第二章 新しい生活

第38話 新しい試みと面白い変化

転生してサーマ村に来てから一ヶ月様々な変化がありました。

格闘家、錬金術士、呪術士の3つの補助職業を選択したあと錬金を始めたのですが、ここでも神の愛し子の効力が発揮され各場所で大騒ぎ。

ポーションを作ったはずなのですが切り落とされた腕が再生するポーションだったみたいでギルドマスターのバングから『やりすぎだ』と説教されました。それが世に出回ったら完全回復薬いらないですからね。

その後ポーションの品質を落として提出しているので初期型ポーションみたいな問題は起こらなくなりましたが、初期型ポーションはギルドの切り札に使うため個数制限して作っていたりします。

そして同時進行で遊具も考え始め、チェスを作ったところギルド内から大絶賛。

今では王都まで広まり、提供資金のおかげでお金に困ることがなくなったので売上の半額は孤児院に寄付することにしました。


余談ですがチェスをするごとに戦術士の経験値稼ぎになることが判明し、戦術士専門ギルドではチェス訓練なるものが誕生したとか。

何がきっかけになるかわからないものですね。


次に私の戦闘に関してですがフィニーに稽古をつけてもらい動きはだいぶ全盛期に戻ってきた感じです。

ただ筋力や魔素の差はどうしようもなく技術だけで埋めれるのも限界に近いかなと感じていましたが、今更強くなってもというのが正直な感想です。

でも連れ去られる可能性もあるので力をつけることには越したことないですね。


最後に占星術『大アルカナ』については正直これが一番ネックでした。

該当するタロットを選んでナンバーを叫んだ後、使用は『準備セット』・召喚は『解放リリース』・装備は『付与チェイン』・解除は『消去ロスト』と詠唱すると効果が発動されるのですが。

タロットNo.0『愚者』解放の扱いが難しすぎてこれだけは運任せでした。

さすが道化師の意味を持つだけあり、解放すると戦闘中に昼寝をし始めたり、身内にいたずらをして怒らせたり、戦うと思いきや逃走して別の敵を連れてきたりとデメリットが目立つ場面もありましたが本気を出したらものの数秒で戦闘が終わってたりと自由なカードでした。

愚者を装備した場合は頭の回転早くなるので使い勝手は良いのですけどね。

ちなみにシャッフルしてタロットを上から引き詠唱すると効果が増大するみたいなのですが…愚者を引いて解放した時が一番怖かったです。

(絶好調で何やらかすかわからなかったため。)

あとはNo.10『運命の輪』に関しては私の切り札となりました。


◇◇◇


私が転生してから一月後この日もギルドに石版を置き、いつも通り呪文を発動したのですが面白い変化がありました。


「あら、見た目が変化してますね。」


占い師の箱庭が変化しており屋敷が少し豪華になってその上に太陽や雲、月がプカプカ浮いていました。そして小人達はというと服装が変化していて服の模様が星空になり、時折静かに落ちる流れ星が見え隠れしました。服の模様なのに。

時折新しくできた畑に水をあげたり雲に梯子をかけてその上に乗るなど行動にも変化が見られました。


「わぁ、すごいですねこれ。模様替えですか?」

「いえ勝手に変わったので観察してました。」


私が観察していると受付嬢のカリナがラフな格好で様子を見に来ました。

他の方から聞いた話では小人に夢中で休日でもよく見に来るとかで、ギルドにいたらよく会うようになりました。


「うぇへへ、今日も可愛いですね。」


カリナさんの顔がだらしなくなってますね。

よだれ垂れてますよー。


「あら、今日はフィニーさんが珍しくおられないですね。」

「ちょっと頼み事をしてたので今はいないです。」


今日は珍しく単独行動なため子供が一人で歩き回ってるようにしか見えないのですが、羊人は成人か進化するまで身長が120cmまでしか行かないらしいのでしかたないですね。

そうそう、成長といえば角が一度取れたので少し大きくなりました。

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