第42話 今後の予定と暇な神狼

『と…とりあえず私やフェイルのことはこれくらいにしてさ。なっちゃんの方はどうなの?』

『私?』

『ほら久々に会ってフィニーに思うこととかないのかなって?』


ルルーに言われフィニーの方を見ると魔物の解体をしていました。


『んー、ちょっと私に対して過保護すぎるかもしれないですね。』

『…想像できるなぁ。』


私の言うことはほとんど聞いてくれるのはありがたいのですが、いつも断らないので無理してないか心配になるのですよね。

そんな感じで考えているとルルーが伸びの声を出した後にしゃべり始めました。


『ん〜、でも会ったらなんか結婚しそうだなと思ったけど違うのかー。』


私はその言葉を聞いて首をひねりました。


『えっと、フィニーとは婚約は結びましたけどそっち側には話が行ってないのですか?』

『そうかー婚約…、え?婚約?』


あれ?私は公にするつもりで婚約の件は話したのですが…今度ギルドに聞きに行ってみましょうか。それにしてもフィニーが暇そうにしてますね。

もう少し待ってくださいね。


少し間を置くとルルーは返答しました。


『うん、まだその情報きてないみたいだね。』

『…どこかで情報が止められてそうですね。』


おそらく混乱を防ぐために王都の上層部が止めそうですね。

そう言えば獣人が黙ってないと言ってましたからそこのあたり慎重なのでしょうか。一度王都に向かった方が良いのかもしれません。


『王都の聖女と会わないといけなさそうですね。』

『聖女マリンセルに?それなら多分明日から北部に行くんじゃないかな?』

『え?』

『うんとね、今のマリンちゃんはなっちゃんや私の話になると止まらない感じだったから…。なっちゃんの今の種族教えちゃった♪』


…るーちゃんこういうこところあるのですよね。


『その口ぶりからして聖女にお会いしたのですね。』

『うん、3週間前に鐘の件のお礼をしにきてくれてさ。』


ニービスには再開してますよね?それで婚約の件を知らないと言うことはどこかで止められてますね。

もしくは聖女様が来た時に正式な義をすると言うことでしょうか…。


『これはまた胃が痛くなりそうですね…。』

『そうかなー。お姉様と言われると慕われると嬉しくないかな?』

『るーちゃん、私色々な方に母親認定くらってるのですよ。』

『母親…。ぶふ!あはははは、もう母親?なっちゃんが?』


『そこ笑うところですか?』と頬を膨らませているとフィニーが暇すぎたのか膨らんだ頬をつっついてきました。

その後、ルルー笑い終え一息つきました。


『はー、そりゃあれだけやっちゃうとそれもそうだよね。それで誰から母親認定されてるの?』

『えっとね。まずは…』


メルゥから始め聖獣に妖精と出会ったところから真相知るまでを私は話しました。ルルーはそれらを楽しそうに聞き終わるとしゃべり始めました。


『あはは、この調子だとまだ増えそうだね。』

『もうお腹いっぱいなんですけどね…。』


孤児院の件のことを思うと仕方ないですよね。

そんなことを思いながら今後についてルルーと話し合いました。


『そうだなー。好き勝手やっていいと思うけど遊具の件と神の愛し子の件があるから早めに合流したほうがいいよね。私から北部に行こうか。』

『そうしてもらえると助かります。私が動くとフィニーが付いてくるから南部に行くと騒ぎになりそうなのですよね。』


念話しながらフィニーの方に視線を送ると、現在はフィニーは眠たそうにあくびをしながら遠くを見ていました。


『うん、フィニーが退屈そうにしてるのでそろそろ念話を閉めましょうか。』

『わかった。会えるのを楽しみにしてるね。』


ルルーはそう言い残すと私の中から何かが外れる感覚がありました。

(多分あの感覚が念話の線なのでしょうね。)

そう考えながら私は暇をしている神狼に声をかけました。

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