第23話 皆の平和を祈って、エロフを旅立たせる!

その質問答えなきゃダメです?

いえ、神の愛し子はバレてもいいんですよ正直…。

でも私のお漏らしがきっかけで浄化されましたなんて言えますか?

いやー…無理ですね。


「そのことなんだが…、ナツメが沼地に流れる川の上流で体液で汚れた衣服を洗っていたのが原因なんだ。特にナツメの体液…例えば血とかでも流れると浄化してしまうんだ。」


ありがとう、フィニー!

よし、何とかお漏らしのことだけはバレずに済みそうですね。


「…一体どういうことだ。」

「これはすぐに公にしてほしくないのですが…。私が神の愛し子だからです。」


あ、バングさんとフェイルがめっちゃ驚いてますね。

あははー、そりゃそうですよね。ですがフェイル兄、これからあなたが大変になりますよ。

なぜならまだ私の爆弾発言が待ってますからね。


「そして私はもう一人、神の愛し子を知っています。」

「ちょとまて、ちょっとまて…一人じゃなくて二人だと!」

「バングさんごめんなさい。今止めるわけにはいかないのです。私はフェイル兄に問いかけないといけないのです。もうここまで話すともう一人…誰が神の愛し子なのかわかりますよね?」


その後すごく長い沈黙が流れました。

どれくらい長かったのでしょうか実際の時間は短いのですが、おそらく空気がそうさせたのでしょう。

本当は穏便にやりたかったのですが。まだフェイル兄がこの場で暇を持て余してたんで急がせないといけませんしね。

平和のために急がせなくてはなりません。


「はぁ…、自分で言うのもなんですが鈍ってしまいましたね;あれだけ兄弟たちがすぐにヒントをくれたのはそういうことだったのですか…。フィニーが急がせるはずです。」

「私の知る美菜は嘘はつけても隠すことが大の苦手でしたから…いつかぼろが出ると思います。私は神狼がすぐ来てくれたけど美菜はフェイル兄にしか頼めないのです。そうなる前に助けてあげてください。」

「…ありがとうナツメちゃん。これが終わったらすぐ出発する。」

「いや、それはいいんだが…そのもう一人の愛し子とはいったい誰なんだ;」


私は一息ついた後バングに説明をしました。


「南南西の光の柱…そこに降り立った人物は私の親友にして、転生した英雄の一人ミナです。今の名前は私もわかりませんけどね。」

「は?じゃあ南東の光の柱に降り立ったのは…」

「その…私です。はい」

「はぁー…。」


あーバングさんごめんなさい。

前日の真夜中に転生したばっかりなんです。


「つまりあれか。ナツメ殿は光の柱が出現したと同時に神狼はすぐに現場に急行、旅を共にし前日ここに来た。それでナツメ殿と同時刻に南南西にミナ殿が転生して降りてきたと…。」

「儂もナツメが神の愛し子だと初めわからなかったが、儂と波長が合ったからな。」

「一つ聞きたいのだが南南西にミナ殿が転生した理由はなんだ?ランダムなのか?」

「あ…えーっと。」


私がフェイルを見たと両手を挙げて呆れたように喋りました。


「フェイル兄の故郷が近くにあったからなのですよ。」


あ、フェイル兄がプルプル震えてますね。


「あぁ!つまり私に会いたいがために南南西に!急がなくては…。」

「待て待て待て!行っていいからそのサインの山書いていってくれ。」

「く!障害め片づけてやる。」


うわ、めっちゃ早。


「待っててね!マイハニーーーーーーーッッッッ!!!」


書き終えるとフェイルはものすごい勢い事務室から退場していきました。


「ふー…やっと行ったか。」


フィニーが言うように確かにやっと行きましたね。

あれなら2日で行けるでしょう。

なんだかんだフェイル兄も体力お化けなのですよね。


「…なんかすまない。穏便に住んでいきたかったのだろう?」

「あー…あはは、いつかバレますしいいんですよ。ただー…まさかここにあのエロフがいたとは思わなかったんで;」

「エロフ…あっはっはっはっは。フェイルのことか?そりゃ違いねぇ。」


一段落ついたので先ほど出発したエロフの伝説について語ることにしました。

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