第21話 推理しろってか…?
『つまり……これらの代に答えがあるから、読み解けってこと?』
『まぁ、そうなるかな?』
ニコニコして、ふわふわと浮いているマーレ神。さっきのような愛おしさは消え、いつものよく分からない表情だ。
なんか俺、試されること多くない??
疲れるなーと思いながらも、過去のことをもう一度思い返す。
最初は戦地で、仲間に殺された。
まぁ親友がいい人だったし、今現在、国は小さくなったけど、生き残った者もいたよね。
2人目は…奥さんが聖女って知らなくて、結婚して。
何故か魔王はそれを知ってて、魔族に殺された。
今も思えば、多分、あの狼が魔王の何かだったんだと思うけど…真相はわからない。
魔王と直接関わりがあったのは、そのあたりからだったのかな?
だってその前の代って皆、魔王と会ったら殺し合いみたいな感じだったし。
最後は皇女の最後。
これは……俺でも酷いと思ったが。
国民が知ったらきっとどうにかなってしまうだろうから、知らせない方がいいと思う。
3番目は俺の体について。これは確実に答えがわかった。
だが…あとの2人は…。
『………わからん。』
『まぁ、そうだろうね。ヒントいる?』
『え、もらえるの?』
『ちょっとならね。』
ください。秒で頭を下げる。
『うーん、2人とも聖女が関係あるってことかなー。』
『………聖女…?』
あれ……?
…最初の人、聖女に殺されてたよね…?
次の人は…聖女の妻が死んだ後に魔族に殺された。
加護って…殺されたりされることには効かない…?
いや、もしかして……?
『聖女は、賢者を殺せる。もう一つは…聖女が死んだらマーレ神の加護はなくなる…?』
『………7割正解。』
『……??聖女が死んだらマーレ神の加護が消える意味がわからん…。』
『そもそも私は戦の神だからねー。』
『……だからか…?魔族に特に魔王に対抗する術が聖女の聖の光だから、それが無くなった時点で、人間に…賢者に勝ち目がなくなる。』
『そう、賢者が絶対に魔王には勝てないことが確定するから、私は消えるんだ。』
『それじゃあ…俺が魔王側について、聖女を殺したら加護が継続するってことだな…?』
『そうだよ。』
勝つなら、加護が継続する。
そういうことらしい。
問題は聖女は俺を殺せてしまうと言うこと。
あれ…?まだモヤッとする…。
『もしかして、聖女は勇者や魔導士も殺せるのか……?』
『……聖女は本当に厄介だねー。』
まじか……。
何故かは教えてくれなかった。
まぁ、直接教えてくれないのは決まりらしいから仕方ないか。
『おっと。そろそろ目を覚まさないと皆が心配するよ?私の賢者。』
『……これで俺は成長したと言えるのか?』
『そうだね、ここに来るだけで君は神の力を浴びてることになるから、少なくとも君の自主トレ1ヶ月分よりは強くなってるよ。』
『……そりゃどうも…』
なんか頑張りが低評価されたような……。
靄がかかり、神の姿がぼやける。
夢から覚めるようだ。
『またな。』
とりあえず、魔王様には色々きかせてもらわないとな……。
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