第11話 1か月経ちました。☆


「……遅い。」


「すみません……」


今回2回目の報告のため、魔王城の執務室にに参りましたがご立腹です。

今日は抜け出すのが難しくてですね…夜になっちゃったんですよ。

だって午後に外出を…って準備してたら、メアリーの両親が来てくれて、めっちゃ頭下げてくれた。


それを俺が無下に出来るはずも無く、お互いに涙目になりながら、俺の親も同伴で何故かしっぽり酒飲みに移行したのだ。


おじさん、歩けるけどまだ仕事再開は難しくて、家中で出来ることやってるらしい。そんなおじさんを見てキラキラしてるおばさんも元気そうで、俺は幸せだった。


早めに切り上げたのだが、それでも闇は深くなろうとしていた。



「……それで遅れた、と。」


「……言い訳を聞いて下さる方で良かったです。」


「……とりあえず報告せよ。ユーリの掴んだ情報とこちらの情報を擦り合わせる。」



むっとした顔をしながらも、俺の話を促してくれるあたり、良い上司だと思うが、まずは報告が先だ。


魔王の従者がスッと報告をまとめた紙を出す。

農村には紙が高価なため、全てここから支給されたものだ。



「王都の奴らはあと11ヶ月後に魔王討伐を掲げています。計画を立てている所のようで、子細はまだわかりませんでした。参加規模は自国騎士団1隊と他国騎士団複数。更に冒険者に有志を集うことは確定しており、秘密裏に上位ランクの冒険者は国内に呼び寄せています。」



「ふむ、時期がハッキリ分かったのは有り難いな。対策が立てやすい。…他は何かあるか?」



つまり参加者等は、魔王も何かしらの手段で知っていたと言うことか。



「個人的な違和感というか、気がかりはありますが…」


「なんだ…?」


「その…勇者君があまりに不憫でして……」


「あぁ…確かにな…」



確かに、勇者が活躍すれば、聖属性の攻撃パターンが多い相手となるため、魔王様も少しは苦戦するかもしれない。


国としても、《勇者》《聖女》《魔導師》を出したとして自国の名に箔をつけて拡げられるし、一石二鳥だ。




考えを巡らせていると、魔王はふっと笑い、自らの胸を指さす。



「まぁ無能が幾ら策を練っても、ここまで剣先も届かないだろうがな。」



「……っ!」


かっこいい…!

いや、言わないけど。その自信なんだ?!

出来る男は違うぜ!



「他はあるか?」



「……いえ、今はありません。また追って報告ぅ…っ?!」



「そろそろ二人だけの時間にしよう。」



いきなり魔王様が目の前に迫る。

手を取り、左の薬指にキスを落とす。



「番になって終わり、なわけないよな?…ユーリ?」



「……うっ!」


一気に顔が赤くなるのがわかる。

いつの間にか従者は居なくなり、部屋には二人きりになってしまっている。



「きっ…今日は遅いので……!」


「……明日の朝には送る。」


「ちょ…っ、うぅ…んーっ!」



軽いキスの後に深いキス。

長い舌で口腔内を蹂躙される。



呼吸を乱され、気づくとソファに寝かされてボタンを外しにかかられていた。


素早すぎる…!


「…可愛いな。ここも……」


首から胸の突起まで舐められ、舌でコロコロ転がされる。

吸い付かれると、思わず声が上がってしまう。



「…ぁっ!!……は…んんっ…!!」



「…反応が良くなってきたな。」



「い…言わないで…くれ…っ!」


下腹部に熱が集まって中心の盛り上がりを撫でられる。


ズボンと下着を取られ、破れ目に指を添えられる。



「少し冷たいぞ…?」


何かゼリー状のものを破れ目に塗られ、指が侵入してくる。


「な…なに……?ヌルヌルして、……あっ!」


「こういう魔法もあるんだ。賢者なら知ってると思ってたがな…?」



「あぁ…っ!…そ…こっ!!……いっ意地悪だ…!!」



中で2本の指を動かし、時折気持ち良い所を掠める。

魔王はそんな俺を少し笑いながら見つめる。



「…私も余裕がないからな。」



耳もとで入れるぞ、と言われ、指を抜かれ関わりに己の昂ぶりを挿入される。



「あっ…うぁ……、大き…い!!」


「…っ!煽るなバカが。」



奥に奥に入ってくるものを感じながら、快楽も追う。


魔王様も少しは余裕無くなってきたかな…?



「……ラス…様…、イく…っあっ!」



「……っ!ユーリ……!」



ぐっと抱きしめられ、奥に注ぎ込まれる。


受け止め、この至福を味わうために目を閉じようとすると、また中で律動が始まる…あれ……?



「…ユーリ、俺はまだ怒ってるからな……?」



遅刻したこと。



挿入したまま体制を変え、更に攻められる。


「や…っ!うそ……っ!!」



「……っ約束は守る。」




本当に明日の朝帰れるのか……??

不安だが、魔王様だから守ってくれる…はず。



次の日、声が擦れていたのは酒のせい。

…と言うことになった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る