第24話 大反響!占い師の箱庭。

バングとフェイルの過去に関して話し終えた後、上機嫌で私の提案にのってくれました。


「はぁー…笑った笑った。わかった。明日南東には調査だけ向かわせるようにしよう。」

「ありがとうございます。」

「だが魔王さんに関してはどう動くか予測できないが…。」


その返答に私は首を振りました。

魔王がどういう性格か知っているため、きっと探しには来ないのだろうとわかったからです。


「あの子は多分気が付いてると思うから気にしなくていいですよ。」

「な…そうか100年前に魔王と友人になったのって英雄ナツだったな。」


そういうことです。


「神狼に関しては…調査は神狼から許可もらったとしても大丈夫か。」

「あぁ、それで構わないぞ。本来ゆっくり移動する予定だったのだが…。」

「いや、気にするな。大体『英雄ナツと神狼の恋物語』は本になるほど有名だからな。故郷にいる娘が毎回読んで毎回泣いてるんだ。」


えー…私初耳なんですけど!


「もし真実伝えたら泣いて喜ぶんじゃないか?」


やめてよ恥ずかしい。


「それはもう少しお預けでお願いします。」

「了解。」

「それじゃ、わざわざありがとうございました。」


それにしても外からの声聞こえないから防音はすごいんだろうなとドアお開けた瞬間。


「「「おーーーーー!」」」


突如一回からでしょうか大歓声の声が聞こえてきました。


「こりゃー、ナツメ殿の占術はすごいみたいだな;ここで働くか?」

「…考えてみます。」


フィニーと一緒に一階にゆっくり降りてみると、たくさんの人が石板の方に集まっていました。

カリナさんも夢中になってみてますけど仕事大丈夫です?


「嬢ちゃんあれすごいな!」


そんなことを思っていると横から一人の冒険家の方が話しかけてきました。


「説明を受けて試したのだが、あんな選択式の占術見たことがねぇ。だがどうして選択式なんだ?」


多分この世界にはグラフはあってもレーダーチャートという見方がないのでしょう。だから見るのもただ見るだけでも新鮮なのだと思います。

それに大体占いは一番良い結果しか言わない人多いですからね。

だからおのずと答えは出るのですよね。


「私は人の選択に関しては無限にあると思ってるのです。たとえ誰かに指図されようとやりたいことをやれば良いと思います。」

「…そうだな。」

「ですが、必ずみんながみんな迷わず未来を選択できるわけではないですよね?そういう人を助け視野を広げてあげることも占術士の仕事なのだと思いますから。」

「はっはっは、確かにそうだな。いいこと聞いた。」


軽く会話を終えると私なカリナさんのに声をかけました。


「お仕事は大丈夫ですか?」

「うへへー…看板もって可愛いですね…。は!ナツメさん。」


あぁ…この場にまた一人小人マニアが誕生しそうですね;

この感じ美菜を思い出しますね。


「今回試運転も兼ねてたのですが…。これだけ好評でしたら占術の費用は1回1銀でどうですか?」

「へ?そんなに安くていいんです?」


え、安いんでしょうか…。

あの石板数百年単位で長持ちするってドワーフさん言ってましたから費用もそこまでかからないのですよね。水式はともかく…。

あと置いとくだけでも目の保養にもなりますし、たまに石板の外へ散歩に出たりするんで見てるだけで面白いのですよね。

占いが始まるとワープで戻ってきます。


「無理を言わなければ一日ずっと持ちますし、小人達は私が指示を出したらしっかり聞きますからね。あ、でも余裕があれば石板を拭いてあげれば喜びますよ。」


私がそう言って布で表面をふきふきしてあげると小人達が整列してお辞儀をしました。


「「「おーーー…!」」」


なんか女性以外に男性も食いついてみてるの面白いですね。


「あーん…きゃわわ。」


カリナさんに関しては私なんか危なそうに思えてきました。

後で拭きすぎないように注意をしておかないといけませんね;

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る