支えている。ぶっちゃけ言って無能な王家よりも国にめちゃくちゃ貢献している。その令嬢であるジュンアイ公爵令嬢も例外ではない。

 

 そしてそんな素晴らしいラブコール公爵家を他の国が欲しがらない訳がない。

 

 更にはラブコール公爵家を手に入れようと戦争をふっかけて来る国もいるのだ。

 

 トレンド王国はその戦争などから必死にラブコール公爵家を守っていた。しかしそれももう終わり。

 

 ラブコール公爵家が出て行った事で潰す価値すら無くなったトレンド王国は他国に何もされなかったがラブコール公爵家に依存していたので何も出来なくなり衰退していった。

 

 それでも王は部下たちの力を借りながら馬鹿は馬鹿なりに足掻いた。

 

 ちなみにサル王子の浮気相手であるネコ男爵令嬢の実家はトレンド王国から逃げようとしたが、トレンド王国から出ていく前のラブコール公爵家の手によって潰された。

 

 そしてそのまま何も出来ずに衰退した結果、トレンド王国は最後に今熱いトレンドだった『滅亡』をその身に受け滅んだのだった。

 

『滅亡』。これすらも人気作品のタイトルである。

 

 自分が住んでいる国のことすらよく知らないとある無能な王子が国を支えている一族の娘である婚約者を婚約破棄した上に冤罪をかけ処刑したら、不作やら戦力低下やら優秀な人材の流出やら何やかんや色々悪い事があって最終的に国が滅んだ話である。

 

 そして今、トレンド王国は『滅亡』のお話しに出て来る国と同じ末路を辿ったがどの様に滅んだのかはまだ分かっていなかった。その理由は他の国を受け入れない様に国の出入り口を固く閉じて誰も中にも外にも行けなくなるように鎖国していたからだ。

 

 その後トレンド王国が滅んだ事を確認した他の国達が同盟を組み元トレンド王国調査団を結成して調査した。

 

 その調査の結果、

 ①王とその部下達は城の食堂で毒杯を仰ぎ死んでいた。死んだ王の手には謎の女性の絵が握られていた。

 ②使用人たちは廊下や食堂以外の部屋などで武器を手に持ち死んでいた。おそらく精神的に壊れて殺し合いでもしていたのだろう。

 ③牢屋には男女の死体があった。おそらくサル王子とネコ男爵令嬢だろう。死ぬ直前まで喧嘩でもしていたのか殴り合った形跡が残っていた。

 ④トレンド王国のラブコール公爵家とネコ男爵家以外の貴族は一族全員磔にされていた。その体には様々な傷があった。貴族が住む屋敷の門が外から破壊された跡があった為おそらく領民たちの仕業だろうと結論づけた。

 ⑤平民たちとスラムの住民達と冒険者達は殆どが死んでいた。生き残りは全員が食人鬼になり死んだ人間に齧り付いていた。

 結論:ここは地獄だ。気が狂いそうだ。一度更地にして浄化した方が良いだろう。


 その事実を知った他の国はすぐさまトレンド王国を焦土に変え全聖職者の手により浄化された。

 

 そして流行を求めるトレンド王国は地図から消されたのだった。

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