第12話 討伐?そして結婚
俺たちは黒赤龍が隠れている神雷へと歩いていた。
「なぁ白?俺たち結婚してからもクエスト受けるのか?」
「え、冒険者辞めるの?」
「いや、俺は辞めないけど白には冒険者辞めて欲しいって思ってる。」
「なんで?私達一生一緒にいるって言ったじゃん。なんでそんな事言うの?」
「まぁそんな怒んなって、俺だって白と冒険出来ないのは嫌だけど白にもしもの事が合ったらと考えると、、、俺が絶対守るけどいつ何があるか分からないし。」
「そう、でも私は大丈夫よ。例え別れの時だって一緒にいたいもん。」
「OKわかった。でも無茶するなよ?俺が守れると言っても絶対とは限らないからな」
「わかってるって。ほんと雅は心配性だなぁ」
そんな風に話していると問題の森が見えてきた。
「あれが神雷って山?」
「うん、そうだよ。」
「なんか雷めっちゃ落ちてない?」
「それは名前の通り神が落とし続けてる雷の山だからね。」
「え、そうなの?」
「なんだと思ってたのよ。」
「森の磁場がおかしくて方角が分からなくなる山だと思ってた。」
「そんな訳ないでしょ。さっきギルド出る時にナナさん言ってたじゃん聞いてなかったの?」
「そんな事言ってたっけ?」
「うん、言ってた。多分雅今回討伐する黒赤龍の事考えてたでしょ。」
「まぁ、それも考えてたけど後は新技の事考えてた。」
「新技?」
「後で見せてあげるよ。多分今までの技だとあんまり効果無さそうだし。」
「え、死拳で倒すんじゃないの?」
「多分硬すぎて貫けない。最初に戦った地龍の時は威力足りなかったし。そして黒赤龍はあの地龍より硬いと思うから、新技を作った。」
「へぇ、めっちゃ考えてる 」
「白、だんだんキャラ変わってきてるね」
「そんな事ないわよ」
するといきなり、森の中からウルフが飛び出してきた。
「白、危ないっ」
「ファイアーアロー」
ウルフは白の魔法によって倒された。
「いつの間に魔法短縮できるようになったんだ?」
「雅がリンちゃんとクエスト行ってる時に練習してた。」リンとのクエストをやけに強調していた。(なんかしたかなぁ)
「へ、へぇそうなんだ。すごいじゃん」
「えへへ、そうでしょ。」
「うん十分すごいと思うよ。」
「雅は最初から無詠唱だからなぁあんまり苦労わかってない気するなぁ」
「そんな事ないって、、、、」
「雅どうしたの?」
「ちょっと静かに」
「何?どうしたの?」
「あそこの洞窟見てみて。」
雅が指さす方を見るとそこには龍の鱗が落ちていた。
「あれって、」
「あぁ多分あの洞窟の中に黒赤龍がいる。」
「仕掛ける?」
「あぁこっちが先手を貰う。」
「わかったわ」
「白後方から魔法支援攻撃任せた。」
「えぇわかってるわ。」
「じゃ行くぞ。」
足を踏み出した途端いきなり龍が目覚めた。
「な、なんで起きるんだよ。さっきまで寝てただろうがっ」
「雅、殺気消した?」
「あ、」
「雅、しっかりしてよね。私はだいぶ慣れたけど雅の殺気気を失うレベルよ。」
「え、まじで?」
「えぇ多分普通の人がその殺気向けられたら気絶するレベルなのにそれを野生の勘で生きている龍なんかに向けたらいくら寝てても起きるわよ。」
「今後殺気を無闇に放つのやめよう。」
「分かったらよし。それで?どうするの?龍起きたけど。」
「畳み掛けるしかない。俺がヘイト取りに行くから白は後方から魔法支援攻撃よろしく。」
「わかったわ。」
「それじゃ行こう。サクッと終わらせて結婚式間に合わせるぞー」
「おー」
