第37話 大アルカナと私
私は神様と遭遇し、司祭を交えて少しだけ会話をしました。
『私の愛し子というだけあって力の隠すことが難しいと、すいません…それは盲点でした;』
「私が望んだことなので覚悟はしてました。ただ…ちょっと力が強すぎましたね;」
『ごめんね夏ちゃん。でもアリンセルの件もそうだけど様々な要因が重なってしまったので愛し子になってくれて助かりました。』
「いえ、本当に力に関しては知らなかったことが知れてよかったです。」
そのように話していると司祭が恐る恐る口を開きました。
「すいません。神様、こちらのナツメ様とはどのようなご関係で?」
『あらごめんなさい。いきなり親しく話してたらびっくりしちゃうわよね。』
ゆっくり私の方に顔を向けると微笑んで答えました。
『私の命の恩人で、友人で、愛しい子です。そして、あなた方が知る英雄ナツは確かにこの子です。』
「おぉ…。」
司祭様そんな目で見ないでください恥ずかしいです。
『ふふ、今度美菜ちゃんの方にも遊びに行ってみようかしら。』
「その時は色々説明してあげてください。神様。」
そのように話した後、周囲の光が強くなっていきました。
『あら、世界の理は長くは待ってくれないのですね。』
「世界の理…。」
『ふふ、知識深い夏ちゃんならわかるでしょ?所詮神も世界の理の一つということよ。さて、帰る前にプレゼントがあるの。』
神様がそのように語ると私の両手を持ち上げて優しく両手で包みました。
その後暖かい光りに包まれたかと思えば、静かに光が消えました。
『大アルカナ、夏ちゃんなら意味がわかるでしょ?』
「え?それって…。」
しゃべろうとすると神様は人差し指で私の口元を抑えました。
『これはあなたにしか使えないの正しく使ってね。』
小声でそう言うと神様は光に包まれて姿が消えていく姿を見て、私はもっと話したかったなと思いながら両手を組んで祈りを捧げました。
占星術『アルカナ』私に新しい呪文が刻まれた瞬間でもあり、これが新しい進化のきっかけになるとをこの時の私は思いませんでした。
「いやはや神様を拝見できるとは…ナツメ様のおかげですの。ありがたやありがたや」
「あはは…私もびっくりしちゃいました。あ、そうだ司祭様。」
「なんでしょう。」
「補助職業の選択お願いしたいのですが。」
そう言うと私は5金を差し出しました。
「ふむふむ、3種の職業お選びになるのですね。」
司祭はそういうとゆっくりと女神像の前にある水晶に手をかざしました。
「では、祈りをささげてください。」
その後、私は3種の職業を選び終わったあとフィニーが迎えに来てくれました。
用事が済み教会から離れようとしたとき司祭から呼び止められました。
「ナツメ様。」
「はい。」
「私はこの世界を救ってくれたことを感謝しています。そして、どうか穏やかな生活を送れるよう…願っていますぞ。」
「ありがとうございます。」
こうして私たちは今日を終えました。
◇◇◇
占星術『大アルカナ』
私はこの呪文の意味を知っていました。
番号0~21が存在する呪文で私達のいた前の世界に存在するタロット占いのカード。
私は宿の寝室で呪文を唱えると手元に計11枚のタロットが出現し、タロットの下部には0~10の数字があり『愚者』から『運命の輪』までしっかり絵が描かれていました。
「11は確か正義だったかな?」
「何しているんだ?ナツメ。」
「あ、神様からもらった呪文の確認をしていたところ。」
一枚のカードで複数の意味を持つ大アルカナのタロット、使い方を間違えれば大変なことになるのだと思う。でも私はきっと恐れることはしないのでしょう。
「明日にはいろいろ実験だね。」
私はそういうと深い眠りにつきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます