第8話
今日は身体測定と体力測定の日だ。正直行きたくない。でも昨日じゃなくて良かったと心の底から思う。
昨日は朝起きてすぐ、酷い頭痛がしてしばらく治まらなかった。エヴァちゃん曰く、お土産にと持ってきてくれたチョコレートにはアルコールが入っていたらしい。エヴァちゃんは1つしか食べておらず変わった味だなとは思ったけど、まさかアルコールが入っているとは思わなかったそう。ウチがぐでんぐでんになるまで気づかなかったらしい。
ウチが起きる前に用務員さんに渡してきたとのことで、すごく謝られた。わざとじゃないのは分かってるし、はっきりとは言われてないけど多分こっちも迷惑かけてるからこの話はそれで終わり。
とはいえ、二日酔いで欠席するなんてことは出来ないと気合いで学校に向かった。
夜は少し早めに寝て、しっかりと睡眠をとったので今日の体調は万全だ。昨日だったら本当に危なかったよ。
「身長、少しは伸びたかいな」
「う。わたくしは体重の方が気になりますわ」
いつもより随分食べる量が少ないと思ったらそういうことか。ウチはお菓子が大好きだけど、食べるのをやめる気はさらさら無いから体重は気にしないことにしてる。好きなものを好きな時に好きなだけ食べるのが1番よ。
「てゆーかさぁ……」
机に乗ったお胸のブラウスのボタンが弾け飛ぶんじゃないかと心配になる。多分エヴァちゃんの場合体重が増えたっていうか……。
「なんですか?」
「もし増えとってもエヴァちゃんの場合は気にせんでいいと思うよ」
だってきっとそれお胸がおっきいせいだと思う。お腹や顔に無駄な肉がつくのとは違うし。
「女の子として気にしないっていうのもどうかと……」
「やーそうじゃなくて」
……どのくらいあるんだろ。
「何カップ?」
「確かめてみます?」
ニコニコ笑顔で手をとられるけど、流石にお友達にそんなことしません。
「いや、触っても分からんし」
で、何で残念そうなのか。
「遠慮しなくてもいいのですよ? あんなことやこんなことだってした仲ですし」
途端に出会ってからのエヴァちゃんとのスキンシップの数々が頭をよぎって顔が熱くなる。その、なんというか段々頭がふわふわしてくるからできるのであって。こんな普通にご飯を食べてる最中に言われると意識しちゃうからダメ!
「遠慮とかしてないしっ」
「嫌でした? わたくしは恋葉ちゃんだったら何されても構いませんわ! 一昨日の夜だって……」
「それはやめて聞きたくない!」
せっかく覚えてないんだから聞かないでおきたい。知るのが怖すぎる。
「まあ確かに嫌じゃないよ? ……もしそうだったらあんなこともこんなこともしないし。エヴァちゃん、何かえっちぃ」
「んまあ恋葉ちゃん! 今のもう一度! もう一度お願いしますわっ!」
何故かスマホを構えてる。怖い。そういえば昨日も酔ったウチが可愛くて動画を撮りたかったって言ってたし……録音とかするつもり? まさか、ね。
「絶対言わん! うぅ、毎日キスするのもめちゃくちゃ恥ずかしいのに……」
一体何をやらかしたんだろう。いや、もう考えるのやめる。気にしたら負けだ。絶対聞いてしまったらもっと恥ずかしくなるんだから。
「うーん……お姉様は毎日楽しそうなのは勿論、すごく激しそうだったのですが……」
絶対にツッコミません。
「ほら、早く行かな遅刻するばい!」
実際は食堂が混む前に朝ごはん済まそうって話して、しっかり早起きした分時間には余裕がある。
でももういろんな意味でこれ以上ドキドキするのは勘弁。まったり食べてるからそんなところに話が飛んでっちゃうんだ。
切り替えて、部屋に戻ったらまた今日のお話とかお友達の話をしよう。
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