(ギャアアアアアアア)龍が雄叫びを挙げた。
「空ー拳ー」雅の空拳が黒赤龍に当たった、当たったのだがあまりダメージは無いようでお返しでブレスを喰らいそうになった。
「ファイアーアロー」白の魔法もいくら中級魔法と言っても効果はないらしい。
「白、相手は龍だ。火属性魔法はほぼ効かないと思ってくれ。」
「それじゃどうするの?」
「水魔法とか」
「わかったわ、一応超級魔法で足止めしとくわ。その間に詠唱するから時間稼いで、」
「わかった。」
「ここは我が聖域なりてかの悪しきものに制裁を ゲージファイアーアロー」
黒赤龍を炎を纏った檻が包みその中で上から炎の矢が落ちてくる技だ。いつ見てもすげぇ魔法
「足止めお願い、」
「おう。」
「死拳ー」雅の使う最強の技の一つだ。
「雅、離れて。」
「わかった。死拳の反動を使って後方へ飛び」
「雷よ我敵を逆鱗の如く貫け サンダーランス」
黒赤龍の体を雷の槍が貫くかと思いきや硬い鱗で弾かれてしまう。
「まだ硬いなぁ」
「まだまだぁこっからだ」
(ギャアアアアアアア)と言う雄叫びと共に火炎ブレスが飛んでくる。そのブレスを軽く避けると
「今日まで修行して習得した新技使ってさっさと終わらせるか」
「新技?」
「あぁ」
「わかった。時間稼ぎいる?」
「いや、大丈夫だ。」
「わかったわ。」
「シャイニングエンペラー 」
光魔法の超級魔法の一つで光と共に相手を威圧そして使い手の魔力値10倍
「そして神奥義回し打ち」
龍の首元を蹴り、身体を回転させその勢いで黒赤龍の顎を砕く。
(ギャアアアアアアア)さっきとは違い、ダメージを食らって苦しんでいるようだ。
「雅、一旦下がって、」
「おう、」
雅が下がると白が魔法の詠唱を始めていた。
「風氷よ我敵を閉じ込め永遠の眠りを サイクロンアイスロック」
黒赤龍は瞬く間に風の城壁に阻まれ身動き取れないところを氷漬けにされた。
「やった、始めてやったけどできた。」
「いやまだだ。」
(パキ、パキバリ)少しづつ氷が割れている。
「白、ゲージファイアーアロー行けるか?」
「無理、もう魔力が尽きる。」
「わかった。俺が倒す、」
「それなら支援する。」
「魔力ないんじゃなかったの?」
「超級打てるほどの魔力が無いだけ、支援魔法なら何とかなると思う。」
「わかった。無理すんなよ。」
「わかってるわ」
「ここは我神域なりてかの者に力をヒーリングエンジェル」
「うおぉ、喰らえ黒赤龍。三日月蹴り改」
雅の蹴りが黒赤龍の身体を上空へ吹き飛ばしトドメを刺す、その瞬間。龍が突然人へと姿を変えた。
雅は咄嗟にその龍だった人?を抱えた。
「雅ー勝ったの?何、その子」
「いや、さっきまで龍だった。上空で人の姿になった。変身が解けたのか?」
「龍が人に変身するなんて聞いたことないわよ」
「そうだよな。でもレッドアイの龍だし混合龍なら有り得るのかな」
「分からないわ。前現れた時は散々暴れ回って討伐されずに消えたそうだから。」
「もし、この子が龍の変身だとしたら討伐した方がいいのかな」
「雅?それはあんまりなんじゃないかと思うわ。」
「じゃどうするんだよ。」
「私達が育てる。」
「は?無理だろ。どう考えても」
「なんで?私達なら何とかなるわよ。」
「例え何とかなったとしてもギルドになんて報告するんだよ。」
「目的の龍はこの女の子になりましたって説明する。」
「いや、多分それは無理だと思うけどなぁ」
「やってみないと分からないじゃない。」
「わかった。それよりここから離れよう。雷が落ちて来そうで怖い。」
黒赤龍がいた所は雷が落ちず晴れていた。山全体に雷が落ちている訳では無いようだ。
「そうね。思ったより時間かかっちゃったから結婚式ギリギリじゃない?」
「どの道ギルドには行かなきゃ行けないから急ぐぞ。その龍の子?は俺が抱えて走るよ。」
「いいよ。私が抱えて走るから。」
「無理するなって言ったよね?魔力もギリギリなんだろ?無理すんなって俺が抱えて走るから白は無理しなくていいよ。」
「わかった。」
「それじゃ戻ろう。」
「えぇ」
2人は神雷を下山すると急いで村へと帰った。
ギルドに着く頃には結婚式の10分前だった。
ギルドへの説明は俺がして、その間に白が着替える。
ギルドで今回の討伐の説明を終わらせると丁度白が着物を着て出てきた。
「どうかな?似合ってる?」
「・・・・」
「何か言ってよ。恥ずかしいから」
「あぁ、ごめんとても似合ってるよ。」
「ありがとう。」
「2人とも照れてる場合じゃないよ。早く雅は支度してきな。後2分しか無いよ。」
「俺はこのままでいいです。」
「それでいいんだね?行くよ。」
「「はい。」」
「白ー結婚おめでとうー」「雅ー結婚おめでとう」「白ちゃんの事絶対幸せにしろよー」
「白、雅の事今後もよろしくお願いします。」
「いや、誰目線だよ」
「お前の親?」「違うな」
「早く壇上に上がりな。」
「はい。」
「静粛に、今から新郎雅 新婦白の結婚式を執り行う。」
「雅、あなたは、幸せな時も苦しい時も白を愛すると誓いますか?」
「はい、誓います。」
「白、あなたは幸せな時も苦しい時も雅を愛すると誓いますか?」
「はい、誓います。」
「誓いのキスを」
この世界に指輪などの文化は無いようで結婚式では新郎新婦の誓いと誓いのキスのみだ。
キスをした瞬間ギルド内が黄色い歓声を挙げた。
「今日は俺と白のために来てくれてありがとう。今日のこの日を迎えられる事を俺は楽しみにしていた。今日は俺が奢る、じゃんじゃん飲んで食べてくれ。」
「おぉっー」
「その前にここで一つ話がある。」
「何かあったっけ?」と隣の雅を見ると
「今日から俺と白の子どもになる楼花だ。みんなよろしく。」
「えぇーー」
「お前いつの間に子どもなんて作ったんだよ?」
「その説明をするから落ち着けって。」
「雅どういう事?この子はギルドで預かって貰うんじゃなかったの?」
「その説明もするから」
「わかった。」
「みんな、聞いてくれ。今日から俺達の子どもになった楼花は元々レッドアイの龍だ。俺達が昨日から討伐に向かい倒した龍なのだが人の姿に変身したためギルドに預けるべく来たのだがこいつ、「私を倒した相手じゃないと従わない」って言うから俺達の子どもにした。もちろん危険はあるが全て俺が責任とるだから、どうかこいつを認めてくれないか?お願いします。」
「雅、」
「誰も反対なんてしてないよ。ただ、いきなり俺達の子どもとか言うから驚かれてるだけで楼花ちゃんに対してはなんとも思ってないよ?そうでしょ?みんな」
「あぁ、いきなりの事でびっくりしたが雅の事だからまぁいいか、って思ってた。」
「みんな、ありがとう。」
「気にすんなって。それより料理と酒はまだか?」
「そう急ぐなって。みんな今日は集まってくれてありがとう。今後も俺達と楼花をよろしく頼む。」
「おう。」
「それじゃ乾杯」
「「乾杯」」
今回のストーリーはいかがだったでしょうか?
感想お待ちしております。
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